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堀古さん発言、1/30東京マーケットワイド
トランプ氏発言、ディープシークショック、さらに今日のFOMCでの利下げ見送りで、何かと荒れ模様かなという印象があるがどのように見ているか?
これからもトランプ大統領は色々と発言される。また、AI関連は新しい技術が出たり、競争相手が現れたりと、さまざまな動きがある。米中関係もそれに絡んでくる。今年はこんな感じのマーケット。市場の上下動は大きめに見ておいたほうがいいと思う。
ディープシークショックに関しては?
今回の件が「サプライズ」であったのは確かだが、「いつかこういう事態が起こる」ということ自体は驚きではなく、「このタイミングで起こったこと」がサプライズだったということ。
良い点と悪い点の両方があり、決してマイナス面ばかりではない。こうしたニュースが出ると、一時的に業界全体が影響を受ける。市場は動揺し、投資家はオーダーを出すのを控え、設備投資もストップする。このネガティブな側面がある一方で、業界全体の成長というプラス面もあると思う。
エヌビディア(NVIDIA)については?
マーケットの誰かが確固たる信念を持ってトレードしているというよりも、投資家心理に左右されやすい状況が続いている。なぜこれほど値動きが激しいのかというと、まず、少し前までは株式投資をしたことがないような人々までエヌビディアの株を買い始めたという背景がある。事業内容よりも株価の動きそのものが注目されるようになってしまった。また、アメリカではエヌビディアの株価の2倍、3倍に連動するETFが取引量を大きく伸ばしており、それに加えてデリバティブ市場も活発化している。さらに、短期のオプション取引、特に1日で決済されるオプションが急増している。そして、S&P500指数の中でエヌビディアが占める割合が約7%近くあるため、大きな資金の流れにも影響されやすい。
そういった要因があるため、値幅が大きくなりがちなので、株価の上下に一喜一憂すべきではないと思う。
マグニフィセント・セブンを除いた493銘柄については業績が堅調であるという見方もある。特に2025年の増益率は13〜14%程度に達するのではないかという予測が出ているがどう考えるか?
それは十分あり得る話し。アメリカの景気は絶好調だし、歴史的に見ても平均で10%程度の成長はある。今の経済状況を考えると、それくらいの増益は想定内だと思う。
(企業業績の好調さが、市場の下落に対する防波堤となるというのは)インデックス全体で見ればその通り。ただ、493銘柄のウェイトはインデックス全体の約3分の2程度ですので、やはり「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる上位7銘柄、特に変動の大きい銘柄に市場が振り回される可能性は今後もある。
マイクロソフトの決算が発表され予想を上回りましたが時間外では下落、テスラは予想を下回ったものの最終的にはプラス。市場は決算に対して自信が持てていないような感じか?
四半期ごとの決算で短期的に株価が上下するのは当然だと思う。ただ1年を通してみると、企業の利益成長はある程度予測できる範囲に収まっていると考えている。
今の市場は、トランプ氏の発言やAI関連のニュースで動く相場ですが、最終的には企業の利益成長がマーケットを左右すると思う。
トランプ政権が発足し、さまざまな大統領令が相次いで発令されていますが、マーケットの反応や社会情勢を踏まえると、概ね予想通りに進んでいると見てよろしいか?
はい、予想通りだと思っている。トランプ氏が選挙に勝利した際、一時的に市場は盛り上がったが、1月半ばには選挙前の水準まで戻った。これは非常に健全な調整だったと思う。
今年はトランプ氏の発言で市場が上下することは避けられないが、最終的には企業の利益成長が市場を支えることになる。よって短期的な変動に惑わされず、企業の利益を見極めることが重要な年になると思う。