広告の勉強をしていてよかったこと

私の父は所謂「まっかな」人で、昔からマルキシズムに染まっている。おそらく大学生の頃にでも何らか知識の洗礼を受け感化されたのであろう。

子供の私に向かって、

「世の中のいろんなお金の流れはデンツーとかハクホードーとかが、全部わかってるんじゃないかなあ」

「そういう人がお金を儲ける社会の仕組みが出来上がっている」

としょっちゅう言っていた。そうなの?と思いながらも「デンツー」とか「ハクホードー」っていう会社が世の中にはあるんだなあと思ったのは私が10歳くらいの頃だったと思う。

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私は大学で経済・会計を学んだ。2000年頃の経済学部ではマクロ・ミクロ経済学を基礎とした展開がされており、マルクス経済学(いわゆるマル経)は殆どない。その頃には父の(適当な)マルキシズムからも開放されたと思う。

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さらに時は流れて2014年、私は東京に転勤となり生まれて初めて販売促進という分野で仕事をすることになった。チラシやらポスターやら、Webでホテルをいかに売るかを専門に考える仕事。その頃「宣伝会議」の「コピーライター養成講座」のポスターを渋谷駅で見た。

速攻通った。すばらしかった。

その後、ある電通の方の講座も受講した。飲み会で笑顔がチャーミングで好きになったのがきっかけだったと思う。この講座もよかった。講座のあと色々と語る時間があったのもよかった。
(何が良かったのかは、本職の方のほうが解像度高いと思う。今も講座のノートは大事にとってある。多分ずっと持ってると思う。)

講座そのものもよかったのだが、講座外でのいろいろな会話や、その人間関係のつながりから得られる体験に価値があったと、仕事を離れた今では思う。

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あの体験を通じて、頭の中にあった「デンツー・ハクホードー」が明確に「電通、博報堂」になった。実際には広告を生業とするただの会社だし、電通・博報堂社員は普通に給料をもらって働くサラリーマンだと思う。苦悩もあるし、サラリーマン的喜びもある。

最近は「あの葬儀も電通はいってますからね」という発言で話題だが、デンツー=万事を司る帝国組織だと思う人も世の中には多いのだろう。そういう意味では役所の職員と似ている気がする。

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現在、山奥にこもって仙人生活の私であるが、テレビを見てると「デンツーが悪い会社だ」という印象で語るコメンテーターいるなあと思う。そう語るほうが一部の人にとってはウケるんだろうか。

電通、博報堂に勤めてる複数の人達に直接会って話すことがなかったら、私も「デンツーは悪い会社なんだなあ」と思っていたんだろうか。

山奥で木を切りながらでも、広告の仕組みの一端を知っているというのは、世の中への得も知れぬ不安が一つ減っているような気がしている。

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(この講座は「コピーライティングの」講座だから、「デンツーやハクホードー、コピーや広告について垣間見た」という私の体験では「デンツーやハクホードーを知れてオススメですよ」という言い方になってしまう。実際にはたくさんの知識を教わったのだが、現在は仕事を離れているから、違う面がよく見えるという意味で捉えていただけると嬉しい。)

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