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建物合体登記

先日、既登記建物と未登記建物の合体登記を行ないました。

私は愛知県小牧市で土地家屋調査士稲垣憲明事務所を開いています。
平成23年に小牧市小木の居宅を建物合体登記にて申請した際には、登記官から増築で申請するように言われて建物表題部変更登記に切り替えました。
今回は小牧市市之久田の作業場を建物表題部変更登記で申請したところ、登記官から合体で申請するように言われて建物合体登記に切り替えました。

その違いは何だったのか。振り返りながら学びに変えたいと思います。

『建物合体登記の実務』という書籍はご存知でしょうか。

その本には

建物の合体と増築
建物の増築とは、一棟の建物に物理的かつ効用上も独立性のない築造部分を付合させて建物の状況に変更を加えることであって、建物の合体のようにそれぞれが1個の建物として物理的に独立性があり、かつ効用上も1個の建物として経済性、取引性を有する建物を他の建物と一体化させて1個の建物とする場合とは異なる。
したがって、築造した部分(増築部分)は、それのみをもって1個の建物として登記することができず、単に既存建物の床面積を増加させるにすぎないのである。
建物の合体と比較すると、合体とは、既に登記された建物と、登記の有無には関係なく一個独立性のある建物との間に増築又は隔壁の除去等の工事を施して物理的に1個の建物とする場合のことをいい、合体前の建物はいずれも1個の建物として登記することができる独立性のある建物であることを要するのである。
したがって、それのみでは1個の建物として独立性を有しない建物(例えば、母屋に附属した便所、物置等。通常これらの建物は、その建物の主たる使用目的をもつ建物(母屋)の附属建物となり得るにすぎない。)との間に増築工事を施し一体化させ合体しても、独立性を有しない建物(便所、物置等)は既存建物の一部として付合し、増築となるのみである。
なお、独立性のある建物同士の合体の場合で、合体前の建物がいずれも未登記の建物の場合は、合体後の建物について、建物が新築されたものとしての建物の表題登記の申請をすることとなるのである(法第49条2項)。

建物合体登記の実務(2018日本加除出版)山田一雄・梶原周逸 編著

と記載されています。

小木の居宅は躯体は独立しているが、母屋に附属する物置であるため、取引性という点では独立していると言い切れないかもしれない。

市之久田の作業場は、躯体として独立し、別途切り離して取引できる独立性が高いと言えるかもしれない。

個別に表題登記ができる建物かどうかで考えれば、増築と合体の区別が分かりやすくなりそうです。

詳しい手続きは『建物合体登記の実務』にしっかりと書いてあるので、参考にしてみてください。

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