生きざま
※昔はタオルとして使われてたが、古くなって雑巾として使われてるタオルの話です。
…
俺は雑巾(ぞうきん)として生きてる。
地べたに這いつくばったあとは、水の中に突っ込まれることが多い。
一人ぼっちで。
なぜなのかは最近わかった。
今日も汚れにダイブしてやったよ。
また汚くなっちまったなぁ。
・・・
上質なタオルがはるか頭上に吊るされてる。
バケツに体をあずけながらそいつらを見上げてる・・・
俺もかつては人肌に触れるタオルだったなぁ。
終わった人?
おっと人じゃねぇな。
終わったタオル??
・・・
でもよお、
考えてみたら俺はいつだって必要とされてきた。
今だってそうだ。
なんなら、今現在の俺のほうが必要とされてるかもしれない。
どんどん汚くなっていくし、このところ自分の体が薄くなっていくのを感じてる。
それでも必要とされてる。
俺がいなけりゃその場がどうにもならねぇ、
そんな現場がある。
かなりの古株な俺だけど。
・・・
身をすり減らし、形もいびつになってきた。
体はあちこち薄くなってきてる。
穴が開きそうなところもあるし、実際穴が開いてるとこもある。
俺がどこまで使えるかは人間の考え方次第だ。
かんたんに捨てるなよ。