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罠カードについて

こんにちは。こんばんは。初めまして。にちどれと申します。まずは少しでも興味を持っていただき、記事まで飛んでくださりありがとうございます。このブログではグウェントをプレイするにあたっての所感やカード、デッキの紹介をしていけたらなと思っております。

はじめに

現時点ではスコイア=テルのみが使用する罠カードですが、プレイングが非常に難しいのが特徴です。それでも罠を使って勝ちたい!この記事ではそんな人に送る私なりの所感を書きたいと思います。
この記事を書く上で罠デッキのタイプを大きく2つに分けたいと思います。ひとつは《エルデイン》をフィニッシャーに据えたエルデイン型もうひとつはエルデインを採用しないコントロール型です。罠カードはエルデインの有無でその価値やポテンシャルが変わってくるので、そこを留意する必要があります。

「エルデイン型」と「コントロール型」
エルデイン型の強みは罠カードを最終的に戦力値へ変換することにより、ノーユニットと謳いつつもポイントで勝負できる点です。ノーユニット系の弱点でもあるポイントの貧弱さを補えるこの型は、まさしく罠カードを実戦レベルまでようやく使えるようにしたと言っても過言ではありません。
一方の弱みは採用する罠の多さにあります。罠は使うタイミングが難しいうえ、読まれてしまえば大した点数を出せないカードです。そんなカードを複数枚採用するとなると当然デッキ全体のパワーは落ちます。《エルデイン》に頼りきってしまうとポイントが出せずに負けてしまう事もザラです。またラストセイを取れない場合、変身した《エルフの名射手》が《海イノシシ号》や《ヘムダール》等による全体ダメージを受け負けるパターンもあります。極力ラストセイを取りたいデッキですが、1R目を確実に取るのもなかなか難しくエルデイン型における課題と言えるでしょう。
コントロール型の強みはノーユニットかつ除去性能に最大限特化している点です。相手の盤面バリューを下げつつ自軍盤面にはユニットを展開しない戦術は、スケリッジや北方諸国が得意とするユニットを使用したダメージデッキにめっぽう強く、また相手ユニットの動きを制限したり、コピーするニルフガードにも有利を取れます。質の良い罠を少数採用し、残りの枠をスペシャルカードに割くことでエルデイン型とはまた違った、対応力の高いコントロールデッキとなります。使用する罠の数がエルデイン型と比べて少ないため読まれづらいというメリットもあります。
こちらの弱みはエルデインをはじめとする罠サポートカードの恩恵を最大限受けられない点と、戦術幅に伴う、構築面における難易度の高さです。この型は「最悪罠が刺さらなくとも、エルデインで巻き返す」という戦術がはなから存在しません。つまるところ罠は使い切りのカードであり、仮に点数が出せなかった場合大幅なポイント、テンポロスとなります。またその場その場に応じた対応を求められるため採用する罠の種類も必要最低限に絞っています。なので《エルフの斥候》や《イオルヴェス》の第一手といったサポートカードと併用しても活かす事ができません。更に罠カード以外の非ユニット枠の幅広さが構築の難易度を極端に上げており、ある意味で弱みと言えます。と言うのも罠カードではえあれば殆ど採用できるエルデイン型と比べ、こちらのメインは罠を含めた除去カードや特定のメタカードとなります。当然その環境下で最適なカードを採用しなければパワー不足に陥ります。そのため環境を見定める目や構築における型にはまらぬ意外性、最適な場面でカードを使える判断力等求められる能力が全体的に高い印象です。弱みばかり書いてしまいましたが、それゆえ勝てた時の喜びや達成感はより大きく、ここまでゲームをコントロールできる感覚は、他のデッキを使用してもなかなか味わえるものではありません。

