マルの家族の話 #番外編
彼(マル)が地元に帰ってきた。
遠距離は別れるカップルが多いと聞くけど
わたしたちは乗り越えられた。
マルのお母さんに
「あんたたちすごいね」と言われて
照れくさかったけど笑みがこぼれた。
そうそう。話の続きの前に
マルの家族の話をしてみようと思う。
マルの家族は
お父さん お母さん
お兄ちゃん マル 弟 妹 犬1匹
近所に住むおばあちゃん(母方)
県外に住むおじいちゃん(父方) だ
お父さん
目がパチくりしていて、笑ったときにできる目尻のシワが優しい人柄を醸し出している。
仕事柄、転勤が多く県外を転々としていた。
わたしには人見知りして緊張していたけど
マルいわく実はよく冗談は言うし
お母さんのことが大好きらしい。
赴任先から帰ってきて、夫婦喧嘩をしてしまった日の夕飯はお父さんの担当。決まってカレーとシチューどっちも作るのだ。大家族だしね。
すきなエピソードがある。
お父さん、ある日からブクブク太っていってしまいお腹もぽっこり。体つきも丸くなってきた。
お母さんは子どもたちに言った。
「あのデブ嫌だ!!!」
それを聞いたお父さんはショックを受けて
すぐに筋トレを始めたらしい。可愛すぎ。
お母さんことを大好きなお父さん
ていうイメージが強いかな。
お母さん
鼻筋がスーッと通っていて、髪が長くて
子ども4人産んだようには見えないとてもキレイな女性だ。美意識も高い。
性格はサバサバしていて
面倒見がいいお姉さんタイプ。
相当モテたらしい。(そりゃそうだ)
わたしにもとてもよくしてくれた。
マルと遠距離しているときも
お母さんに用があるときは迎えにきてくれた。
「ニコリちゃん(わたし)マルのこといつでも捨てていいからね、もっと恋愛しなさい〜」
なんてことも言ってくれたな。笑
パソコンのパスワード設定するときは
わたしの生年月日にした話はなんだか嬉しかった。
よくマルの実家に遊びに行かせてもらってたけど
礼儀知らずのわたしは手土産も持っていかなかったな…
気の利かない息子の彼女にも優しくしてくれた。
本当はなんか思ってたかな?すみません…
お兄ちゃん
マルの1個上で、わたしたちと同じ高校。
お母さん似で甘いルックス、めちゃくちゃイケメン
おそらく学校一のモテ男でファンがたくさんいた。
性格もフランクだから女の子がほっとかないため
常に彼女がいたイメージがある。
マルが学校の非常階段で告白してくれたとき
運悪くお兄ちゃんに見られていて、その後何度もその話でイジられた。
修学旅行でわたしにもお土産買ってきてくれたり
将来の妹だと楽しみにしていてくれた。
わたしにはお兄ちゃんがいなかったから
うれしかったな。
一時期わたしの姉のことが好きだったらしい。笑
(みんな高校がいっしょ)
そんなお兄ちゃん、高3のときだったか
退学することになって広島の高校に編入した。
マルがちょっとさみしそうだった。
兄弟一、反抗期が強くてお母さんを泣かせてしまっていたけど実は家族想いなのは知っている。
弟
マルの2個下。
お父さん似で笑顔がかわいい三男坊。
長男と割と仲が良くて、よく妹をいじめていた。
お母さんがお兄ちゃんたちの試合は応援にいくのに
自分の試合にはきてくれない、と拗ねていたのをわたしは知っている。かわいい奴だ。
わたしはすぐ仲良くなれるタイプではないし
弟も思春期だったからたくさんは話してないけど
「兄ちゃんの彼女」に照れている感じがかわいかった。
弟だけちがう高校に入学し
中学では陸上部だったが、高校でははじめてラグビー部に入部して国体まで行っていた。
キャプテンも務めあげていて
最後の試合はわたしも家族に混ぜてもらい
応援に行った。
家族の中ではイジられ対象なので
