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堀古さん発言、12/26東京マーケットワイド

最大の関心事は「2025年はどうなるのか」ということですがいかがでしょうか?

次の年の予想についてよく聞かれるのですが、まずマーケットというのは理由があって上がったり下がったりする、とよくメディアでは報じられますが、実際にはそんなに単純なものではありません。理由がなくても上下することはあります。特に注意が必要なのは、人々の心理の逆を行くことです。つまり、あまりに楽観的な状況では下落のリスクが高まり、逆にあまりに悲観的な場合は上昇の可能性が高まる、ということですね。マーケットが今どれだけ十分に「怖がっているか」をチェックすることが重要です。

2022年や2023年のケースではマーケットは十分に「怖がって」いました。そのため、2024年は安心して強気に転じることができたわけですが、今年(2024年)に関して言えば、ほとんど調整がなかったですね。7月に一度下がりましたが短期間で、しかも調整幅も10%以上には達していませんでした。そこから約6か月が経過していますが、2025年にはもう少し大きな下落の可能性も考慮しておくべきでしょう。

また、ゴールドマン・サックスのストラテジストの予想では、2024年はほぼ上昇しないと見られていましたが、2025年の予想は非常に強気です。この強気な予想には注意が必要で、2025年は逆に慎重に臨むべき年になるのではないかと思います。

PBR平均が5倍、PERが24~25倍と高い水準をどう見ているか?

割高と呼ぶかどうかは何を基準とするかによりますが、基本的に良いものは高いものです。アメリカ市場全体のバリュエーションを押し上げているのは上位7銘柄。このような銘柄は成長性が高く、またPERやPBRに成長率は反映されていません。したがって、これだけを見て「割高」と言うのは間違いです。単純平均で見ると、歴史的な平均以下の水準にとどまっています。これを踏まえると、7銘柄を除いた場合、むしろ割安だと言えるでしょう。

FRBの金融政策についてどう見ていますか?

今回は景気が悪化して利下げするのではなく、インフレが落ち着いてきたために利下げを行うという、非常に珍しいケースです。こうした状況は数十年ぶりです。また、金融の側面から見ると、短期金利が下がる状況で、アメリカの資金市場にこれだけの資金が滞留しているのも初めてです。これまでの常識が当てはまらない可能性を考慮する必要があります。2025年は非常に注意深く臨むべき年になるでしょう。

2025年に向けた投資戦略は?

楽観的すぎるのは注意が必要ですが、私は大きな下落はないと思っていますそれでも、金融市場の資金の流れに注目する必要があります。例えば、2024年4月にはアメリカの確定申告によって民間から政府へ資金が吸い上げられる時期があり、これが一時的な調整につながりました。同様に、2025年も4月には調整が起こる可能性がありますが、これ自体は大きな問題ではないでしょう