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京の暮らしは「番」にあり。 3/3
毎日の暮らしのお伴。お茶
日本屈指のお茶ドコロ、京都。
そのむかし、臨済宗のお坊さんが宋の国から茶を持ち帰り、宇治の地で栽培が始まったのが、その後全国に広がったのだとか。
はじめは薬として用いられていた茶も、武士階級の社交場で浸透するようになり、やがて「茶の湯」など、京都の文化の発展を担う重要なアイテムになりました。
京都のお茶といえば、
和菓子と戴く、こっくりとしたお抹茶。
訪ねて来た友人と語らいながら飲む、スッキリとしたお煎茶。
最近はペットボトル飲料の影響もあってか、京都といえば「緑色のお茶」と思われる方も多いのではないでしょうか。
ところがどっこい、我ら庶民が日常親しむのは「茶色いお茶」。
我が家では「ほうじ茶」が常のお茶でしたが、同じく京都市内にいる祖母の家では、少し独特なお茶を出してくれました。
それが、今回ご紹介する「京番茶」
京都で旅館などに泊まると出してくれるところもあるので、飲んだことのある方もいらっしゃるかもしれません。
独特なのは、その香り!
「タバコでも入ってる‥?」と思うほどのスモーキーな薫香。
焦げ臭さというか、煙たさがくうっと鼻に抜けてくる、かなり独特なお茶です。
それもそのはず。
新芽を摘み取られた後の、硬い葉や茎を形そのままに
大きな釜で直火にかけ、強火で一気に煙も巻き込んで炒って作るのが京番茶。昔は各家庭ごとで作るのが一般的だったそう。
他府県の人にびっくりされる京番茶。
でもね、この独特な香りが結構クセになるんです。
「いまの人が全然京番茶使ったあらへんていうのが不思議でしょうがないんですねん」
と、亀甲屋の女将が申しますには、
どうやら京番茶は「飲む」だけでなく、生活のあらゆる場面に使っていたそうなのです。
今はすっかり忘れられてしまった京番茶の活用法。
今回はそんな京番茶の底力をお届けします。
京番茶活用法
1,汗ふき
じりじりと気温が上がり、汗ばむ季節。
夏の京都は尋常じゃない地獄のような湿気に見舞われます。
ところが、汗でベタベタした体を冷たい京番茶を浸した手ぬぐいで拭くとアラ不思議!
匂いも残らず、水で拭くよりもサッパリするのだそうです。
殺菌力もあるので、かぶれや湿疹にも効果アリ!うーん、気持ちよさそうです。
2、目洗い
女将「プールから帰ったら母親に『あんた目ぇ洗いやー』てお猪口に入ったお番茶渡されますにゃ」
・・・え?!
まさかの古式ゆかしき京都版「アイボン」!
可愛らしいお猪口に入ったお番茶。これで目を洗うんだそう。
昔、目薬がなかった時代にはお茶を点眼していたこともあったとか。お茶には抗アレルギー作用があるので、お目目を洗うのも真水を使うよりも良いというわけです。こんな使い方もあるなんて、まさに目からウロコ。
(流れ出てくるのはお番茶ですが)
3、うがい水
少量の塩を入れて、お口をぐじゅぐじゅ。喉をゴロゴロ。
殺菌作用があるカテキンが多く含まれる京番茶でうがいすれば、予防もバッチリ。炎症を抑えてくれる効果もあるので、喉の調子がおかしいな?なんて時にも役に立ちます。
4,体をあたためる
体を温める効果のあるお番茶。
風邪のひき始めには焼いた梅干しをお茶に入れて、お風呂に浸かりながら飲むと体がよく温まるそう。
もう少しぐっと温まりたいときは生姜のしぼり汁をプラスするのも◎
梅干しのクエン酸効果も相まって、疲れや食欲不振も緩和できます。
じんわり温まって、新陳代謝も良くなりそう。
まとめ
クセが強く、今では京都の若い人でも飲む機会が少なくなった京番茶。
その特徴とは裏腹に、カフェインやタンニンが非常に少なく刺激物質が抜けているので妊婦さんや赤ちゃんでも安心して飲めます。
京都の日常の中で親しまれてきた京番茶は、飲料という枠を超えて、まさに「番」のもの。暮らしのなかで上手に利用されてきました。
今でこそ、その効果は科学的に立証されますが、当時の人は古くからの習慣や知恵で京番茶を最大限に生かしていたのです。
お茶ドコロならではの利用法。資源を無駄にしない。どこを取っても、使ってみれば何にでも使える。
地に足ついた生活の知恵と、それを伝えてきた市井の人の暮らしが見えてくるようですね。
京番茶は、お湯の温度も気にせず手軽に淹れられるので、好きな時に楽しめます。
クセのある香りもハマってしまうと、もう虜。飲み慣れると離れられなくなるほどの魅力の持ち主です。
さあ、今日は京番茶を淹れてほっこり一休みしてみませんか?
ぜひ京都の日常を味わってみてください。
取材協力:亀甲屋
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kikkoya/kikkoya/
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お中元・お歳暮などにぜひ!
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梱包される箱の中には女将直筆のお礼の言葉が添えれれています。
ほんまもんの京言葉です。なんと嬉しいこと・・・!
真心こもった贈り物、ぜひこの夏ご利用ください。
連絡先はこちら
亀甲屋
〒604-8105 京都府京都市中京区亀甲屋町601
TEL : 075-221-1270
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