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不思議✨骨董招き猫せんきっつぁん物語3「オレの好物!」
オレの名前は千両箱のせん吉
今は何だか、せんきっつぁんと呼ばれている
毎日オヤジの顔ばかり見ていたオレが、近頃はおなごにジロジロ見られたり、
可愛いとか言われているからビックリだ。
今まで偏屈な奴ばかりの所にいたから妙な気分になるが、まんざら悪くない。
この前は、好物は何?と訊かれたからつい正直に答えちまった。
オレの好物は、甘辛で出汁が効いた汁に天かすを浸し、それに鰹節をたっぷりかけたやつだ
めし屋にいた頃、オヤジが賄いでよく食っていた。
オレは匂いだけでも満足だったが、ある時夜中に抜け出して残りをちょっと失敬してやった。
そしたら上手いのなんので、つい全部食っちまった😅
空になった丼を見て、オヤジが翌朝首をかしげたのはいうまでもない。
オレは笑いを堪えるのが大変だった。
それからたびたび失敬してやったが、もう長いこと食ってないから味を忘れそうだ。
言っとくがオレは化け猫じゃない
ちょっと長生きしすぎてるだけだ
そして千両箱のせん吉だ!
せんきっつぁんでもいいぞ
そうおなごに呼ばれるのは悪くない
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