経産省 自治体DXワークショップの作成から実施を行いました。
私が所属するCode for Japanの事業で経産省が取り組む自治体DXワークショップの作成、実施及びファシリテータとグラフィックレコーダーの取りまとめを行ったので、その内容と取りまとめ実績を書いておくことにします。
0.DXとは
Digital Transformation(略してDX)の意味。
定義づけは色々な説があるが、今回関係する経済産業省の位置づけは
「小手先の電子化ではなく、仕事の進め方やサービスの形を抜本的にデジタル化し、データを活用した政策を実現することでニーズに最適化していく。」
というのがデジタルトランスフォーメーションです。
経済産業省のDXに関するHPはこちら
DXとかいう前にもっと市民の困りごとをちゃんと解決してよね!と思った方はシビックテックという事を行っているCode for Japanのサイトこちらをご覧ください。
1.自治体向けDXワークショップとは
ざっくり説明すると
経済産業省商務情報政策局情報プロジェクト室が行う自治体のデジタル化を支援するために行われたもので、
「自治体の規模に関わらず利用しやすい行政サービスが市民に提供される様になること」
「各自治体のデジタル化のベストプラクティスがシェアされること」
これによって自治体と政府のDXが上手く循環して、行政デジタル化のエコシステムを作りたいな!という構想の基に行われています。
参加者は先進的な取組が可能な自治体職員となります。
今回は"キャッシュレス" "窓口業務" "公的施設の運用管理" "観光"の5つの
テーマのうち課題に感じているテーマにに沿ってDXを行うという形で全部で10の自治体が参加してくれました。
全体の構成としてはこんな感じ
テーマ選出が窓口業務に偏ってしまいましたが、出てくる職員さんの
担当課によって窓口業務の内容も形態も規模感もガラっと変わります。
また、自治体によってすでに様々な業務改善に取り組んでいる所など進捗度がまちまちなのでファシリテーターとしてはそこを加味しながらWSを行う必要があるので事前に情報を仕入れることが大切です。
運用メンバーは、メインファシリテータ1人、テーブルファシリテータ2人、グラフィックレコーダー2人で1回のワークショップを回しています。
2.ワークショップの作成
経産省から自治体DXの目的やWSの目的などを聞いた上でWSのゴールを設定します。(経産省の自治体DXについてはこちら。)
ワークショップの目的から、どういう状態をゴールと言えるかを設定して
第1回:課題の本質を把握してアイデアを考える
第2回:アイデアを実現する為の仕組みを考える
第3回:導入する為の対策を考える
という流れに設定しました。
また、自治体DXワークショップで行った内容はGovtech Conference#03のセッションの1つで発表するという形でアウトプットされることになっているので、第3回ではその発表資料も併せて作成することになります。
ミーティングでさらにその内容を具体的にし、必要なワークシートなども洗い出しをします。
ミーティング時のグラレコ
実際に使われたワークシート
3.グラフィックレコーダーの育成
ワーク作成の密なミーティングはもちろんのこと、ファシリテータやグラレコのメンバーともSlackで質疑を重ねます。
中でもグラレコについては初心者の学生メンバーが大半だった為、教えながら、実践しながら覚えていくという形をとっています。
今回のメンバーはデザインを学んでいる大学生で地域に課題を感じて何かしたいと思っている学生達で、こういった場で実践してみる事こそが必要だと思い声をかけています。
メンバーには事前にワークの流れに沿ったテンプレートを作成してもらい
私がチェックをしてOK出たものを使っていきます。
テンプレートを作る事で事前にワーク内容への理解が促進され、グラフィックレコーディングだからと進行から取り残されたり疎外感を感じる事の無いようにできますし、当日はその中に情報を落とし込んでいくことで、書き方に迷って時間をロスすることや情報を聞き逃してしまうことを防ぎます。
メンバー間の連絡にはSlackを使っていたのですが、東京第1回でホワイトボードが思ってたより小さかったので次は縦レイアウトで、とかタイムスケジュールを横に貼っておくと動きやすかったよとか、次の人へバトンを繋ぐようにブラッシュアップされていったので同世代の連携を作ることも、育成に重要な部分だなと感じました。
(グラレコは最後の方に一気に掲載しています)
4.ワークショップ進行
