かげぼうし
夕暮れ時には人生が出るね
伸びた影法師に尋ねてみる
これまで歩いてきた足跡に
どれだけの涙が流れたのか
忘れることのできない過去
俯き歩く今に繋がる時間軸
拭き取れないかなしみ達が
足元をぬかるませてしまう
折り返しを迎えたところで
後ろを振り返って眺めると
ずいぶんと大きくなった影
みかん色の夕陽が照らす時
これから少しずつ夜がきて
並ぶ街並みに明かりが灯る
それぞれの生命の営みにも
きっと明日は訪れるだろう
佇む一人きりの影法師には
どれだけの言葉が残せるか
今はまだわからないけれど
続く歩みは今日も止めない
(2023.12.28.11:01)