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週末日記 8/3

8/3(土)

さのさくら先生のサイン会へ。
今回は『ただの飯フレです』3巻発売に合わせたサイン会で、さの先生にとっては二度目のサイン会である。(前回の2巻発売の時が、初めてのサイン会だったらしい)

前回ぜひ行きたかったのだが(好きな作品の作家さんの初めてのサイン会なんてめちゃくちゃ行きたい)、気付いた時にはすでに申し込みの開始時間を過ぎていて、枠は全て埋まっていた。

そんなことがあったので今回は気合を入れて電話をかけ、第二部という比較的早い時間帯に無事申し込むことができた。
一張羅のワンピースに着替え、会場の池袋のジュンク堂書店へ向かった。指定された集合時刻に一分遅れて9階の特設会場に入るとパイプ椅子が並んでいて、第一部の残りの参加者と、第二部の参加者が着座していた。前方にはパーテーションがあり、その向こうに先生が居て一人ずつサインを行うらしい。

椅子に置かれていたアンケートを記入し、どきどきしながら順番を待つ。何を話そう、どんな流れでお話すれば良いだろうか、プレゼントはスムーズにお渡しできるだろうか。

第二部の参加者を見ると、あくまで見た目の印象にはなるが年齢も性別も様々で、「飯フレ」の読者層に偏りがなさそうなのがなんだか嬉しかった。

いよいよ順番が来て、パーテーションの向こうへ行く。さの先生が座っていて、そのすぐ側におそらく担当編集の方と思われる女性が立っていた。反対側にはまた別の男性が立っていて、出版社の方かもしくは書店の方だったのだろうか。

挨拶をして整理券を渡す。整理券には記名欄があり、ここに書いた名前をサインと一緒に書いてもらえる。予想に反して、担当編集の方とさの先生と3人でお話する感じだった。担当編集の方が結構アシストして下さる。
全然上手くは話せなかったけど、書いてきた手紙とプレゼントの入浴剤は無事にお渡しすることができた。(プレゼントは男性スタッフの方が丁重に箱に入れて下さった。)

そして直筆のサイン。私の名前と、作品に登場するキャラクターの顔も描いてある。めちゃくちゃ嬉しい。感無量。
4巻発売の時もサイン会はあるだろか。一日サイン会を開催するというのは、かなり大変な仕事だと思うけれど、あれば是非行きたいなと思った。


ジュンク堂を出て、さてこれからどうしようかと考える。この時まだ14時半にもなっていなかったと思う。
とりあえず茶をしばきたいと思った。何せ暑かったし、どこかに座って落ち着きたかった。

池袋のジュンク堂は、近くにスタバが2件あった。数ヶ月前から、私にとってスタバはボイコット対象である。と同時に、最近日本のスタバユニオンが頑張っていることを知り、応援もしている。
先日、バースデークーポンの期日が迫っているというメールが届いていたことを思い出す。迷ったが入ることにした。

どうせ座れないだろうと思ったら、狭い店舗の中で二箇所ほど席が空いていた。池袋の狭いスタバで、絶好の茶しばき時なのに?と結構驚いた。たまたまタイミングが良かっただけかも知れないが、もしボイコットの影響が出ているならちょっと嬉しい気もしてしまう。

フラペチーノを頼み、バースデークーポンを提示する。レジを担当してくれた店員さんが「お誕生日なんですか?」とにこやかに聞いてくれる。
「先月、誕生日で…」と会話をしていると、他の店員さんに小声で「先月誕生日」と何やら言伝をしている。

支払いが終わって受け取りのカウンターに行くと、フラペチーノを作ってくれている店員さんが今度は「先月お誕生日だったんですか?」とにこやかに話しかけてくれた。そうか、さっきのやりとりはこの為だったのか。

とてもスタバらしい接客だなと思った。久しぶりに飲んだキャラメルフラペチーノは変わらず美味しかった。決して安くはないけれど、そこにはあのホスピタリティも含まれている。
美味しいものと、素敵な時間と空間を提供してくれるお店だと思う。けれど私はまたしばらくこのお店に来ることはないのだろう。スタバがイスラエル産の果物を使わなくなるとか、社内労組を訴えたことを謝罪するとか、そういった公式的な動きがない限りは。

フラペチーノを飲みながらまずはサイン会のことを反芻し、それから池袋演芸場へ行くことに決めた。

林家彦三さんの落語を聞いてみたいと思っていた。少し前からなんとなく気になっていた二ツ目の落語家さんで、林家正雀師匠に弟子入りしている。
池袋の8月上席の夜の部は正雀師匠が怪談噺でトリを務めていて、彦三さんはひざ前(トリの二つ前の出番)だった。

夜の部までまだ少し時間があったので、スープストックで腹ごしらえをしてから向かった。
近くのコンビニでお茶とチョコを買い、当日券を買って階段を下る。

入ると、夜の部の開口一番が既に始まっていた。しまった前座さんのことを忘れていたという申し訳なさと、演目は「転失気」だと分かるようになってきた嬉しさ。

彦三さんの落語は、聞いていて今までで一番情景が浮かんで、すごく素敵だなと思った。(後で調べてみると、あの演目は「西行鼓ヶ滝」らしい。)

後々思ったのは、私は今まで「噺(物語)」を聞きに行くというよりも、「噺家(人)」を見に行っていたかも知れないなぁということで、それもそれで一つの楽しみ方なのだとは思うけれど、なんだか少し反省もした。

多分、高座に上がっている”林家彦三という人”から、いい意味で意識を外してもらえた気がする。また是非聞きに行きたい。


正雀師匠の怪談噺も素晴らしかった。演目は「牡丹灯籠・栗橋宿(後半)」。先日、喬太郎師匠の独演会で「牡丹灯籠・お札はがし(前半)」を聞けたので、奇しくもこれで牡丹灯籠が最初から最後まで聞けた。ありがたい。

正雀師匠の高座の途中で、2列前の座席に座っていた二人組(おそらく母娘)が退出されたのが本当に残念でならなかった。
時間を気にしていた様子だったので、もしかしたら遠方から来ていて、電車の時間とかあったのかも知れない。けれども演目の、ましてやトリの途中で帰るのを見るのはどうしたってもやもやしてしまう。

怪談噺だったからか、客席の照明を落としていたのが多少幸いだったかな…それでも残念だったけれど。
鈴本だと確かトリが始まったら途中退出できない旨がアナウンスされていたと思うけれど、出演者と観客双方が気持ちよく過ごすために大切なルールだなと改めて感じた。

怪談噺が終わった後の踊りまで含めて堪能し、会場を出たら正雀師匠ののぼりは既に片付けられていた。入る前に写真を撮っておけば良かったと後悔した。

また寄席に行きたい。

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