2009
※2009年に書いた記事を再編集したものです
2009/1/14「理解できるか否か」
私、人情捕り物が好きじゃなかったんですよね。
ところが、年を重ねたせいか、ここ数年、私の読書傾向は割と時代ものに傾いています。
最初は、岡本綺堂・都筑道夫さんの作品から入ったのですが、意外と時代もので本格推理は少ない印象です。人情系捕物譚はおどろくほど多い。
たとえば、生活苦で、やむにやまれず子を手放した親。
子は親に捨てられた思いが強く残ったまま成長して、親は子を手放した悲しみに縛られたまま年つきを経て、十数年後再開したはいいけれど、心を通わせられずすれ違いから起こる悲劇。
変な言い方なんですが、犯人の気持ちが理解できる事件。
だから、切ない。犯罪を容認するわけじゃないんだけど。
ところが最近の事件報道を見ていると、“犯人の気がしれない”、“常人には理解できない”、そんな内容の事件が多い。
時代が変われば、事件も変わる。
つまり私が江戸捕り物にはまるのも、年をとったせいじゃなくて時代が変わったからなのよ。
といいたかったわけではなく(笑)
こういう犯罪者が増えたことを、社会のせいにしてはいけません。
同じ世の中で、まっとうに生きている人はたくさんいます。
☆ ☆ ☆
テレビやネットでたくさんの情報を簡単に得ることができるいま、植え付けの知識ではなく、自分の考えをもつということはむずかしい。
じょうずに情報を取捨選択しないと。
これは私にとっての課題でもあります。
ちなみにこれからは「環境問題」にかこつけた情報の詐欺が増えます。
極端に不安や恐怖心をあおるようなハナシには近づかないことです。
危うきに近寄らず。
これは無知とは違いますから。
2009/1/9「食品偽装…感染鶏に注意」
中国産たけのこを国産と偽って販売していた業者の報道がされていました。
昨年の毒入りギョーザや中国産インゲンの事件などに引き続き、
この手の事件は今年も多いのでしょう。
経済状況が落ち込むとこの手の企業倫理の喪失は加速しがちです。
ましてや、容器包装に偽装があってはなにを信じていいのかわかりません。
疑心暗鬼になってすべてを疑わなくてはならないのはつらいところ。
2008年12月中旬にこんなウワサがありました。
「中国が鳥インフルエンザの最も恐ろしいH5N1型の発生を隠ぺいしている」というもので、詳しくいうと既に20万羽がH5N1型で死んでおり、
それを隠しているばかりか、感染している鳥を上海で販売しているというのです。
鳥インフルエンザの発生で、かつて宮崎では大量の鳥が「疑いがある」として処分されました。
養鶏所が被った損害と痛みは、テレビの映像とともにいまも生々しく記憶に残っています。
ですが、これが唯一で絶対やらなければならない防御策なのが現状です。
もしウワサが事実であれば、当然この感染した鶏肉は加工食品として、日本に入ってくるでしょう。
レストラン?
学校給食?
お弁当の冷凍食品?
赤ちゃんの離乳食?
それとも、国産と偽わられて?
情報をリークしたのは、中国の人権団体「中国人権民主化運用情報センター」だそうです。
掲示板サイトの専用スレでは、医者や医療関係に従事する方も多く、昨年からこの手の注意喚起が盛んでした。
有料サイトなので、あまりタイムリーに情報を書くわけにはいきませんが、
最近は現実味を帯びてきたこともあって、たびたび書いてきました。
そしてどうやら、厚生省ではすでに中国でのH5N1型の発生は事実との
情報を得ているようです。
ただし、感染鶏の流通はあくまでウワサ。
いくらなんでも、そこまで倫理感が欠如しているとは思いたくないなぁ。
一方では、人の不安心理をあおってお金もうけをする存在も必ずあります。
そういう詐欺にかかりやすくなるのが、世情不安な時代の特徴。
鵜呑みにしすぎて高い授業料を払ってはなりませんね。
ちなみによく出てくる「予言者」の多くは偽物。
ホンモノはめったにメディアには出てこないものなんだそうです。
ホンモノはけっして自分の能力をひけらかしたりしません。
また、むやみに恐れず、準備は怠らず。
笑ってすごすと免疫力もUPします。
実はこれが一番大事なことなんですね。
2009/2/27「裁判員制度」
裁判員制度がとりあげられる機会が増えましたね。
制度そのものの是非はおいといて、常識的に使われている言葉ひとつとっても、なかなかに法律専門外な人には隔たりのある世界ではあります。
こんなおもしろい本を見つけました。
