ショウマストゴーオン観た
12/28に配信を観ました。おもしろかったー!(以下ネタバレあり)
主演の鈴木京香さんが代役で三谷さんに。
三谷さんが意外とハマってた。鈴木京香版だとどうなってたんだろうこれ。観てみたかったー
20年くらい前(!)に初演を友達とビデオで観たので、うっすらと覚えているのですが、今回だいぶ設定が変わっていました。
1 舞台監督の妻が若い恋人に
初演では舞台監督が西村雅彦で、離婚調停中かなんかで微妙な関係の奥さんが登場しました。
とある出来事からみんなが舞台監督に反発してしまったときに、部外者の奥さんが「あんたたち舞監の言うこと聞きなさいよ!」と一喝するシーンが大好きでした。
初めてちゃんと仕事中の夫を見た妻が、ちょっと夫のことを見直すんですよね。でもだからといって元鞘に戻るわけではないんだけど…というほろ苦い大人のエンディングだった気がする。
今回は若い恋人にさんざんお金を援助したのに捨てられるという展開で、舞台監督さんかわいそうでした。
仕事終わりののえちゃんがフェミニンなワンピースに着替えて帰るシーンは初演でもあったんだけど、今回それがすごく意味深なシーンになってしまった。
2 俳優の恋人の存在がなくなり、医者が登場した
初演ではマクベス役の俳優を佐藤B作がやっていて、彼に若くてやたら顔の綺麗な男性の恋人がいるという設定だったんですよね。
一見ただの付き人に見えるんだけど、本番前の俳優が恋人に「見ててください…」とすがるように言い、若い恋人が「行ってこい」と言うんですよね。若かった私は当時観ていて(どういう関係…??)と思ったのですが、作中では「そういうもの」という感じでとくに説明もなかったです。なんか、全体はコメディなのにこのシーンだけ妙に湿った感じがあってすごく印象に残っています。
体調不良の俳優に注射をするのも初演では恋人の役割だったと思いますが、いなくなったので医者が出てきたのですね。
今回の俳優さんの心の支えは舞台監督さんが担っていました。私の観た回は三谷さんと尾上さんのハグシーンだったので笑いが起きていたけど、京香さんだったら普通にラブシーンぽくなっていたのでは…どうなんだろう…
最後、俳優が舞台監督にダメ出しをしたあと改めてハグをするシーンもあったし、もしかしたら今後この2人の間で恋が芽生えるかも、ということだったのかもしれない。
3 信玄餅を消費することに命をかけているおばちゃんの存在
こんな人いなかったよな…??笑
ピアニストさんも登場して、生音のピアノがとても素敵でした。
あと他にも、「アーハン?」ばっか言ってた近藤芳正が美女になってたとか、演出さんの通訳っていたっけ? とかいろいろあるのですがうろ覚えです。「演出家が迷子になってて不在」という設定は「幕が開いたら演出家なんていなくてもいいんだ」という三谷さんの自虐かもしれませんね。
観ていて好きになってしまったのは尾上松也さんと新納慎也さん。
新納さんは真田丸で見たときからファンなのですが、舞台に立つと舞台映えがすごいですね!背ぇ高っ!顔ちっちゃ!かっこよ!!!
あと尾上松也さんの演じる俳優。佐藤B作もよかったけど、尾上松也さんの、人間としてはめちゃくちゃでダメダメなんだけどとにかく役者としての才能がすごい、という俳優像がとてもよかった。
観ていると無意識に「向こうの舞台でずっと尾上松也がひとり芝居をやっている」と思って観てしまうのですが、実は出番少ないんですよね。でもすごい存在感。
なんというか、三谷作品の好きなところのひとつに「登場人物がそれぞれにそれぞれの価値観で動いている」というところがあるなあ…各々自分勝手に動いていて、でも目的とするところは意外と同じ、という感じが良いです。
一番笑ったのはあずささんの「大事なことだからもう一度言うっ!マクベス夫人が亡くなった!!」でした。
あとあの小道具さんの「ついバラしやすい家作っちゃう」も良かったなー
舞台監督さんが、八代さんを舞台に上げないという判断をするところも好き。
あと最後に俳優から舞台監督さんが怒られるとこも好き。こんなに必死でなんとかしたのにそれでも怒られるという…プロの厳しさですね。
好きなシーンをあげるとキリがありません!
(追記)私が昔観たのは初演ではなく再演だったようです。今回のが再々演なんですね。