人との差異をどう生み出すか、似た者たちに埋もれながら「彼らと違うのだ」という境界線を作る ~星宙百景 2024 双子座
毎年、太陽はほぼ同じタイミングで黄道12サインを運行することから、双子座にイングレスするのも毎年同じ5/20日前後である。太陽の運行は季節と対応し、その季節らしいドラマと実りをもたらす。
そのように太陽は時を刻む役割を担っているわけだが、他の天体もそれぞれの運行で刻々と変化するし、時代の変遷と共にサインの象徴の捉え方も大きく変わる。10年前の双子座の意識と今の双子座意識は全然違う。この10年で国/企業/個人は、それぞれにものの見方考え方が大きく様変わりした。10年前は、ChatGPTや生成AIといった言葉など耳にしたこともなかったし、移動手段に電動キックボードを使用する人を見かけることは少なかった。では、2024年の双子座の季節は、どのような時代意識が共有され、どのような創造を求められるのだろう。
今からそれを考えていくのだが、その前提として、太陽の運行とは何なのかを考えてみたい。昔から太陽の運行を利用した12サイン占いというものが存在するが、実際、太陽的な活動をするというのはそう簡単ではないはずだ。独自の人生を築こうという意欲、意図の力がなければ、基本、その光の強さに圧倒される。そして積極的な行動、生産的な活動へと向かうことができないまま、いわゆる月の世界――太陽の光を避け、慣れ親しんだ行動、安全の領域の中に閉じこもり、やらない、できない言い訳を続ける、そんな季節を過ごすことになるだろう。
また太陽が自分にとって苦手なサインを通過するときは、このような常套句を口にすることもある。「私は、この季節になると調子が悪くなるのですよ」と。
だから、太陽を生きるということは、たとえ大げさなものでなくても、自分なりの意欲と目的意識は必要になる。そうでなければ、太陽活動なんてしんどすぎるからだ。
それでも、何か自分の未来のために手を伸ばしてみたい。そういった時、太陽は温かなエネルギーを私たちに与えてくれる。
ここまでを前提として、2024年の双子座期について考えてみたい。
「2024年牡牛座期 星宙百景 おさらい編」でも取り上げた以下の内容。
4月の衆院3補欠選挙の全敗に続き、静岡県知事選でも立憲民主、国民民主両党推薦の候補者に敗北、また、都議補選目黒区選挙区でも立憲民主党元職の候補者に惨敗、広島県府中町長選でも自民、公明両党推薦の候補者の落選となった。広島は岸田首相の地元でもある。これらの結果から、野党に追い風が吹いていると考えることはできるのだろうか。
実際、双子座イングレスチャートは、北半球が強調されており、4ハウスのカスプルーラーは牡牛座金星で力もあり、確かに国民の野党に対する注目はかなり高まっていると読むことができる。自民党は政権を手放すことになるだろうか。また小池百合子の応援候補も3連敗しており、7月の都知事選の行方、現職都知事の三期目当選も危ぶまれてきた。
そこに立憲民主党の蓮舫の登場である。さっそく、彼女の二重国籍問題について騒がれ始めているが、小池百合子一強の図式を揺るがすためにも、自民党政権対する民意を明らかにするためにも、この予想外の出馬は間違いなく有効にはなるだろう。
今、水瓶座を運行中の冥王星が9月には山羊座に戻るのだが、そういった意味で、私たちは2008年から山羊座を運行している冥王星の、または蟹座で発見された冥王星のハーフリターンのテーマを完成させること、つまり「何を終わらせ、何を始めるのか」「これから私たちが必要とする力とはどのようなものなのか」といった権力構造の変遷を考えていくことが重要になるかもしれないし、また、4ハウスの強調や月ー冥王星の表示は、自分の中にある不安要素――未解決の問題との対峙、自分の中にある恐れや不安との対峙――を突き付けられる体験と考えることもできるのかもしれない。
ここで、2024年の双子座期を考える前に、先月の牡牛座期のチャートをあわせて見てほしい。
牡牛座期のチャートでは、3ハウスが強調されていた。双子座は3ハウスと連動していることから、牡牛座期で既に双子座期の予行練習が始まっていたと考えられる。さらに5/26には木星が双子座にイングレスすることから、ここからの一年は双子座・風エレメントのテーマを鍛えることの必要性が考えられる。なるほど、今期の双子座はとても重要な時期になりそうだ。双子座らしい目的意識と生産性、その力を身につけることで、未来が明るく発展的になる予感がする。
では、双子座期にはどのようなことを意識したらいいのだろうか。
双子座は、よく競争原理のサインと言われるが、これはどういうことか。
牡羊座、牡牛座と続き、3番目のサイン双子座で初めて外界に触れる。自分だけでは自分が何者かはわからない。だから、外のものと積極的に触れることで自己を認識することになる。その時、他者を自分の分身のように感じるかもしれない。近親憎悪のような、「関係やコミュニティが共通点を共有すればするほど、人々は、お互いに知覚される小さな違いに過敏になる」だろう。だからこそ、自分の違いをより強く意識しようと、時には好戦的になることもあるだろうし、自分の個性や差異が自覚できない時は、自分が何者かよくわからない不安がでてくるかもしれない。
だから、あまり例えは良くないが、双子座に太陽を持つドナルド・トランプのように、時に声がやたら大きくなることもあるということだ。
だとしたら、3ハウス強調からの流れで、太陽双子座期、そして双子座木星期は、他国との、他企業との、他者との違いを意識しようと躍起になる出来事が増えるかもしれない。
中国との差異を主張するべく、台湾新総統は積極的に外交政策を行う必要があり、公明党は裏金問題を抱えた自民党とは一線を画していると訴える必要がある。私/私たちは彼らとは違うのだと。
これからの可能性を創造するため、太陽双子座期、木星双子座期は、人との差異をどう生み出していくかが重要になると考えることができる。似た者たちに埋もれながら、「彼らとは違うのだ」という差異で境界線を作っていくということが。
では、4ハウスをどうとらえたらいいのだろう。今回は、環境問題を取り上げてみたい。リニアのトンネル掘削工事による水問題、またオーバーツーリズムによる地域住民の生活や自然環境に影響なども4ハウスのテーマになるだろうか。
この辺は、双子座が終わる頃、「2024年双子座期 星宙百景 おさらい編」などで取り上げてみたい。
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