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UtaKataというバンドの正体
※あくまで素人の見解ということを理解した上で読んでいただければ幸いです。
以前もつぶやいたことがあるがUtaKataは正直ながら高校の軽音部の後輩が組んでいるバンドの印象でしかなかった。
なので頑張っててすごいなぁ、俺にはできなかった道だと思って応援していた。
ただ、悪く言ってしまえば後輩が組んでいるバンドでしかなかった。
でも今回のEPを聞いた瞬間鳥肌がたった。
初めてロックを聴いて心を思いっきり殴られた時のような、大好きなバンドの新曲を聴いた時の不安と喜びが同時に訪れた時のような感覚に出会ってしまった。
気づけばすぐにツアーのチケットを買っていた。このバンドはCDで満足じゃいけない、ライブハウスで聴かなきゃいけないと思った。
自分の中でUtaKataというバンドは後輩が組んでいるバンドではなく、「UtaKata」というロックバンドに変わった。
彼らをずーっと深く追ってきたわけではない。
新曲が出たら聴くけどライブに行くのは今回のツアーが初めてだ。
彼らの今ある現状、メンバーの個性、バンドの歴史は本当に申し訳ないがわからない。
だからあくまで今回のEPや過去の曲達を通じて彼らの音楽をもっと深く理解したいと思い聴き込んだ。
彼らの音楽は完璧になれない、理想通りになれない、未完成のままでいる自分が許せない、でもそんな不器用な自分もどこかで愛していたい。そんな不器用で矛盾に満ちた感情、布団に入って瞼を閉じた時にふと考えてしまう出口が見つからないような葛藤を声を大にして歌い上げてくれる。
捻くれきって自分の本音がわからなくなってしまっている人に向けて、疾走感とエレクトリックなギターリフを武器にあなたが忘れかけている本音はこれだと歌い上げる。
曲の爽快感は捻くれた心を突き抜けてわからなくなっていた本音へとぶっ刺さる。
彼らの音楽はそうやって聴く人に勇気を与えていくのだと感じた。
歪んだ本音も、忘れてしまった本音もいつか報われますようにと肯定してくれるUtaKataは唯一無二の音楽を昨日も今日も明日も等身大の姿で証明してくれるだろう。
たとえどんな形になろうとバンドの底に眠る核が変わらない限り。