高崎経済大学(群馬県)の教授がわかりにくいとされる裁判用語を解説した「裁判おもしろことば学」。
無罪とは「罪がない」のではなく「有罪と立証できない」ことをいうのだとか、
「善意」の人は
✕ A:電車内でお年寄りに席をゆずってくれた人
〇 B:他人の持ち物を、そうと知らずに使っていた人
「各自50万円支払え」との判決。2人だと合計いくら払うか。
〇 A:50万円
✕ B:100万円
「自由刑」とはどんな刑罰
〇 A:身体の自由を奪う刑
✕ B:自由な行動が許される軽めの刑
割と自信があったんですが正解できたのは一問だけでした(笑)
これでは、裁判に参加しろといわれてもやはりとまどいを感じるかも。
それと、実際どんな感じで進行するのかイメージしやすい小説(あくまで小説ですよ)に、芦部拓さんの「裁判員法廷」があります。
これ某ゲームに似ていて、裁判員を疑似体験できます。
判決を読者にゆだねるのもおもしろい作品。
興味があったらおすすめします。
2009/3/13「予言と迷信」
各地で頻繁に小規模な地震がおきてます。
日本では2012年ごろ、大きな地震があるのでは?と言われてますが2010年になる可能性がある、とも。
こういったたぐいの予言は、とくに人の関心が集中した時に「ズレ」が生じやすい。
占いを非常に気にする人が、「今日は交通事故にあいやすいから注意」と聞いて、外出を控えれば当然事故にあう確率はぐんと減る。
この法則は世の中全体にも言えることで、日付を指定された予言はわりとあたらない。
だからといって、起きないとも言えないわけですから、
要は「備えて憂いなし」がいちばんお気楽でいいのでしょう。
丑三つ時の考え事は、悪い影響を受けやすく、(早起きした)明け方の考え事は成功をもたらすのだそうです。
とくに何かを創造するのは、朝4時から6時くらいがおすすめなんだとか。
太陽のパワーなんでしょうか。たんなる迷信かもしれませんが、私はこの説
ある!と思う派です。
こと「太陽」に関しては、やはりすごいパワーを感じます。
で、太陽が昇ると、それを隠そうとする雲が出てくることもしばしばあるのも事実。
忘れてはいけないのは、空を雲が覆うことがあっても太陽の輝きを消し去ることはできないということ。
2009/7/13「世界と日本の経済」
オバマ大統領の支持率が60%を下回ったようです。
1月の就任式ころ、このブログで「国民の期待感が高いと心配」と書いていますが、それが数字に表れはじめたカタチとなりました。
期待したほど経済は良くなっていない、という焦れ、国民の不満なのでしょう。
GMも一時は救済されましたが、結局はとても救いきれず破たん。
先週は日本でも日経平均株価が連続して下落、円高に動きました。
さてここから年末にかけて、どう動きますか。
おそらく少しの戻りを見てから下落すると思われます。
オバマさんが云々ではなくて、その背後にあるいろいろなものが就任とともに徐々に世界を動かしはじめたというのが、現実なのでしょう。
なぜかオバマ大統領には「戦争をしない」イメージがあるようなのですが、(なぜはわかりません)実は、彼の就任によって戦争は避けられなくなる…経済の崩壊も早まる…なんてこともありそうです。
打撃があまり大きくならないといいですが、一度大きく落ちないと回復もないようです。
ちなみに、日本はコレが苦手です。
ため込んだウミは一度に出しきってしまえば回復も早いのですが、日本国の体質(特に金融機関が代表)では国民の目から不都合な事実を隠し、後回しにしてきました。
バブル崩壊の頃、「うちには不良債権はありません」と言っていた金融機関は、ある日巨額の不良債権を発表し事実上破綻しています。
ついに今月上旬には、国の借金が税収を上回る、とのニュースも。
景気悪化で税収が見込めないなか、景気対策のために税金を投入しているので無理もありません。
いまや日本の財源は、税収ではなく借金なんですね~。
(国債の発行は長期金利上昇の要因。景気回復を遅らせます)
2009/7/15「総選挙とマニフェスト」
8月の総選挙は久し振りのことらしいです。暑い時期に…大変そうです。
最近の選挙では、各党ごとのマニフェストが話題になりますが、果たしてこれは重要視すべきことなんでしょうか、ねぇ…。
投票する際に、マニフェストで投票する人物を決める方は、いったいどれくらいいるのでしょう?
つまるところ、それってどこに所属しているかで決めることになり、立候補されている人間の人物像(人柄)はどうでもいいということ?
