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不思議✨骨董招き猫せんきっつぁん物語22「不思議な水の正体は?」
オレの名前は千両箱のせん吉
今はせんきっつぁんと呼ばれている
不思議な水の正体を知りたい!と騒がれたから、その正体を明かそうと思う
その正体は、茶碗の中に住む老人と亀が作り出すものなんだ
ある時、親父が茶碗に残っていた酒を一口含むと変な顔になって吐き出した
それは酒が水に変わっていたからだった
その時オヤジはあまり気に止めずにいたんだが
酒が水に変わる事がたびたび続き、
オヤジはなんでそんな事になるのか突き止めようとして
わざと茶碗に酒を入れ店の片隅に置いていた
夜の事、店の灯りを消してオヤジは静かにカウンターの影に身を潜めながら、茶碗の様子を伺っていた
すると、微かに茶碗が動き妙な音がすると、
中から亀と老人が顔を出し、「あーいい酒じゃった、全部飲んでしもうたから、お礼に酒の代わりに亀甲水を入れておかんと」と言って
亀の甲羅を杖で叩くと
その甲羅から勢いよく水が噴いて、茶碗の中がいっぱいになった。
老人は亀に向かって、「亀甲(きっこう)や、ここのオヤジはええ奴じゃから、水の秘密を話してもよかろう?」
すると亀甲と呼ばれた亀は首を伸ばして老婆に鼻をこすりつけて合図したんだ
「そこに隠れているお若い方、そのまま話しを聞きなされ。
わしらが飲んだ酒の代わりに茶碗を満たした亀甲水は、希望を叶える水じゃ。人が飲めは寿命が延び、わしらのような妖が飲めば変幻の希望も叶える水じゃ」
「お前の所には、必ずこの水を所望する者が現れるはずじゃ。その時はぐい呑みに一杯だけ出してやるがいい」と言ったんだ
それから暫くして、あの化け猫父さんと化け狐母さんが初めてやってきて、酒を飲んだ後に「オヤジ水をくれ」と言った。
そしてオヤジは、何も言わずにそっとその水を差し出してみたんだが
2人はまるでそれを知っていたかのようで、水を飲むと体を確かめていた
老人と亀が作り出す不思議な亀甲水
その水は人の寿命が延び、妖の希望を叶えるという水らしいが
今のところ、それを知っているのは
オヤジと狐と猫の半妖の2人
そしてオレだけだ
オヤジがその水を飲んだか知りたいだろ
それについてはまた面白い話しがあるんだが今度な
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