罠カードたち

火炎の罠

罠カードの中では5コストと軽く、出る点数は伏兵で1〜5、奇襲で1〜3。コスト論的には何とも言えない数値ですが、命令効果や常時効果を持ったユニットに対して先手で強く立ち回れます。闇雲に初手で出しても4コストのユニットや、配備効果が強力な低戦力ユニット(《破滅へ誘う者》や《湖の女神》等)で適当に踏まれるだけなので注意したいところです。
このカードの強みは強力な命令効果持ちユニットや常時効果持ちユニットに効果発動する隙を与えずにアプローチできる点ですが、大当たりは《マムーナ》や《サスキア:指揮官》といった高コスト低戦力ユニット、また《ミツバチの亡霊》をはじめとする7コスト4点1アーマーユニットですが、命令、常時効果持ちかつコスト6以上のユニットを破壊できれば上出来です。またこのカードを使ううえで1番刺さるタイミングが存在します。それは《コルグリム》と対面した時です。熱狂のタイミングを待って《コルグリム》を出す前のターンにこのカードをプレイする事で、効果発動より前に倒す事ができます。
このカードの弱点は狙ってプレイする事が難しい点です。上記の通り《コルグリム》や熱狂効果を持ったユニットを除くと、狙ってプレイするのは至難の業でしょう。こちらが罠デッキとバレている以上、《マムーナ》も《サスキア》も罠が置かれてないタイミングを見計らって出してくるでしょう。配備効果持ちユニットにダメージを与えても所詮5点です。なのでそう上手くは行きません。もっと言えば上述した先手で強く立ち回れるというパターンは、「先行1ターン目で出すカードが他に無い時に無駄なく置ける」程度です。それ以外のパターンでは後出ししても有効打になりにくく、《アルズールの雷撃》や《自然の戒め》を採用した方が良い場合すらあります。
採用について。エルデイン型では十分に採用価値があると考えます。この型では罠の質よりも量が重視されるため、コスト5で2枚も入れられるこのカードを採用しない手は無いでしょう。しかしコントロール型では一考の余地があります。なぜなら罠カードを多種類採用する事による弊害が生じるからです。それは《エイブヒア・ハットリ》のバリューを下げかねない点です。ハットリはデッキに含まれている罠カードから1枚を入手してプレイするカードです。つまりデッキ内の罠カードの種類を絞る事で、使用したいカードをほぼ確実に引き当てる事ができます。ハットリ自身が9コスト2点なので、なるべく高コストの罠を入手したいのが実際のところ。コントロール型におけるハットリの強さはいつでも好きな罠を使う事ができる点なので、低コストの罠を入れて高コストの罠が入手できなかった時のバリューロスが痛いです。高コストの罠には強力なものが多くそのいずれかを入手できればいい。という考えのもと、このカードを採用してみてるのは良いかもしれません。

圧殺の罠

火炎の罠に次いでコストの軽いブロンズ罠です。出せる点数は相手のユニット数に応じて変化しますが、伏兵で1〜18、奇襲で1〜9。アラキスや炎誓いに代表されるスォームデッキに対して特に有効で、そうでなくとも盤面を埋めていくニルフガードや、宴を発動させたいモンスターデッキに対して有効打となります。基本的には《切り裂き》の上位互換と思って貰って構いません。
このカードの強みは主に2つあり、ひとつは奇襲の利便性、もうひとつは遅効性です。
先ず奇襲の利便性について。罠カードは基本的に伏兵効果の方が強いとされています。このカードも例外ではなく、伏兵と奇襲とでは出る点数が約2倍も変わります。伏兵を上手く使いドローンを全滅させたいところですが、後手で使用すると「伏兵発動時にはドローンの点数が3以上になっていて倒せない」という場合があります。かと言って先手で使っても読み合いに負けてロクなダメージを出せない。なんて事もあり得ます。奇襲を使うタイミングは、《アラキスの巣》を使った直後もしくはドローンに《自発的進化》を使用した直後等、要は戦力1のドローンが複数体並んでいる状態でターンが返ってきた時です。ドローンさえ潰してしまえば相手にかなり苦しい戦いを強いられます。出る点数自体こそ乏しいですが、後の展開を考えると奇襲が決定打になる事も多いです。最近は減りましたが、対《シヒル》において、相手が標的として自軍盤面に置いた1点のカードを破壊するという仕事もこのカードが担っています。例えば《父殺しの憤怒》により1点の《絶叫のセイレーン》が自陣列に複数体並んだ時に、自陣列に対して奇襲を発動することで、次ターン使用されるかもしれない《シヒル》のバリューを実質的に下げられます。
次に遅効性についてです。このカードの伏兵は2ターン後に発動するため「何もしないターンを意図的に作り出す」というメリットがあります。このメリットは、ダメージコントロールや状態付与といった敵軍ユニットに触るデッキと対面した時に真価を発揮し、ユニットを出さずにターンを返す事で相手のテンポロスを誘発させます。また列ダメージの特性上、このカードを置いた次のターンにニヴェレンゲラルト:アードといった移動カードと組み合わせる事により、より効果的にダメージを与えられます。更に相手の「罠を踏みたくない」という心理を突いてパスを誘発できる点も魅力です。伏兵発動時に点数を返す事ができれば、手札差を作ったり、逆に解消したりできます。
以上が強みですが、このカードにも弱点が存在します。それは他の罠との相性が根本的に悪い点です。6種存在する罠カードのうち、《マハカムの角笛》を除いた5種類はダメージもしくは破壊に特化したカードです。つまり他の罠を使うほど敵陣に並ぶユニットは減っていき、このカードのバリューは下がります。6コストカードなので最低でも8〜9点を出したいところですが、そのためには敵軍の1列にユニットが4体以上並んでいる必要があります。
このシチュエーションを用意するのが想像以上に難しく、期待値を大幅に下回る事もしばしば。なので上記の通り列移動効果と合わせたり、《剣歯虎》を置いて相手がユニットを出す列を揃えたくなるような心理戦を持ちかける。といった工夫をすると良いでしょう。
採用について。エルデイン型では《火炎の罠》の採用と同じ理由で十分に採用を見込めると思います。やはり大切なのは罠の数なのです。そしてコントロール型においても採用する価値があると考えます。理由は「貴重な列ダメージである」「遅効性により相手の出方を伺えるメリットが大きい」の2つが挙げられます。コントロールデッキが苦手とするスウォームへの解答にもなり《ハットリ》や《イオルヴェス》で複数回使用する事も珍しくありません。私は基本1枚しか採用していませんが、環境によってはフル投入の可能性も視野に入れています。

