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不思議✨骨董招き猫せんきっつぁん物語 「オレと酒」 4

オレの名前は千両箱のせん吉
今は、せんきっつぁんと呼ばれている

オレに話しかけてくる奴なんて
今までは誰もいなかったが、今の持ち主はいろいろとオレに話しかけてくる

この前は「ねぇ、お酒は好きなの?」と訊いてきやがった

これにはどう答えたらいいもんか、ちと考えちまった

遥か昔、オレは酒樽の中に落ちたことがある。
めし屋にいた頃の話しだ。

めし屋に潜り込んで来た猫が前脚でオレを弾き飛ばし、その勢いで酒樽にドボンしちまった。

「いい香りのこの水はなんなんだ?もしかして客が喜ぶ水はこれか?
なんだこれ、美味いじゃないか。
あー気持ち良くなってきたぞ」

そこからオレの記憶は無くなり
めし屋のオヤジが桶の中で
ゴシゴシとオレを洗っている時に気がついたわけだ

酒が好きかどうかは分からないが、気持ち良かった事だけは確かだ
そして、また酒樽の中に落ちてもいいと思っているぞ


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