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ペットボトルの水の環境負荷は、水道水の250倍!? 水道水は地球に優しいんです

ペットボトルの水の環境負荷は水道水の250倍

CO2排出削減は、地球を守るために、企業にとっても、個人にとっても大きな課題です。


10月20日の「水道産業新聞」に非常に興味深い調査が載っていました。
それは何と、ペットボトルの水の環境負荷は水道水の250倍もあるというものです。
確かにペットボトルの水は、その生産・流通に環境負荷がかかります。プラスティックを使用しますし、販売する自動販売機の維持管理にも環境負荷がかかります。でも本当に250倍もの差があるのでしょうか?

さまざまなデータを調べてみた。

㈶水道技術研究センター「e-waterⅡ報告書」によると、エネルギー消費量は、ペットボトルと水道水を比較すると727倍もの開きがあるそうです。(※1)
東京大学・平尾研究室のデータでは、リサイクル分も差し引いた国産ミネラルウォーターを自動販売機で購入した場合の排出量228g-Co2に対し、冷水器・浄水器を利用した水道水の排出量8g-Co2と30倍ほどの開きがあります。(※2)
また、東京都市大学の伊坪研究室との共同研究結果とされるデータからは、LCA(ライフサイクルアセスメント=製品の一生に排出される、温室効果ガスなど環境負荷の量)ベースで比べると、リサイクルペットボトルの温室効果ガス排出量を100とすると、浄水はわずか1にも満たないとなっています。(※3)
(※1)厚生労働省のHPより
(※2)水Do!ネットワークのHPより
(※3)JOSEISHI.NET「ペットボトルのキャップより、水道の蛇口をひねろう」2022年9月30日配信記事より

いろいろな研究データがあるものの、たしかに水道水は、ペットボトルとは勝負にならないほど環境負荷が低いようです。

SDGsや、脱プラスティックが叫ばれていますが、身近な水道水に関する事実には、まだまだ知られていないと思い知らされました。

「環境負荷を考えると、水の値上げはやむを得ない」と考える人が多い。

さらにこの「水道産業新聞」の記事で興味を引いたのは、「環境負荷を考えると、水の値上げはやむを得ない」と考える人が多い。という調査結果です。

水道に関わる8種類の情報を提供して、意識の変化を調べると、「環境負荷」に関する情報を提供した人が最も「値上げはやむを得ない」と考えるようになったとの結果が出たそうです。

水道水の値上げについては、家計へのダメージなどの視点で議論されますが、環境負荷についてはあまり語られていません。こちらも情報の不足による要因が大きいと思います。「水が途切れない世界を実現する」をミッションと置いている当社も、正しい情報発信と理解の浸透に貢献していきたいと思います。

タンブラーで水道水を持ち歩くようにしてみた

これまでは、コンビニで水のペットボトルを買うこともありました。ですが、タンブラーや水筒に水道水を入れていけば、ペットボトルを買わなくて済みます。節約のためタンブラーを持ち歩く方はいらっしゃいますが、実は環境負荷もかなり違うんですね。

先日、コペンハーゲンで開かれた国際水協会(IWA)の世界会議においても、タンブラーが配布されるなど、世界的潮流となってきているのを感じます。

コペンハーゲンで開かれた国際水協会(IWA)の世界会議で配布されたタンブラー

タンブラーに水道水。私も早速やっていこうと思いました。日本の水道水は、世界でも貴重な「飲める水」。こんなに身近なところから、簡単に環境保全に貢献ができます。


環境を守るための「水道水」の活用。こんな輪が広がっていけばいいなぁと思いました。




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