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バンドはコスパが悪い 1.ライブの集客

 前回の記事で書いた通り、バンド活動において収益化出来る活動は以下の通りだが、そもそも制作コストがとてもかかる。

1.ライブの集客

 バンドをやっていない人でもSNSなどで知り合いが『ライヴやります!来て下さい!』という告知をしているのを目にしたことがあるだろう。多くのバンドがただ自己顕示欲のために人を集めたいわけではないと思う。それはライヴを行うためにライヴハウスに支払う『ノルマ』があるからだ。

ホールレンタル、ワンマンライヴ

 ドラムセットがあり、爆音のバンドにも対応できる都内で一般的なライヴハウスを借りる場合、大体土日の夜の部『7~8時間』で『20~30万』(もっと安いところもある)というところが多いだろう。所謂ホールレンタルというやつだ。しかし、そこら辺の売れていないバンドではこのノルマが相当な痛手となる。仮に7時間(リハ、片付けも含む)で20万円の、1枚2,000円のチケットを200枚捌かねばならない。しかもこれはホールレンタルの料金に過ぎない。ライヴ当日までの練習スタジオ代、機材の維持費、各メンバーの練習にかかる時間というコスト、活動のための交通費などは全く加味されていない。年に1回狙ったライヴで100名呼べるバンドがどれだけいるだろうか。ましてやそれだけで食べていけると考えていくと難しいことはお分り頂けると思う。ワンマンライヴともなれば、かなり時間が使えるが、2~3時間お客さんを満足させるものを提供出来るバンドは余程のバンドでない限り難しいであろう。

ブッキングライヴ

 上記の通り、ホールレンタルやワンマンライヴはハードルが高いので、出来るバンドが少ない。そこで、複数のバンドでノルマを折半するブッキングライヴが一般的で、各地で最も実施されているスタイルである。イベンター、あるいはバンド自身がライヴハウスをレンタルし、企画と称してバンドを集める。各バンドにかかるノルマは上記の5分の1程度になる。20万の場所であれば、2000円×15枚というようなノルマになることが多いだろう。最近はチケット代が高過ぎるイベントも目にする。また企画はライヴハウスのブッキング担当が仕掛ける場合もある。この場合も同様だ。

 ワンマンライヴから比べると、ノルマは安いように思えるかも知れない。しかし、自分が何かをやると仮定して、毎回必ず10人来てくれるという人はどれくらいいるだろう。5人でも厳しいと思う。1回は来てくれるだろうが、自分が好きな友達だからと言って、毎回ライヴを観ることは非常に考えにくい。相当なファンでなければ繰り返しは来ない。他に優先すべき予定が現れれば当日キャンセルもあり得るのだ。『行けたら行く』の9割は行かない。この言葉に多くのバンドマンが傷つき心が折れていくのだ。

 上記のような理由で集客に困っているバンドはとても多い。集客が思うようにできず、ライヴをするためにお金を払うという状態が常態化し、それに慣れてしまう。いくら練習しても、お金を払っても、成果が出ない、見えてこない。人を誘っても芳しい反応は得られない。何度も誘うと『行けたら行く』から『スルー』に変わっていく。

『自分の音楽には価値が無いだろうか。』

『自分の努力は無駄なのだろうか。』

 必死に頑張ってもこんな言葉が過ってきて負のループに陥る。2年くらいで解散するバンドはこの辺が理由だろう。急にライヴをやらなくなったと思ったら解散、メンバー脱退から解散するのは

『経済的な成功を手に出来なかった』

ことに尽きると思う。これが無ければ多くのバンドがバンドの音楽活動に没頭でき、解散することは無かったはずだ。ライヴの集客は本当に難しい。駆け出しのバンドは広告を売ったりできないので、SNSで告知をすることが多いと思う。申し訳ないが、上手いバンドより若くてルックスのいいバンドの方が人は集まると思う。今はその両方を兼ね備えていても長年続いてるバンドは少ないと思う。ただメジャーデビューしただけではその先の人生持たないと思う。

 話が大分脱線したが、次回は

2.音源販売

について書いていく。


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