トレントマンティス:隠密

出てきたユニットに対して先手で毒を付与し、その後ユニットへと変身するユニークなゴールド罠です。出る点数は伏兵で6+毒、奇襲で6となります。環境やランクマではイマイチ活躍しづらいカードであるものの、その唯一無二な性能ゆえに、相手の意表を突いたプレイングが期待できるカードです。
このカードの強みは主に2つあり、ひとつは浄化する隙を与えない点。もうひとつはユニットとして盤面に残る点です。
先ず浄化する隙を与えない点について。毒は非常に強力な状態効果ですが、大抵のデッキでは浄化を持ったカードが採用されており、後手の毒は消される可能性が高いです。しかしこのカードはそのタイミング上、相手に浄化する隙を与えません。つまり伏兵を発動した返しのターンで2回目の毒を付与する事により、確実に毒破壊を狙う事ができ、大きなテンポアドバンテージを得られます。
次にユニットとして盤面に残る点についてです。罠デッキは先手後手のどちらでも立ち回れるノーユニットデッキですが、ユニットが盤面に残らないというある種のデメリットを抱えています。これは手札差-1からスタートする2Rプッシュにおいて顕著で、相手のユニットは罠で消せるが、結局自軍盤面にユニットが残らないせいで点差がつかず、手札差の解消は困難。といった具合に、ノーユニットの強みが裏目に出るシチュエーションが多々あります。そこで活躍するのがこのカードで、最終的にユニットを盤面に残す事ができます。
しかしこのカードも強い点ばかりではありません。例えば出てきたユニットが遮蔽を持っていた場合はただの6点ユニットに成り下りますし、ユニットが出てきても1〜2点と大した点数を持っていなければ毒を付与した意味がほぼありません。やはり読みが重要な事に変わりない点はどの罠も同じです。大当たりは守護者効果を持ったユニットや純粋に高戦力ユニットですが、6点以上のユニットであればコスト論的に損が無いことを頭の片隅に入れておきましょう。
採用について。このカードは発動したのちユニットになる特性上エルデイン型との相性は良くありません。採用しても問題ありませんが、他に毒を付与するカード(《ドリアードの猟兵》や《森の密告者》等)も必要になります。コントロール型との相性はというと、決して悪くはありません。しかしやはりこのカード自体の難易度が高く、構築を大きく制限する都合上扱いやすいカードとは言い難いです。ただ、その採用率の低さから相手の意表を突くプレイができます。構築力とプレイングが試されるカードとして認識しています。

落とし穴の罠


次にプレイされるカードのコストを参照し、それに応じてダメージをばら撒くゴールド罠です。《火炎の罠》のようにプレイされたユニットを狙って落とす性能はありませんが、相手の使うカードによって10点以上のダメージを見込めるカードです。出る点数は伏兵で0〜15、奇襲で0〜6。伏兵で最悪0ダメージになるパターンが幾つか存在し、このカードを置いた次のターンにリーダーアビリティから生成されるトークンをプレイされた場合。伏兵は発動しますが、トークンのコストは0なのでダメージが発生しません。この可能性を留意する必要があります。なので《調和の呼び声》や《自然の力》、《名采配》と対面した時は、リーダー効果が残っているか否かで使い所を見極めましょう。
このカードの強みは《火炎の罠》と使い分けて相手に心理戦を迫る点です。使い方自体は似ていますが《火炎の罠》を回避して高戦力ユニットを出そうとすると、そのコストの高さからこのカードのバリューが上がり、結果的にダメージ数が上がります。《対して落とし穴の罠》と読まれてしまい、4コストカードを使用された場合は一気バリューが下がってしまいます。相手にとっては運試しとなるわけです。仮にバリューが下がってもキーカードの使用タイミングをずらしたり、低コストエンジンの除去には貢献します。
また強みと言うほどではありませんが、敵軍ユニットが1体かつ6点以下の場合において、奇襲で確実に破壊する事ができます。お互いの手札が3〜4枚のようなショートラウンドでは割と使うので「点数は出せるうちに出す」ということを意識して使うと、プレイングの幅が広がります。
このカードの弱点はそのバリューの低さです。罠がある状態で高コストカードを使用してくることは少なく、低コストカードであしらわれるパターンが多いです。そうなった時に6コストで最悪4点しか出ないこのカードは余りにも弱く、相手のプレイングを読んでタイミングを慎重に見極める必要があります。また、このカードが刺さるタイミング自体がそもそも限られており、上述したように相手のリーダーアビリティに左右されること、相手盤面にユニットがいないとスペシャルカードで簡単にケアされてしまうこと等、単純にプレイが難しいです。
採用について。6コストと比較的軽い罠カードであるためエルデイン型と好相性と言えます。読みが外れて4点カードになってしまっても、その後の《エルデイン》や《ベルノシエル》で更なる点数を期待しましょう。またコントロール型においても十分採用を見込めるカードだと思います。しかしプレイ予測をかなり要求されるので、難しいと感じたらちゃんと点数の出る別のカードに変えるのも一つの手でしょう。