家の廊下に彼女とのちゅープリが落ちていたときは
お母さんに拾われて家族中のネタにされていた。
妹
マルの9個下。
年の離れた妹で、3人のお兄ちゃんに
それはそれはかわいがられていた。
と言いたいところだが、とても泣かされていた。
お兄ちゃんたちがイジメるイジメる…
負けん気が強くなったのか
男の子っぽい性格に成長していた。
イジメられた日には
泣きながら階段をドシドシ登りながら
ドアをバンっと閉めて部屋に閉じこもっていた。
小学生のときは
わたしに懐いてくれていたけど
成長するにつれて敬語になっていったのは
さみしかったな…
運動会の応援も行ったり、マルとのデートに着いてきて3人で遊んだり。
いちばんマルに懐いていた気がする。
お母さんが弟のラグビー部の懇親会で家を空ける夜
マルにお金を渡して妹のご飯をお願いしたことがあった。
マルは自転車の後ろに妹を乗せて
2ケツで近くのファミレスまで連れて行ったエピソードは今思い出してもクスッとしてしまう。
犬
ミニチュアダックスフンドのチョビ。
おじいちゃん犬だ。
マルがいちばん可愛がっていて
たまにわたしも散歩について行った。
リードがなくてもマルの隣をゆっくり歩く姿は
とても可愛かった。
2人の歩く後ろ姿を写真に撮った。
マルとお別れした後に写真は消してしまったけど
どんな写真か鮮明に覚えている。
わたしと付き合う前にもう1匹
ミニチュアダックスフンドのチョコを飼っていた。
お散歩中に迷子になってしまって
探したけど見つからなかったらしい。
しばらくしてお母さんが知らない人が
チョコに似た犬を散歩しているのを見たと聞いた。
今が幸せならと声はかけなかった。
チョビチョコの話をしているマルの顔は
すごく優しい顔をしていた。
たくさんの思い出があるんだろうな。
おばあちゃん
母方のおばあちゃんでマルの家の近所に住んでいる
小さい体で元気でパワフルなおばあちゃんだ。
家族の集まりに呼んでもらったときには
「うれしいうれしい」と言って写真をたくさん撮ってくれた。
笑顔がかわいいと褒めてくれた。
踊りを習っていて「あんたたちの結婚式で踊らせて」と言っていたっけ。
マルは恥ずかしい、と嫌がっていたけど…
おじいちゃん
父方のおじいちゃんでトラックの運転手。
県外を走り周っている。
マルの実家に遊びにくるときには決まって
大量のお土産を持ってくる。
ほんとに大量に。
愛媛に住んでるから毎回
みかん数箱、ポンジュース数箱はお決まりで
よくわたしもおすそ分けしてもらっていた。
みんなが食べているのを見るのが好きで
孫たちは大量に食べさせてもらっていた。
不思議だったのが
おばあちゃん(母方)とおじいちゃん(父方)が
仲が良かったことだ。
お互いパートナーとは離婚しているため
自然と仲良くなったのかなと思っているが、
マルの家族がみんなフランクだからなんだろうな。
お父さんの妹家族も愛媛から
マルの家に遊びに来ていたし。
わたしもその中に入れてもらっていたのを思い返すとなかなかすごい。
年始の家族の集まりで焼肉に連れて行ってもらった。おじいちゃんがご馳走してくれた。
その後はみんなでパチンコに行くのだ。
「初打ち」らしい。
そんな家族いる?!
と思いつつ、わたしの実家では絶対に行かないから
とても新鮮でおもしろかった。
そんなマルの家族がわたしは大好きだ。
わたしの憧れだった。
その家族の一員になるのが夢だった。
もしかしたら『息子の彼女』『弟の彼女』
だから良くしてくれていただけかもしれない。
本当のところはわからないけど
本当に本当にあたたかくて大好きな家族だ。
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