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堀古さん発言、2/20東京マーケットワイド

S&P500が連日新高値更新、ちょっと出遅れているのがニューヨーク・ダウとナスダック、この辺りはどういうふうに見ればよろしいんでしょうか?

本命はおそらくナスダックのほうだと思う。やはりこの1月に決算が出尽くした。こういう時期は大体「決算と決算の間は金利の上昇がどうか」とみんなが言う時期。
2月、3月は、景気が良くて利益が伸びるというところに目がいかずに、金利が高いという方に目がいってしまいがちなので本命が上がってくるのは決算発表まで待たないといけない

住宅関連支出そのものが大きく下げ始めているが、これはやはり高金利の影響が出てると見てよろしいんでしょうか?

住宅は金利が高くなったら弱いという昔からの固定観念みたいなものがあるが、今はちょっと違う。
第一に、もうみんな金利の安いところでもう借り換えを終わっているので、そんなに金利の上昇に敏感ではないはず。それから、金融危機のちょっと後の2010年ぐらいまではアメリカの住宅在庫がものすごく余っていたが、今は住宅不足が深刻になってきている。全米で500万件以上足りない状況なので、金利が高いと言っても結局は誰かがどこかに住むわけだから、そうすると投資家が住宅を買って、結果的に高い家賃を払われるというだけなので、私は金利が高いからといって住宅はダメとかそういう短絡的な発想はしないほうが良いと思う
それと、金利水準も3%から7%ということですけれども、住宅ローンの利子は控除できますので、実質7掛け、要するに2%から5%になった。3%から7%ではないですね。

世界はトランプ関税で揺れ動いてるわけですが、アメリカ国内でのこのトランプ関税の受け止め方ってどういう感じなんでしょうか?

アメリカは赤字国なので、関税とトランプがいくら言っても何も怖いことはない。世界がかなり騒ぐのは分かるが、それは赤字国の強み。物価は高めになるが関税は実質的に海外の企業が払う消費税のようなものなので、アメリカ国内では外で言われているほど大した問題ではない

教科書的に言えば関税がかけられることによって当然輸入価格も上昇、イコールそれは若干インフレ要因の1つで最終的には個人消費に跳ね返ってくるという意見があるがどう見ているか?

教科書的にはおっしゃる通りだが、おそらくCPIで0.2〜0.3%上がる程度だと思う。アメリカはもう自給自足できる国なので、ほとんどのものがそんなに影響を受けず、一部非効率になるということ。要するに海外で作らせたほうが安いのに、アメリカ人が作ったものを買うということ。アメリカ人は効率的に仕事をしなくても高く売れてしまうという非効率になるデメリット。それと関税による収入との比較。どちらのが多いかという勝負だが、言われているほど大きな問題ではないと思う。

ディープシーク騒動から動き始めて、NVIDIAに対する見方もいろいろだがどう見ているか?

通常、2月、3月は年間でも珍しく材料難の時期だが、去年ぐらいからNVIDIAの決算が2月の大きなイベントになってきている。今年はそれに加えて、ディープシークの問題が出たが、NVIDIAは決算発表まで黙っていないといけない期間で公式のコメントを出していないがようやく公式のコメントがおそらく聞ける
それから一度ああいうニュースが出たことで注文を一回取り下げるだろうと。短期的な取り下げだがそれにマーケットがどのぐらい反応するかが注目点じゃないかと。

NVIDIAを中心としたAI相場は一つのピークアウト感つまり終焉を迎えたという見方も一部あるようだがどう見ているか?

それは全くないと思う。まだ私の感覚では、AI相場は野球で言えば3回の表にも行っていないぐらい。中長期的なストーリーは変わっていないが、今回のイベントによって短期的に大手の投資家は反応せざるを得ないんじゃないかと思う。ディープシークにしろ関税にしろ、今年は変動要因がいくつかあるが、それが上昇トレンドを中長期で崩すものではないと思う