毒蛇の罠

相手がスペシャルカードを使用すると、敵軍最高戦力値ユニットを破壊する強力なゴールド罠です。出る点数は計り知れないので割愛しますが、伏兵で最高戦力値ユニットを、奇襲で最低戦力値ユニットを破壊できます。コストも7と重すぎる事なく、コスト9である《堕落の呪い》とほぼ同等の効果を発揮します。コスト論的には9〜10点がでれば文句無しで、11点以上がでれば大儲けと考えて良いでしょう。その使い勝手の良さから全罠においてトップクラスの強さを誇っていると言っても過言ではなく、各シーンに応じて無駄なく使える点が非常に魅力です。
このカードの強みは3つあり、ひとつは初手の動きを確実に崩せる点、もうひとつは耐性と守護者を貫通できる点、最後に相手の動きを大きく制限できる点です。
先ず初手の動きを確実に崩せる点について。このカードは固定ダメージを与える罠ではないため、相手の初動に対して最も強く出られる罠と言えます。多くのデッキにおいてエンジンカードはできるだけ早く出したいカードであり、初動にエンジンを立てるデッキも珍しくありません。こちらが罠デッキと見抜かれている場合、相手は「出来るだけ罠が置かれてないターンに高コストユニットやエンジンカードを立てたい」という心理が働き、罠デッキのテンポの悪さも相まって初動から高コスト帯のカードを使用し、点差を出すプレイングで仕掛けてくることがあります。そういったプレイに対して後手でも強いこのカードが刺さります。どんなエンジンでもどんなに戦力値の高いユニットでも1体のみであれば確実に落とし、初動の動きを狂わせることができます。
次に耐性と守護者を貫通できる点について。このカードの奇襲効果は相手ユニットを選択しません。敵軍盤面の全ユニットの戦力値を参照しユニットを破壊するため、耐性効果を無視して破壊することができます。《串刺し卿》や《イースネ》は耐性持ちかつ強力なエンジンユニットであるため初動で出されなすいカードです。耐性持ちユニットに触れるカードは多くないためその油断の隙を突けるのは強力です。また守護者が立っていても最低戦力値、最高戦力値ユニットを破壊できます。もっとも守護者が立てられた時点で破壊できるようであればそうした方が良いと思います。しかし敢えて守護者を生かし、ピンポイントで破壊する事もシチュエーションによっては可能です。
最後に相手の動きを大きく制限できる点について。このカードは伏兵効果の発動条件が分かりやすく、読まれがちです。しかしそれに見合った大きなアドバンテージを得られるのも事実です。読まれてしまった場合相手はこのカードを破壊するか、ダメージ覚悟でスペシャルを使用するか、もしくはそのラウンド中はスペシャルを使用しないか選択を問われます。この擬似的な制限こそこのカードの真髄と言えるでしょう。仮にスペシャルカードに反応しなくとも、相手の最低戦力値ユニットを他のカードで破壊していくことで奇襲効果のバリューを上げることができ、最適なタイミングを見計らって使用できる点も魅力です。
このカードの弱点は上記の通り読まれやすさと、完全に刺さらない対面が存在するところです。強みでもあり弱みでもある読まれやすさですが、それゆえ期待値を大幅に下回る事もよくあります。例えばノーユニット状態にするため、罠であるからといって闇雲に(例えば先攻1ターン目から)設置しては、《夢占い》や《勅令》といったサーチスペシャルカードに踏まれてしまい、最悪0点になる事もあります。完全に読まれてしまい奇襲でしか点数を出せないなんてこともあります。有効となるタイミングを逃すと最悪発動せずにラウンドを落とす事さえあるでしょう。このような状況を避けるためにもある程度敵軍ユニットが並んでいる状況で使用する、相手がレンフリ型か否かを把握するといったケアを怠らないようにしましょう。そして完全に刺さらない対面について。このカードはスウォーム系とレンフリ型に対して特に弱いです。低戦力ユニットが並んでは奇襲のバリューが出ませんし、エルフスウォームに至っては高戦力ユニットがほぼ出ないため伏兵でさえ刺さらない可能性があります。またレンフリ型のデッキに対しては基本的に伏兵効果しか通らないので、奇襲で如何にバリューを出せるかにかかっています。そんな中でもそれぞれの対策が明確に存在するのもこの罠の魅力で、例えばスウォーム系に対しては一層のことこのカードをマリガンしてしまい、《圧殺の罠》や《落とし穴の罠》を引き込む事を意識しましょう。レンフリ型に対しても、大型ユニットが出されたタイミングで相手がまだ《ルーン魔術師》を使用していない場合に限りプレイする余地があります。《ルーン魔術師》は配備効果でスペシャルカードを使用するため、そこに反応させて伏兵効果を発動できます。いずれも相手のデッキをある程度把握そして理解しておく必要がありますが、これらのケアを徹底する事はこのデッキに限らずとても大切な思考と思っていますので、決して無駄にはなりません!
採用について。このカードはエルデイン型、コントロール型ともに採用すべきカードだと思います。他とは一線を画す唯一性。最大ポテンシャル時の爆発力。コントロール性能。どれをとってもピカイチです。個人的には《ハットリ》で生成したり、《イオルヴェス》で使い回すのが一番多いカードで、そのくらい使い勝手が良いです。

