三島由紀夫『金閣寺』、読了
2021年9月27日15時
三島由紀夫『金閣寺』を読み終えた。
久しぶりのスピード読破!
そして記念すべき三島由紀夫初挑戦の作品だった。
本を読むのがずっと好きだったがあまり感想のアウトプットをした経験がなかったので、授業の練習がてらここでもやっていきたい(授業ではゴリゴリに分析と発表をしなければいけないので)。
まず1つ目に、出てくる地名が知ってるものばかりで興奮した。主人公の地元は舞鶴、そして京都に出る。森見登美彦作品で特に思ったのだが、大学に入ってから京都市内によく行くようになったことで、小説に出てくる地名、通りの名前がどこらへんのどんな場所なのか分かることが増えた。そうすると、より臨場感が出て情景が想像しやすく、何より嬉しくなる。
次に、あらすじを全部知っていても楽しめたことだ。(まぁあらすじといっても「金閣寺が燃やされるらしい」ということしか知らなかったが)
以前このような名作とされる作品を読んだ時に、あまりにも有名すぎて、読み終えても「ああなんだ聞いていた通りだった、まぁ面白かったけど」とか、「あらすじで語られる場面が1番盛り上がるところだから別に読まなくてもよかったな…」と思ってしまったことがあった。しかし『金閣寺』では、「主人公が金閣寺の美しさに魅了されて、なんやかんやあって燃やす」という本筋はもちろん大切だけれども、なにより主人公の思考を丹念に描写しているところがすごいと思う。坊主というよりもはや哲学者のような思考。
気を抜いて読んでいたら何を言っているか分からなくなってしまうから、一つ一つ文字を追って自分の中に落としこみ、理解する。それが心地よかった。
今期の授業では、三島由紀夫の生涯と、彼の最期の作品となった『豊饒の海』全4作を扱う。
市ヶ谷駐屯地で自決したという事実だけで彼のことを好きになってしまいそうなわたしは、来年の1月にはどうなっているのだろうか。