『瀧本哲史ゲリラナイト』~再集結の夜
(さきほど、瀧本先生が8年前に行った講演のオーディオブック版を聴くイベントが行われた。)
あのときの方々がどのぐらい集まるのかなと思っていたら、まさかあのときの何倍も人が集まるとは。
想像のはるか上で、さすが瀧本先生。
ただしカリスマと呼ぶと怒られるかもしれないので控えておく。
あのときの記憶などどれだけあろうかと不安があったが、聴けばほとんどを思い出せた。プロジェクターに映された文字のフォントまで懐かしい。
ただ改めて聴いてみると当時よりもっと深みをもって聴けたのは嬉しい誤算だった。少しは成長していたと判断してもよいだろうか。
当時の私は、先生すごい早口だなあ、将来どうなるか不安だなあ、他の人がみんな優秀に見えるなあ、という程度のほぼ一方向の視点ばかりに支配されていた。
少々の経験を積んだ今となっては、先生はとてもわかりやすく私たちのレベルに合わせて話してくださっていたことに気付ける。だからこそ内容の凝縮していて、今も記憶に残っていたのだろう。
また今回は、先生のお人柄についてフォーカスが向いたのを感じた。
とはいえ日頃から、「別に本が売れなくても構わない」「編集者に頼まれただけですし」といったような趣旨のご発言が頻繁で、本当にそうなら口にするはずないのでは、ということぐらいは感じていた。
どうしても、数字や確度だけで物事を判断する人に見えないと。
特に質疑応答が見事で感動したのを記憶している。よく考えてみれば、質疑応答が得意というのは他人に対する思いやりそのものだ。
当時は、訓練を積んでおり頭の回転が速いからだと思っていたが、それだけでその場を盛り上げられるとは限らない。
上手く質問できないのが普通、僕がなんとかするよ、という安心を感じてはじめて私たちは質問できる。短時間のうちにその信頼を得なければ成立しないこと。
若い頃受けた教えはどういう形であれその後の人生に影響を及ぼしやすい。きっとこれからも私の中にこのお話は生き続けることだろう。
船長各位
引き続き、良き航海を。