マハカムの角笛

相手のパスに反応して両隣に4点ずつ付与する8コストのゴールド罠です。出る点数は伏兵効果で最大0〜8点、奇襲効果で0〜6点となります。使うタイミングが非常に難しく、刺さるか否かを見定めるにはかなりの慣れが必要です。またノーユニットの特徴である盤面にユニットを立てない戦術と逆行しており、そのための専用構築に寄せる必要があります。伏兵の発動タイミングが1度しかないため、相手へのプレッシャーと駆け引きを迫る点において毒蛇の罠と並ぶ、もしくはそれ以上の心理戦へと持ち込める圧倒的難易度を誇るカードです。
 このカードの強みは2つあり、ひとつは毒蛇の罠と合わせてなかなか発動しないプレッシャーを与えられる点、もうひとつは採用率の低さから相手の意表を付きつつ、図らずもゲームエンドに持ち込める点です。
先ずプレッシャーについて。このカードは伏兵の発動タイミングが相手のパス一度きりなため、相手にしてみるとなかなか発動しない罠(=毒蛇か角笛)となります。そのため《毒蛇の罠》を意識して立ち回るとスペシャルカードが使用できない不自由なプレイを強いる事ができ、逆にこのカードを意識した場合は常に9点差以上でターンを返さなければなりません。完全に《マハカムの角笛》と読まれてしまっても、常に9点多く取り返さなければいけない展開は想像以上に苦しく、下手して8点差未満で返そうものならこちらはパスして、相手は現状数点差をつけて勝っていても更に点差を出さなければ勝てない展開に持ち込めます。これをうまく利用する事で相手との手札差を作ったり相手が切り札に残しているハイテンポカードを引き摺り出したりと、ハマればきちんと仕事をします。
また図らずもゲームエンドに持ち込める点について。このカードは従来の罠デッキにおけるノーユニット戦術と根本的に相性が悪く正直使用率は低めです。しかしそれゆえに火炎の罠や毒蛇の罠と比較して対策されにくいというメリットがあります。その事を念頭に置いてお読みください。さて、仮に1Rを取った場合自分は2Rでプッシュするか即パスするか選べます。このカードは1Rを取った後の2Rで稀に勝敗に直結する働きをします。というのも、プッシュにおいてメインとなるのは相手の切り札や温存しているコンボカードを引き摺り出し、残りの戦力を削ぎ落とす事です。ちゃんと削ぎ落とせた場合それはそれで御の字ですが、相手にしてみれば「対戦相手が勝つ気もないラウンドでブリーディングを誘っている」なんて状況下では極力強いカードを使いたくありません。そこで活躍するのがこのカードです。このカードをプレイした次のターンに自分がパスし、かつ戦力差が8以内であれば万が一相手がパスした場合に限り2Rが引き分けもしくは自分の勝ちとなり、結果勝利するパターンもあります。基本的に伏兵効果が相手のプレイに応じて発動する都合上「点数的には勝っているのに敢えて罠を踏みに行く必要はない」という心理を誘い、パスの選択肢をチラつかせます。相手がそれでもなお戦力差を埋めるためにプレイしてくるようであれば、きっとプッシュによって生まれた手札差を解消できると思いますし、プッシュ自体成功と言えるでしょう。ショートでも強い罠デッキとしてはどちらに転んでも構いません。ただその誘いにまんまと乗ってしまった相手に対してゲームエンドの可能性を秘めている点はなかなか強いと思います。上記の通りプッシュで強い罠はこのカードくらいなので、そこも頭の片隅に入れておくと構築幅がまたひとつ広がります。