その個人の方の理念や信念の方が大事だと思うのですが…
2009/7/17「土用の丑の日」
私、実はウナギが苦手で、あまり積極的に食べようとは思いません。
家族の大好物ではあるんですけど、国産のおいしそうなのを選ぶとけっこう高価ですので、家計的には私がウナギぎらいでよかったって(笑)
もともと土用の丑の日にウナギを食べることは、江戸時代に平賀源内が推奨。この平賀源内、薬物学の大家でもありましたそうで、暑さの厳しい江戸の地で、栄養価の高いタンパク源をとることを発案したのは根拠のないことではなかったようです。
それが今の時代にも根付いているわけです。
そう考えると、江戸時代の食文化は今とほぼ変わりませんねー。
豚肉を食す、牛乳の引用は、江戸時代に松本良順という医者が熱心にすすめていたものでもあります。
(この松本良順というひと、新撰組ともかかわりがあったのですが、なかなか豪傑でおもしろいひとです。)
話はそれますが、時代小説を読んでいると食や文化に触れることも多く楽しいです。
ただ最近のテレビ時代劇などでは、あきらかにおかしい言葉づかいも目につく、と専門家は指摘。
「なんの権利があって…」なんてセリフが普通に使われているらしいですが、実際にはこの時代に「権利」なんて言葉はなかったようです。
今夜、鬼平のスペシャルがあります!
2009/8/6「大増税」
連日、選挙関連の報道が続いています。
国民の関心事はコレだけ!とでもいうように、もっと重要視されるべきニュースが脇へ追いやられているのは…まぁおいといて。
増税はどのみち避けられない道。
実際ここまで不況が長引いている国は、とても少ない。
なのに、不況時には自分たちでなければ!と未だに主張する政党の勘違いぶりは、苦笑いもの。
一方で、政権交代をかかげた政党は目立つ所でお金をばらまきつつ、こっそりウラでは増税です。マニフェストを見ていただくとわかるのですが、≪扶養控除と配偶者控除の見直し≫が入っています。(新聞によってははっきり“廃止”の文字も)
現在の基礎控除は一人38万円。
専業主婦は配偶者控除、子には特定扶養控除としてさらに所得控除が設けられています。
夫婦二人、高校生の子一人の家庭の場合、140万円近くの所得控除を受けていることになります。
たとえばこれがはっきり“廃止”になった場合、10%の所得税を多く支払うということ(140万×10%=14万)。
さらに、今より140万多い所得になるので、住民税や国民健康保険税も上がることになります。これは大増税です。
(この点、なぜかあまり報道で取り上げられないですね…)
一方、子供手当の支給、公立高校の授業料無料は、ある一定期間だけの特典であり、当然対象者のいない家庭もありますが、所得税の増税は世代関係なく行われますので、結果的には増税。
消費税で増税か、所得税で増税か。
どちらもバラマキを全面におしだしつつも、目立たぬように増税するというスタンスは一緒。
それにここ最近成立した制度や法には、お役所のご都合を感じたり。
「裁判員制度」は国民が望んだのでしたっけ?
「タスポ導入」の混乱はまだ記憶に新しいですし、景気対策といいつつも「高速道路料金の値下げ」はETCの普及が目的で、「エコポイント制度」は地上デジタル放送の普及を狙ったもの。
これらは、国民が求めたものというより、官僚がやりたいことだったように思えてなりません。
今、テレビで官僚ドラマをやってますが、評判がいいです。
高度成長期の日本をささえた熱血な感じが見ていて胸をアツくするそうです。(私は録画したきりまだ見てなくて)
昨日、NHKでやっていた『出社が楽しい経済学』はすごく面白かった。
中学生レベルでもわかるようにドラマ(コント?)チックに経済の仕組みや用語を教えてくれます。
この秋から新シリーズが始まるということで、楽しみです。
2009/9/28「政権交代」
政権交代がなされまして、高い期待感とは裏腹に、その実行力を疑問視するような討論番組も多数。
意外と嫌いじゃないので、よく見ています。
中止する、しない、でもめている八ツ場ダム問題。
確かに治水効果や観光資源としての価値は疑問なのかもしれません。
ただ、番組内であるタレントさんが言っていたことなんですが、地元住民は国との度重なる話し合いを経て、条件を飲み、先祖のお墓を掘り起こし準備を進めていました。
いわば、国との契約を交わしていたわけです。
これで中止になってしまえば、今後国民は国を信用できなくなります。
政権が交代すれば国との契約も白紙になってしまう、という前例を作ることになります。
苦渋の決断をし、すでに移転を終え、準備を進めてきた方々は今回の中止に「国に裏切られた」という思いが強いはず。
あまりに一方的に、国が約束をたがえる前例を作るべきではないかなぁ。
