【高校生物】古生代の生物

前回の記事では、先カンブリア時代の生物について学びました。
原核細胞から真核細胞に、単細胞生物から多細胞生物に進化しました。
こうして多細胞生物となった生物は次の時代である古生代でさらに大きく進化します。
今回の記事で古生代の生物の進化について解説していきます。
この記事を読むことで、古生代の生物の進化を説明することができるようになります。

生物の歴史の時代区分
・先カンブリア時代 5.4億年前以降
・古生代 2.5億~5.4億年前
・中生代 6600万~2.5億年前
・新生代 現在~6600万年前


古生代は2.5億年前から5.4億年前までの期間のことです。古生代にはさらに6つの細かい区分があります。古い順から次のようになっています。
・カンブリア紀 4.9億年前~5.4億年前
・オルドビス紀 4.4億年前~4.9億年前
・シルル紀 4.2億年前~4.4億年前
・デボン紀 3.6億年前~4.2億年前
・石炭紀 3.0億年前~3.6億年前
・ペルム紀 2.5億年前~3.0億年前

古生代:2.5億年前~5.4億年前
・古生代の区分
カンブリア紀オルドビス紀シルル紀デボン紀石炭紀ペルム紀

古生代の代表的な動物と言えば、三葉虫です。
三葉虫は古生代に広く分布し、この時代の終わりに絶滅しました。そのため、三葉虫は「示準化石」として知られています。
示準化石とは、特定の期間にのみ生息し、広く分布している生物の化石で、その化石を含む地層の年代を決定するのに用いられます。

三葉虫、フズリナ:古生代の示準化石
示準化石:特定の期間にのみ生息し、広く分布している生物の化石で、その化石を含む地層の年代を決定するのに用いられる。

古生代の最初の時代、カンブリア紀には爆発的に様々な種類の生物が誕生しました。この出来事を「カンブリア紀の大爆発」と呼ばれています。
このときの化石が、カナダのバージェス頁岩から見つかっています。この化石群を地名から「バージェス動物群」と言います。
先カンブリア時代のエディアカラ生物群との違いは、堅い殻を持った動物が現れたことです。これは捕食者が現れ、身を守る必要が出たからです。

カンブリア紀の大爆発:様々な種類の生物が爆発的に誕生した
バージェス生物群:カナダのバージェス頁岩から見つかったカンブリア紀の化石群

古生代での生物の進化について、動物と植物で分けて考えていきましょう。
まず動物です。三葉虫のような無脊椎動物が繁栄する中、原始的な脊椎である脊索をもつ脊索動物が現れました。
脊索動物から脊椎を持った脊椎動物、魚類が進化し、一部の魚類は陸上に進出しました。進出した魚類は両生類に進化し、爬虫類に進化していきました。
魚類よりも先に陸上に進化したのが、植物と無脊椎動物でした。
このように生物が陸上に進出できたのは、大気中の酸素濃度が上昇し、生物に有害な紫外線を防ぐオゾン層ができたからです。
無脊椎動物は節足動物、昆虫類に進化し、繁栄していきます。

植物はシャジクモ類から進化し、陸上への適応のために根や維管束、クチクラ層、気孔、細胞壁、乾燥に耐えられる胞子などを発達させました。
最古の植物は約4億7千万年前に出現し、シルル紀にはクックソニアが存在ししました。その後、森林を形成する木生シダ類(シダ植物)や裸子植物が現れました。

2億5千万年前、ペルム紀に大絶滅が起きました。その結果、海では無脊椎動物、陸上ではシダ植物の多くが絶滅しました。
古生代はここで終わり、中生代になっていきます。

・古生代の進化
○動物
カンブリア紀:無脊椎動物
オルドビス紀:魚類の進化
デボン紀:両生類の進化
石炭紀:爬虫類の進化
ペルム紀:多くの無脊椎動物が絶滅した
○植物
シルル紀:植物の上陸
デボン紀:裸子植物の進化
ペルム紀:多くのシダ植物が絶滅した

多くの生物が進化し、繁栄しました。しかしペルム紀の大絶滅で生き残ったのは脊椎動物と裸子植物でした。
次の中生代ではこれらの生物の時代となっていきます。
次回は中生代について考えていこうと思います。


今回の記事で学んだことを活かして最初の問いについて考えて見ましょう。
「古生代の生物の進化はどのようなものであったか」
カンブリア紀には、「カンブリア紀の大爆発」と呼ばれる現象が起こり、多様な生物が急速に誕生しました。カナダのバージェス頁岩で発見された化石は「バージェス動物群」として知られ、堅い殻を持つ動物が現れました。無脊椎動物である三葉虫が繁栄する中、脊索動物が進化して魚類が誕生し、陸上へ進出し両生類や爬虫類へと進化しました。
植物はシャジクモ類から進化し、乾燥に適応するための構造を発達させ、シルル紀には陸上植物が出現しました。ペルム紀の終わりには、地球史上最大の大絶滅が起こり、古生代が終わり中生代が始まりました。


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