#tegakihikari のこと
秀吉というバンドが2020年2月5日に発売する新しいアルバム「ひかり」という作品のために1000枚絵を描きました。CDを対象店舗で買うとランダムでその原画がついてきます。SNSに#tegakihikariというハッシュタグをつけて絵をあげています。
「ひかり」ということばをきいて、思い浮かべる色がきっとみんな違うように、秀吉の「ひかり」という作品があなただけのひかりになるようにという願いを込めて、CDケースにおさまる119mm四方の紙に1枚ずつ様々な絵を描きました。
わたしは秀吉というバンドの音楽が大好きです。いままで一緒にいろんな作品を作ってきました。だけど、バンドや音楽のかっこよさや、聴いて欲しいという気持ちをことばや文章で誰かに伝えるのはわたしにとってすごく難しいです。だから、たくさん絵をかくことにしました。
「秀吉の音楽が好きで、1人の人間が1000枚絵を描いた」
それが、秀吉の音楽がだれかにとっての「ひかり」になるきっかけになったらすごくうれしいです。
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ここまでは個展の展示の横につけるキャプションように書いたきれいな文章です。それに加えてこれをやることにしたきもちなどをすこしだけ。
手描きジャケットは秀吉さんから新しいアルバムを作る、というお話を聞いた時にわたしからやりたいと言いました。手描きジャケットをずっとやってみたかったということ、「ひかり」というタイトルと、1枚ずつ絵柄が変わる手描きジャケットの親和性が高いこと、なにより秀吉が久しぶりに全国流通で出す作品だということ、やらない理由は私に中にはなにもなかったです。あるとすれば「ちょっと大変かもしれないな」くらい。正直バンド的にはめんどくさいことのほうが多かったと思います。
だけどわたしも正直3枚目くらいで弱音をはいてしまいました、「ぜんぜん大変さがちょっとじゃねえ!」「だれだ1000枚描くって言ったやつ、わたしか!」っていう自問自答を2000回くらい繰り返ししながら、よくある心理テストの「あなたは考える前に行動する派?」という質問にいつも「どちらでもない」と答えてきたのは嘘ですすいませんって心の中で土下座。
だけどこれはどうしてもやりたかった。きっと考えてもやっていたと思う。「絵を描くことはたのしいこと」っていうのを思い出させてくれた、秀吉というかっこいいバンドの音楽を聴いて欲しいしライブに来て欲しい。
わたしには巧みな話術もないし、臨場感あふれるライブレポートを書くこともできない、効果的なプロモーションを企画することもできない。だけど秀吉の音楽を聴いてもらうために絵をたくさん描くことならできる!秀吉のライブのここがすきとか、ここがかっこいいとか、音楽のどこがあれがそれが好きっていうことはできないけど、「秀吉を好きな絵描きが1000枚絵を描いちゃったくらいかっこいい」っていう事実を作ることはできるから、それでもしかしたら1人、2人、いや10人くらいには届いたらいいなって、そう思いながら絵を描きました。
結局ジャケットとして販売することはできなかったけれど、対象の店舗でCDを買っていただくと特典で絵をつけてもらえるようにしました。絵柄はランダムなので選べません。絵の具の厚みも1枚1枚ちがう、原画がそのままついてきます。
絵の一部はいま開催中の私の個展「それはともだち展」でも一部展示しています。ぜんぶ貼りきれなかった!
絵を描きながら、自分にとっての「ひかり」ってなんだろうってたくさん考えました。ぜんぜん意図していなかったけれど、わたしにとって「それはともだち」という個展のタイトルがひとつのこたえだなとおもいました。
暗い夜から救ってくれるともだちのうた、いっしょにたのしいじかんをすごしてくれるともだち、そしてともだちみたいにわたしのこころに住みついたネコ、みんなみんなわたしにとってのひかりです。
個展期間中の1/13には秀吉も出演する「のらねこまつり」というライブイベントもおなじ下北沢であります。たくさんの「ひかり」の絵を見て、その日に秀吉のライブが観れる唯一の日です。わたしにとってのひかりをたくさんたくさんあつめた、がんばって作ってきた日!
うまくいえないけど届いたらいいな!と思います。ほんとうまくいえないなー!なんてかいたらうまく伝わるんだろう、だけどきっといろんなことは、出会えてよかったと思ってくれる人のところに届くきっかけになるはず!
人生のトピックはいつだって自分自身で作っていかなくちゃだめだよなー!とおもう!最後まで読んでくれてありがとうございました。