それを税金の無駄だとして、国民の信頼をなくすよりいいかと。
今後も私的に注目の話題です。
2009/11/18「ワクチンは接種すべきか否か」
先日うちの実家、インフルエンザ感染した!と書きましたがどうやら終息したみたいです。といっても、感染力がなくなったとはいえないので、まだまだ油断はできませんが。
新型インフルエンザのワクチン接種も、優先対象者からはじまっているようですが、厚生労働省の対応に問題があり、医療現場では混乱がつづいているみたいですね。我が家は1月以降にならないと接種できません。
インフルエンザウイルスは変異しやすいですから、接種しても安心はできませんが受けておこうと思います。
さて、、、日本では、毎年この時期になると季節性インフルエンザの予防接種をする人が増えます。
今まではあまり関心がなかったのですが、今年は大切な命をひとつ我が家に迎え入れたこともあり、受けたほうがいいのかなと…
今回子どもの死亡者までだしたインフル騒ぎで、今後予防接種をする家も増えるのではないかと思われます。
ただ、その前にきちんと知っておくべきことがあります。
そこでたどりついたのが、『前橋レポート』。
群馬県の前橋市医師会が集団予防接種を廃止したことをきっかけに、開業医らが調査を行い発表したものです。
すなわち、ワクチンは効くのか?
子どものことを考えたら接種はすべきなのか?
とても興味深い内容ですよ。
全国でインフルエンザの学童児童への集団予防接種が廃止され、以降は任意接種となる根拠になったレポートです。
にもかかわらず、認知度が低い・・・不思議。
ワクチンを作る製薬会社の立場もありますので、厚生労働省が有用性について明言することは(重大な過失事故でもない限り)ないと思いますが、ワクチン接種はあくまで任意であるからこそ納得してから受けたいものです。
注意してもらいたいのは、前橋レポートはインフルエンザワクチン接種の有効性を否定するものではないという点。
任意である以上、接種はあくまで個人や保護者の考え方によるものでこれまた否定するものではないということ。
全文きちんと理解しようとして読むと、かなり時間がかかりますがそれだけの価値はありました。
2009/11/19「前橋レポート」
前回前橋レポートの紹介をしましたが、簡単にまとめてみました。
このレポートの背景には以下のような状況がありました。
前橋市(群馬県)の医師会は、学童児童へのインフルエンザワクチンの集団予防接種を廃止した。これに開業医らが立ち上がりその判断が正しかったのか、という検証が行われそれをまとめて、厚生労働省に提出したのが前橋レポートである。
その結果、1979年全国で集団予防接種は廃止され、以降任意による予防接種に切り替わっている。
そして簡単にまとめると、
・インフルエンザウイルスは非常に変異性が高いものであるため、ワクチン接種での予防は限定的であること。接種したその年に罹患することもある。
・予防接種をした地域としなかった地域での流行状況に、ほとんど違いはないという検証事実。
・感染予防にはのどや鼻などの粘膜の免疫が期待されるが、ワクチン接種によってこれを高めることはできないという点。
加えて私が一番興味深いな~と思ったのは次の指摘です。
自然感染でインフルエンザにかかると、体に免疫が作られるが、これは年をとるごとに減衰はするが非常に長く保持される。
そして同型ウイルスが変異をおこしたとしても、次回の罹患率は低くなる(ゼロではない)。逆に感染しなかった人のほうが感染しやすい。
つまり予防接種によって感染拡大を防ごうとするのは、翌年以降の大流行を招きやすく、矛盾するのではないか?
忘れてはいけないのは、このレポートがワクチン接種を否定するものではないという点です。
(集団接種が廃止されたことに対するレポートですから)
予防接種には1年という限定的な効果しか期待できないが、自然感染による免疫は数年にわたり感染しにくくなる効果が期待できるということ。
もちろんこれにも矛盾があります。
感染しないために感染しましょう!なんて(笑)
ただ、こういうことも知った上で、予防接種を受けるのかは判断しましょうということですね。
長いスパンで見れば、むしろ感染して免疫を作っておくのは病気にかかりにくくするのでいいのかもしれません。
一方で、感染したときの症状を軽くしたいから子供が小さいうちは受ける!とかうちは高齢者や妊婦がいるから、、、
など、受けることによってメリットも十分あります。
ようはやみくもに世間の風潮にのって、受ければいいわけじゃないということだと思います。
ただし、、、強毒性が疑われる鳥インフルなど致死率の高いウイルスに対しては積極的に罹患してはいけません(笑)自殺行為です。