40歳 踊り場問題
39歳になり、巷でよく言われている40歳踊り場問題に直面した。
これは、40歳前後でそれなりの成功を収めた者が急に気落ちしてしまう問題らしい。
ある程度のことは人並み以上にできるが故に、次の目標が生まれない、人生に張り合いが無いといった現象である。
スポーツ選手に起こる "燃え尽き症候群"や"イップス"とは少し違うと思うのは、目標が全く無くなったとか、異常なストレスが掛かっているというものではなく、どちらかというと慢性的な気持ちの落ちぶれなのである。
また希死念慮、いわゆる自殺願望とは全く違う。成功体験を持ち、何事もそれなりに上手くできるので自分の価値は人並みかそれ以上というプライドもあるのだ。
周りの人と同じような人生は嫌だとか、自分は特別な素質があると己を信じて、努力や経験を積み上げ突っ走っているときは気持ちがいい。誰より集中して物事にのめりこむからこそ多くの成功を積み上げることができる。そして勘違いされやすいが本人は至って幸せな状態であると理解はしているのだ。
仕事も金銭的にも、あるいは友人関係なども十分に成功が続き、また自分の興味のあること、他人は手を伸ばさないであろう経験にどんどん手を伸ばして大抵のことはやり遂げていける自信もある。幸せも続いている。なのにその幸せがインフレして自分は本当に幸せなのだろうか、もっと他になにかやるべきことがあるのではないかと悩んでしまう。
仕事を辞めてFIREしてもいいのだ、そういったリスクを比較考慮して選択は間違えない自信があるし、FIREしてやりたいことが全くないわけでもない。今後は社会貢献や趣味に没頭するのもいい選択だ。でもこれまでの幸せであった日々を思い返すともったいない気もする。