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不思議✨骨董招き猫せんきっつぁん物語9「古道具屋の3段目」

オレの名前は千両箱のせん吉
今はせんきっつぁんと呼ばれている

今まで、めし屋にいた頃の事ばかりを話していたが、古道具屋の話もたくさんある

古道具屋でのオレの定位置は棚の3段目
そこにはオレと一緒にいろんな奴がいた

オレと仲が良かったのは
古い徳利に住んでいた爺さんと子供
それと妖艶なオンナ?だった

爺さんと子供は徳利に描いてある絵で
夜な夜な飛び出ては遊びを楽しんでいた

妖艶なオンナ?は、どうやら徳利そのものらしく、いつも腰をクネクネしては自分の体を自慢していた

オンナにハテナ?を何故付けたかわかるか?

体はクネクネしていて見た目はオンナに見えたが、声は偉丈夫な、まるで野武士のように力強かったからだ。

「猫のダンナ、一緒に遊ばない」と言われ
つい興味本位に「いいよ」と答えたのが運のツキ

あっという間にそいつの力に引き込まれ、オレは久しぶりに本当の猫の姿に大変身

ふさふさの毛に長ーい尻尾
自由に動かせる手足
つい嬉しくなって走り回っちまった

昔、めし屋のオヤジの賄い飯の誘惑に負けて、こっそり変幻していた時と同じようなこの感覚は、やっぱり悪くねぇな

暫くして、徳利はオンナがお気に入りの上客に買われていき
またオレは棚の3段目でおとなしくしていたというわけだ

この店に並べられてる物達は、こっちが買う客を選んでる

だから絶対気に入らない客の所には行かねぇ
でも、もしかしたら
それは棚の3段目にいた奴だけかもしれねぇな

他にもいた奴も面白い奴ばっかりだったからな。

オレが選んだ行き先は棚の3段目より刺激的だ。
何しろおなごが入れ替わり立ち代わりやってきて、オレに声をかけてくる😃

かなり居心地がよくて楽しい毎日だ
そのうち楽しくて変幻するかもしれねぇがビックリするなよ



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