2019/11/20 東京第1回 参加自治体は
・長野県・千葉県船橋市・静岡県袋井市・東京都中野区・茨城県つくば市
会場は経済産業省内です。
はじめにNTT DATAよりデジタルトランスフォーメーションとは?という
レクチャーが40分ほどあり、休憩を挟んだ後に3時間WSというタイムスケジュールになっています。
デジタルトランスフォーメーションとは?のグラレコ
ワークではグラウンドルールを作って守ることで雰囲気の良いワークショップを作ります。
メインファシリテータ Code for Japanの市川博之
グラフィックレコーダー 長岡造形大学 佐藤明日香、四條沙彩
テーブルファシリテータ Code for Japan 市川希美 Code for Japanインターン生 大西翔太
ワーク中の風景
第1回のグラフィックレコーディング
2019/12/4 東京第2回
参加自治体は前回と同じ。
NTT DATAから行政におけるデータ活用の大切さと、経済産業省からDXの取り組みの中にも入っているGBiz IDについての解説が1時間ほどあってから、休憩をとってワークショップを3時間というタイムスケジュールです。
(ピンボケたグラレコしか無かった悲しみ…)
グラフィックレコーダー 長岡造形大学 古沢菜月、久保楓
メインファシリテータとテーブルファシリテータは変わらずのメンバーです。
この回では業務フローを書くワークがあったのですが、現状の業務フローが複雑怪奇で参加者も四苦八苦しながら進めていました;
第2回までしか参加しない自治体さんもいるので、終了時点でアイデアを発表する形で終わっています。
第2回のグラフィックレコーディング
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2019/11/28 大阪第1回 参加自治体は
・大阪府八尾市・豊中市・大阪市・奈良県広陵町・京都府精華町
会場はTHE DECKというコワーキングスペースです。
Welcomeボードでお出迎え!
メインファシリテータは同じく市川博之
テーブルファシリテータはCode for Japan 理事 佐藤拓也と有賀ゆうです
グラフィックレコーダーは私と常葉大学 中村紗江
進行内容は東京回と同じなので割愛しますが、大阪会場ではミーティングボードが大活躍しテーブルファシリテータがガンガン活用していきました。
壁が使えない会場にはかなり使える道具だと再確認!
第1回のグラフィックレコーディング
2019/12/12 大阪第2回 参加自治体と会場は前回と同様です。
今回もWelcomボードでお出迎え!スタッフの出身地がひっそりと加わってます。
グラフィックレコーダーは私と常葉大学 堀池実沙希
メインファシリテータとテーブルファシリテータは前回同様です。
第2回のグラフィックレコーディング
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2020/1/15 共通第3回 参加自治体は
・長野県・千葉県船橋市・静岡県袋井市・東京都中野区・茨城県つくば市
・京都府精華町・奈良県広陵町の7自治体。
会場は経済産業省です。
今回は4時間びっちりワークショップになっています。
グラフィックレコーダーは長岡造形大学 阿部愛加、黒田安寿
メインファシリテータは変わらず、テーブルファシリテータは私と佐藤拓也となっています。
第3回目に出てきた参加者は全員翌日のGovtech Conference#3に登壇することが決まっているので、出てきたDXで参加者から獲得したポイントが多い自治体ほどプレゼン時間が長くなるというゲーム性も追加されています。
1位を獲得した長野県のDX発表シーン。
第3回のグラフィックレコーディング
5.Govtech Conference Japan #03
2020/1/16 経産省が行うガブテックカンファレンスではセッションでの登壇に加えて、基調講演をグラレコするというミッションがいつの間にか加わっていました。
その為前日深夜まで発表スライドを見ながらグラレコのテンプレートを作成するという作業が発生し、私は学生に後を託して別の仕事へと向かうことになりました。
グラフィックレコーダーは長岡造形大学 古沢菜月、 阿部愛加に加えて市川博之がサポートに入ってくれました。
(自治体DXセッション登壇時の写真が無いので参加してた方がいたらお声がけいただけると嬉しいです)
カンファレンスでのグラフィックレコーディング
以上で経済産業省自治体DXワークショップの作成〜実施までとなります。