魔法の釣竿
倉庫を掃除していると見覚えのない細長い桐箱があったのです。
開けてみると釣竿が入っていた。
中に紙があり書いてあった内容は
"これは魔法の釣竿、この釣竿は地球にある全てのモノを釣り上げることが出来る大変貴重な代物です。あなたが釣り上げたいモノの名前を言ってから水辺に投げ込んでください。そうすれば釣竿は答え釣り上げてくれるでしょう。ただし決してあなたが釣りをしている姿を見られてはいけません。分かりましたか!"
という内容でした。
何とワクワクすることが出来そうだ。
誰にも見られないで釣りできる場所・・・あそこだな。
釣竿を持って家の裏にある森の奥に入り丁度いい池があるのでそこで釣りをすることにしかもここは中々人が出入りもしない最高の場所。
「ダイヤ釣りたいなぁ」
ヒョイ、ポチャ
「これで本当に釣れるのかなぁ」
・・・!
ジャポ〜ン
キラキラ
「マジでダイヤ釣れた」
早速持ち帰り鑑定してもらう。
「1億円で如何でしょうか」
「い、い、1億円!!!」
すぐに売却、1億円ゲット。
次の日は別のモノを釣ってみることにした。
「もしかして宇宙人が釣れたりして、もし釣れたらいないかいるか論争に終止符を打つことが出来る。宇宙人が釣りたい」
ヒョイ、ポチャ
「・・・・・・来ないな」
15分経過
「反応なし、いないか流石に」
竿を上げようとしたその時!
「うわぁ引いてる引いてる」
ジャポ〜ン
「とおぉぉぉ、着地っと」
「なんかキタ」
「私は何故こんなところにいるのでしょうか」
「あなた宇宙人ですか」
「はぁ!どうして私の存在を知っているのですか」
「えぇ、マジで宇宙人っているんだ」
「ウソ宇宙人に気づく地球人っているんだ」
「じゃあせっかくなので地球人に宇宙人の証拠見せてください」
「せっかくですので手を伸ばしたいと思いま〜す」
僕の目の前で宇宙人は簡単に伸ばしました、それはそれは見事な伸ばし手。
「あの〜このことはあまり言わないでくださいね」
「分かりました。宇宙人リリース」
宇宙人、池に帰る。
「バイバイ」
「バイバ・・・」
ガサガサ、バァ
「誰か見てた?」
「にゃ〜」
「何だ猫かよ、帰ろ帰ろ」
荷物を纏めて帰ることにした。
家に帰ってテレビを見てみるとニュースがやっていた。
「現場から中継です」
「はい、こちらの宝石店から1億円のダイヤが行方不明になったのことです。防犯カメラを調べたところ盗まれた形跡もなく消えたとのことです。現場からは以上です」
「1億円のダイヤ、もしかして」
ピーンポーン
絶妙なタイミングで鳴ったなぁ、まさか。
ドアの隙間から外を見てみると警官がいた。
心臓の鼓動が止まらない。
ガチャ
「はい・・・何でしょうか」
「すいません、最近近くの宝石店でダイヤがなくなったのはご存知でしょうか」
「はい、一応知ってます」
「そうですか、ここら辺で怪しい人とか見かけたかなぁ〜」
この人質問しながら俺の家の中覗いてる。
「いや〜知らないですね」
「そうですか、ではまた何か気になることがあったら」
「分かりました」
ガチャ
釣竿を急いで持って、裏の出口からこっそり出て池に戻る。
「やっぱりあの猫に見られたことが、原因か。最後のところだったから怪しまられるぐらいだけどもう時間の問題だ」
池に到着。
「はぁはぁはぁ、ダイヤリリー・・・」
「君そこで何をする気だね」
さっきの警官、やはり怪しんでつけてきたか。
「ダイヤとか言っていたな、君やはり絡んでいるなぁ」
釣竿を掴まれてまだ池に針が沈んでいない。
「ダイヤ〜〜〜」
「ダイヤをどうした貴様」
「リリース!!!!!!」
ポチャ
池が光った。
「何だ今の光は・・・まぁ良い君署まで来てもらおうか」
プルプル
「はい、実はダイヤについて何か知っている男を・・・えぇ見つかったダイヤが・・・わかりました、すぐ戻ります。すまなかったね君」
警察官は帰っていった。
「間に合った〜〜〜〜」
この経験から再び倉庫に釣竿は封印された。