わたしのデスノート的な?!の巻
「ごめんごめんごめん!!! 玲奈!! 玲奈のせいじゃないんじゃよっ!!」
月浜可憐が、わたしの肩を抱いて焦っていた。
「ううっ...」
「玲奈のせいで、雅哉が死ぬんじゃないんじゃ! 玲奈は、雅哉の死を予感出来てしまう。そして、知らず知らずして、何かで表現してしまう。そういう能力を持ってるっていう意味。あんたが、ノートに雅哉を書いたから、雅哉が死ぬんじゃないぞよ。デスノートとは全く違うんじゃぞ!!」
月浜可憐は、わたしの肩を揺さぶった。
「そんな能力いらないっ!!」
わたしは泣いた。しばらく泣き続け、落ち着くと、また彼の側に行き、寝ている彼の頬に触れた。
「冷たい...」
暗闇の中で、お線香の香りが漂っていた。
「人間の本能じゃ。雅哉も自分の死が近いことは分かってはおらぬ。ただ、本能が線香を焚かせたんじゃな。死臭を消すために...」
「......」
「人間には、元々、そういう察知する能力があったのじゃ。生き物もそうじゃろう? 犬や猫やは、自分が死ぬ時は、独りで死んでいく。死の間際、人間から離れたがるじゃろう? 自分のことを、ちゃんと分かっておる。人間も、かつてはそうじゃったんじゃ。そういう動物的な本能が強く残っているのが、玲奈なんじゃよ」
月浜可憐は、わたしの頭を優しく撫でた。
「雅哉さん、冷たいね...」
わたしは、彼のおでこや頬に触れた。彼の冷たいおでこに、自分の頬をあてた。涙が流れた。
「今更ながら、雅哉と初めて会った日。あたしゃ、雅哉はお客さんだと思ったんじゃよ。あんたが初めて呼んだ、霊のお客さん」
「え?」
わたしは、月浜可憐を見上げた。月浜可憐は、わたしの隣に「えっこらしょっと」しゃがむと、
「雅哉を初めて見たとき、透きとおって見えたんじゃ。まるで、存在がそこに存在しないモノのようじゃった」
月浜可憐は、宙を見上げ、首をかしげた。
「はてな?」
つづく