このカードの弱点は単体で点数を出せないため、既存のノーユニット構築の強みをある程度捨てなければならない点です。このカードは他の罠と違い両隣にユニットを置かなければ点数を出せません。そのため相手がパスするタイミングまでにユニットの準備をする必要があります。ダメージを与える罠ではないため即効性は必要ありませんが、相手がパスしてしまえばその時点で最悪の場合0点になってしまいます。それを危惧してユニットを先に立てようとするとそのユニットがダメージや除去の対象となってしまい、既存のノーユニットと比較してダメージ系デッキに強く立ち回れません。やはりこの罠をうまく使うにはひと工夫必要です。例えば《急所攻撃》で《ブロキロンの歩哨》を複数体並べる事で1ターンのうちに起動準備を整えたり、《サエセンテ》をはじめとする耐性持ちユニットでノーユニットの動きを維持しつつ準備したり。《闇討ち》なんかと合わせても面白いです。ただしあまりにもこの罠の隣にユニットを立てようとするとこちらの動きが丸わかりですし、かといって他の罠を隣接させても肝心な伏兵効果のバリューを下げかねません。プレイの順番や配置場所には注意しましょう。
採用について。エルデイン型との相性はあまり良くありません。ラストセイを取れていても相手のパスまでにユニットを立てなければならない点と、ラストセイが取れない場合はエルデインの配備前に奇襲を発動しなければならない点が、ノーユニットの強みとこのカード本来のバリューを下げているため若干勿体無さを覚えます。2Rまでに使用するという前提での採用は見込めますが、引けなかった場合や8コストを割いてまで入れるべきカードかと問われると微妙なため、正直採用を見送りがちです。しかし構築次第では強力なカードであるためエルデイン型であってもこの罠に寄せた構築によりトリッキーな動きを仕掛ける事は可能です。
コントロール型においては構築の正解がないため、デッキ次第で十分採用を見込めると思います。私は《サエセンテ》や《ガボール・ジグリン》等と組み合わせて採用する場合が多いです。ラストセイで《ハットリ》から出して、ユニットで挟んで奇襲を仕掛けると8点プレイになる事を頭の片隅に置いておきましょう。ただし刺さらないと感じたら《ベッカーの地滑り》や《猛獣狩り》等、同コスト帯の除去カードに変える事もあります。

サポートカードについて


ここでは罠の公式サポートカード(全部が全部強いとは言ってない)と相性の良いカードについて軽く書きます。

イオルヴェスの第一手

リワークして♡

構築時点でデッキに4種以上の罠が組み込まれている場合に、デッキから無作為に選んだ2枚の罠を設置するスペシャルカード。
なかなか採用しません。そもそも罠カードは相手のプレイに反応して伏兵効果を発動するものが多い性質上、1回のプレイで2枚発動してしまうのが何とも弱いです。1枚目の罠で敵軍ユニットを破壊してなお発動してしまうので何も起きない事さえあります。罠は相手の1手1手を読んで初めて戦えるデッキであるため無作為に選んで刺さる事はなかなかありません。圧縮目的で使うにもエルデイン型だったら結局最終ラウンドで使う事になるため純粋な圧縮目的では使うには難しいです。これを採用するなら夢占いで良い気がしますが、3Rでエルデインのバリューをより上げるためこのカードを採用する型を稀に見ます。

エルデイン

エルデイン型の切り札

使い終えた罠を《エルフの名射手》に変身させるエルフユニット。
エルデイン型の切り札です。大体ラストセイで使って一気に点数を稼ぎます。これが引けないとほぼ勝てないのでサーチカードは必須でしょう。2Rでプッシュされた時にこのカードを使わざるを得ない展開が嫌なので、引いてしまった場合はほぼマリガンして3Rに残すようにしています。ロングでもショートでも強いのが魅力です。
献身効果はまず使いませんが、一応《死んだふり》《スティガ城》《プリズムのペンダント》も変身できます。この効果が余りにも弱いのでリワークして欲しいです。
リワーク案 献身:変身した罠1枚につき1ブースト得る。
このくらいあっても良いような。献身構築で使う事なんてほぼ無いんですが。

