ミャンマーの問題-スー・チー氏の拘束を背景として-
今年の2月1日ミャンマーでは大きな事件が起き、日本でもニュースとして報道された。
与党の国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問と同氏の補佐官らが、クーデターの噂が蔓延しているなか、2月1日に奇襲で国軍に拘束されたとされる。
NLDの幹部たちは、国軍に対して政治的に反対してきたことから、何年間も刑務所で過ごすことになったとされる。同政党(NLD)の超重要人物のスー・チー氏は、過去に15年間自宅軟禁生活を送り、彼女を幽閉した軍事政権に対して非暴力で抵抗したことが評価され、1991年にノーベル平和賞を受賞するに至った。
ミャンマーではロヒンギャ族(イスラム教徒)を例に宗教的にも民族的にも複雑な問題を抱えており、ある意味で「戦争状態」ということもできる。
軍の権力は依然と強く、また2017年には国軍はロヒンギャに対する残酷な対応をし75万人のイスラム少数民族主義を強制的に隣国のバングラデシュに避難を余儀なくした。アメリカの新大統領であるバイデン氏はミャンマー軍部がロヒンギャ族に対する対応を「大虐殺」と呼ぶべきかを検討しているらしい。
選挙についてもロヒンギャ族には投票権がなく、民主主義にはまだほど遠い。
2019年ではスーチー氏が国際司法裁判所にてロヒンギャへの集団殺害(ジェノサイド)を否定した。そして、2020年には総選挙にてNLDが大勝したことに対して国軍は選挙の不正を訴えたことが拘束の事件にリンクしたと示唆される。
仏教とイスラム教、という宗教をはじめ、多民族国家であり少数民族和平問題は長らく懸念されている。
ミャンマーの問題は盤根錯節である。
●参考文献
https://toyokeizai.net/articles/amp/409460?page=3 (2021年2月2日アクセス)
https://www.asahi.com/amp/articles/ASP2130SHP21UHBI007.html (2021年2月2日アクセス)