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Fintech・決済・クレジット関連業務にイキナリ飛び込んだ人が読むと参考になる書籍紹介(実体験)
こんにちは、にだです。
私は総合商社からIT、Fintech系企業に転職をしましたが、SaaS製品は一定手触りはあったものの、Fintechの領域はかなり素人でまた決済という領域においてカード、QR、銀行決済など多様な種類があることも知らず入ったため最初のキャッチアップにかなり苦労をしました。ただ周りの反応では素人とは思えないほどかなりのスピードでキャッチアップをした、と言われたので、私が転職後に読んだ書籍を以下に紹介します。もちろんどういったFintech系企業に入社されたかで適切なものは変わると思いますが、かなり互いが隣接していますのでOnboard版としては参考になると感じています。
私のバックグラウンドからすると以下は一定の理解が既にありました。
・米国公認会計士・簿記二級などでB/S、P/L、C/Fなどの動き
・与信や企業間売買・決済における掛け取引、手形、L/C
1.カード決済業務のすべて
・机の上に一冊置いておく
・カード業界は特殊用語や加盟店側とカード発行側でカード会社の呼び方が違ったり、また同一人物が上記を対応する場合があったりとやや複雑ですので、最初オーソドックスな全体観を掴むにはかなり役に立つ1冊だと思います
・アクワイアラーって?イシュアーって?決済ネットワークって?とこんがらがっている方は週末に一気読みがおすすめです
2.エンベデッド・ファイナンスの衝撃
・Fintech業界においては各種金融サービスを、他のB2B、他のB2Cサービスの中に組み込んでいく、また逆もしかり、という意味でユーザーのUIにサービスが組み込まれて目に触れる、それが他サービスと繋がっていくことが好まれています
・この本では欧米企業の動き、国内企業が今どう動いているか、など事例も踏まえて記載をしてくれており、広くエンべデットファイナンス全体の動きを把握することができます。丸井がエポスカード始めて、証券関連会社に出資したり、などの動きも実店舗での月賦販売からの派生形で金融への進出例として記載されています(世代が丸井世代なので記載していますがもっと様々な事例が出てきます)
3.BNPL後払い決済の最前線
・Buy Now Pay LaterはB2Cでまずは大きく普及をしましたが、その与信ロジックに使っている情報などを各社がどう見ているか、グローバルでどういうプレーヤーがメインで動いているか、など情報満載です
・またB2Bで私はやっていましたが、B2Cの基盤を一定活用していることと、ただその場合だとB2BではFitしない部分もこれを読む(B2Cを学ぶことで)ことで見えてきましたのでお勧めです
4.決済サービスとキャッシュレス社会の本質
・クレジットカードの日本の特殊性
・またデビットカードはどう普及されようとしてきたのか?(今もまだこの機能に注目をしている人もいる、ただ米国のデビットカードと日本のものは生い立ちが異なる)
・ブランドデビットカードって?、プリペイドの仕組み
・海外送金の仕組み
・中国のキャッシュレス
・など少し踏み込んだ詳細を学んでいける一冊
5.図解Fintechが変えるカード決済ビジネス
・カード決済に寄ったビジネスをしている人
・また他Fintechサービスに寄っているが、カードを有効に使えないか、と考えている
・融資やセキュリティーの仕組みにも少し入ってくるのでややマニアックもあり、Fintech×カード理解では参考になる1冊
6.決済システムのすべて
・結構高いので中古で買いました(やや辞書っぽい使い方)
・決済システムに踏み込んで理解したい人向け、で特にBusiness developmentのロールである程度システムの深いところを分かっていないとエンジニアと会話できない、もしくは業法対応関連でリーガルの話についていけない、という方には良いかも
・古い銀行の決済システムなどの生い立ちを学ぶのには良い
7.支払決済法 手形小切手から電子マネーまで
・この仕事をしているとどこまで行っても業法の話が付きまとってくるかな、と思います
・貸金業、資金移動業、などその根底にある、法律が何を保護しようとしているか、の基本的理解に役立ちます。基本的には金融庁がサービスについて検証していく際には法の趣旨をはみ出しているもの、拡大解釈し抜け穴を見つけているが消費者が困っている可能性のあるもの、が規制対象になるわけでもともと何を保護しようとしているか、の理解に役立ちます
・電子マネー、デビットカード、手形小切手、銀行振り込み、資金移動業、収納代行、代引き、電子記録債権、など手広く情報収集できます
8.よくわかる手形小切手の実務
・決済寄りではないですが、2026年度末に手形取引がなくなる、ということはFintech業界でもそれに代わる価値提案として1つの大きなテーマだと思い読了。
・そもそも手形小切手取引って何やっているの?なくなるとなんで困る?あたりがシンプルに理解できる1冊
9.決済インフラ入門
・少し決済システムのすべてに似ているところはあるけど
・もう少し軽め(こちらを先に買うのが良いかも)
・ペイジーのサービスなど事例もあるので面白い
・カード(クレカ・デビット)、銀行決済全般に関するインフラ説明があるので初期導入本として〇
・電子記録債権などの例もあるのB2B担当にも参考になる
10.DBS世界最高のデジタル銀行
・DX化で銀行がどうなるべきか、を学べた
・日本の銀行と業務連携、提携をしているパートナーとして組んでいる、という方は一度読むとTo beのイメージが湧く気がします
番外編、これは入社前に読みました。基礎ですが、改めて読むと振り返りにはなります。同じく金利編を購入していますがまだ読めていません…(既に転職してしまいましたが笑)
以上です、あくまでも個人の参考本でしたが、オンボード中のキャッチアップを早める意味で読書は知識を得るのにとても役に立ったのは事実です!