イオルヴェス

コントロール性能抜群

罠を回収&再設置できるエルフユニット。
このカードはいつ使っても割と強い動きをします。私は採用する時としない時とがありますが、使う時は《火炎の罠》を回収してから《落とし穴の罠》を設置して雑に相手を混乱させたり、はたまた2ターンに渡って《落とし穴の罠》の奇襲を発動したりと、かなり自由度の高いカードなのでプレイの幅が一気に広がります。ただし素の戦力が4と低いため、その分を罠で補う必要があります。撹乱も大切ですが、結局はポイント差をつけられないとこのカードを採用するメリットがほぼ無いです。エルフなのでシナリオを進めることもできます。

エイブヒア・ハットリ

シンプルにめちゃくちゃ強い

構築時点でデッキに含まれていた罠から入手し、プレイできるエルフユニット。
エルデイン型、コントロール型いずれにおいても強力なカード。単純に罠の枚数が1枚増えるうえ、最適な罠が手元にない時はこのカードで呼び出す事が可能。このカードから出す罠は相手に読まれにくいため終盤になるほど相手を撹乱しやすいです。ユニットとして盤面に残る都合上「マハカムの角笛」とも好相性です。唯一ネックな部分は入手という点です。4種以上の罠を採用すると狙ってプレイできない可能性がありるため、コントロール型においてはメタ性能やコントロール性能面で特に強く、エルデイン型においては罠を増やすという目的で強いカードと言えます。

エルフの斥候

…流石に弱い

罠の発動に合わせて2ブーストするエルフユニット。
そもそもノーユニットが強いため極力ユニットを出したく無いところですが、せっかく数少ない罠のサポートなのでもう少し質を上げて欲しいのが正直な気持ちです。因みにホームカミング直後に少し使った程度で、現状採用の予定はありません。一応このカード2枚でマハカムの角笛を挟むと伏兵効果で一気に12点分稼げるのですが、なんせ素が4点なのでそれまで生き残れない。最近では「豊穣の収穫」のハズレ枠みたいな扱いになっててなんとも可哀想です。このカードもどうにかリワークされて欲しいです。もし使うのであれば罠の数で勝負するエルデイン型に入れると良いでしょう。

サスキア:指揮官

ハイテンポプレイ姐さん

デッキからカテゴリの異なるスコイア=テルブロンズユニットを次々と出すカード。
ユニットの展開に特化したカードですが、素で耐性を持っているためノーユニットの側面も同時に持ちわせています。罠デッキが苦手とするハイテンポプレイがこのカード1枚で完結しており、ラウンドを取る性能も十分にあります。この効果を使用するにあたって、構築時点でデッキ内に異なる第一カテゴリを持つカードが10種必要となります。罠カードを多量に入れるデッキではこの条件の達成が難しい事もあり、罠との併用は構築の腕が試されると思います。デッキからユニットを召喚する性質上マリガンもより一層難易度が上がると思いますが、それに見合った強力な効果を発揮します。

マドック

爆弾と罠は好相性

爆弾使用時にデッキもしくは墓地から召喚されるユニット。
素は3点と低めですが、デッキ内の全爆弾が3点分強化されると考えれば申し分ない性能。命令効果で自身を破壊して大変動を起こせるため、手札次第では毎ターン3ダメージと爆弾ダメージを合わせた7点以上のプレイを期待できます。ダメージを受けたり除去されても墓地から帰ってくる性質上、盤面に残りつつも実質ノーユニットと言えます。またラウンドを跨いで活躍するため、ある意味で継戦性能もあります。相手にすると非常に厄介なカードです。しかし《コラスの熱波》をはじめとする消滅効果を持った除去カード、《リス》や《ザヴィエル・レメンス》等の墓地消滅カード、更には封印や強奪といった天敵となる効果もそこそこあります。また爆弾が非ユニット枠を圧迫してしまうため、罠と爆弾のバランスが若干難しいです。

サエセンテ

ノーユニットにはほぼ必須

純耐性持ちユニット。
ノーユニットの要と言うべき存在。相手に触らせる事なく盤面に留めておけるのがただひたすら強力です。ただ《堕落の呪い》や《猛獣狩り》等天敵もいます。変わりどころでは《魔女狩り人》と《グラデン》で確定破壊される場合があるため要注意です。ただ立てるだけでも十分強いですが、このカードの隣にマハカムの角笛を置いて相手を牽制するプレイが特に有効です。立てる場合は罠の左側に立てるようにしましょう。(《ローチ》や《ブロキロンの歩哨》等、デッキや墓地から召喚されるユニットが基本列の右側に置かれるため。)

剣歯虎

よくコラスで焼かれてる

相手ターン中はアーティファクトになるユニット。
こちらもノーユニットデッキではほぼ確実に採用されます。ラウンドが長引くほどダメージが期待できる点も魅力。効果の性質上相手は「極力ユニットを1列に並ばせたい」という心理を働かせるため、《圧殺の罠》を組み合わる事でよりダメージを期待できます。変身が命令効果であるため初動持ちスペシャル、特に《焦土》との相性が若干悪いです。

熊化

ジェネリックエルデイン

自軍アーティファクトを選んだ場合10点の熊に変身させ、敵軍アーティファクトを選んだ場合6点の熊に変身させるカード。
簡易版エルデインとでもいうべきこのカードは、エルデイン型とコントロール型のいずれにおいても大きな働きをします。使い終わった罠を戦力値に変換できるメリットはエルデインで立証済みであるため書くまでもありませんが、場合によっては敵軍アーティファクトの除去にも貢献するため、例えばアーティファクトを除去できる《コラスの熱波》を抜いて別の強力なカードを採用したり、《コラスの熱波》と一緒に採用してアーティファクトの除去に特化したコントロールデッキに寄せたりと、その選択肢の強さが如実に現れるカードです。

罠デッキの構築と戦い方

このデッキの基本的な戦い方は「相手に触らせない」が全てです。とりわけ最終ラウンドでは手札のうち《エルデイン》以外全てが罠、もしくは耐性持ちユニットと罠と除去スペシャル。となるのが理想です。各ラウンドの戦い方は後述しますが、相手のダメージや破壊の対象から逃れつつ、相手のユニットを消していくのがこのデッキです。
しかし採用するユニット最低13枚のうち、耐性持ちユニットや剣歯虎を除いた殆どのユニットはダメージを受けますし、対象に取られてしまいます。つまりそれらのユニットをまとめて出すラウンドを敢えて作る必要があるのです。ユニットの選択肢は各アーキタイプに応じて変わりますが、移動、ドワーフ、エルフ、ハンドバフ、毒、マドック等に分けられます。(因みに私は相手のメタに特化したユニット+既存のアーキタイプを入れたハイブリッドデッキをよく使っています)
ユニットを使用したラウンドを取れば残りのラウンドは罠で取るだけです。どうユニットで取るか、仮に落としても如何に相手の戦力を削げるかが肝心なのでそこそこのパワーが必要です。落としてしまっても手札差を付ければもう一方のラウンドは即パスを期待できるため安定して最終ラウンドに望めます。「ユニットで戦いたいけど手札の罠が邪魔」なんて事もあり得るので、極端にコンボを狙ったりまとまった枚数が必要なユニットや効果はあまり向きません。上記に挙げたアーキタイプだと2枚1組の毒や、手札にある程度の枚数ユニットを握る必要があるハンドバフは難易度が高いと言えます。コンボにこだわりすぎてもマリガン含めた運ゲーになってしまうため、単体でもある程度戦えるユニットを採用しましょう。この点において先ほど挙げたメタカード+既存のアーキタイプ(ドワーフ)というのは、相手の動きを潰すメタ(=単体で成立するカード)と、ドワーフ(=2〜3枚でコンボが成立するが、単体でも悪くない)カードの組み合わせとなっています。
各ラウンドの理想的な展開は
【1R】…除去カードやユニットを用いて拮抗した試合を展開。手札差が付かないように出すべきタイミングで点数を出すようにします。罠は極力使いたくないのでマリガンの時点で戻しましょう。
【2R】…1Rを取れている場合は即パスして構いません。最終ラウンドに向けて手札差を無くしましょう。手札差が無く必要なカードが揃っている場合に限り、そのまま最終ラウンドの動きで2R先取を狙う事もあります。逆に1Rを取られている場合は出方次第ですが当然全力で取る必要があります。相手のデッキに寄るため一概には言えませんが、少なくともこのラウンドで勝負を決めてくるデッキに対しては「エルデイン」や各種切り札の使用も辞さない構えです。そのためにもサーチカードは2Rまで握っておきたいです。
【3R】…ひたすら罠と確定破壊の連続で展開の芽を潰します。隙を見てユニットを立てつつ最後は切り札で決めます。これもまた相手次第ですが、こちらがユニットを立てる事で相手の展開を優位にしてしまう事があります。例えば残響効果を持っている《ヘン・ゲイズの剣》や《エアロンダイト》というカードが挙げられます。残響効果を持っており前ラウンドで使用されている可能性が高いためある程度の警戒できますが、これらのカードはこちらの場にユニットがない限り発動しません。こういった場合いくら強い《ハットリ》も任意破棄するプレイングが存在します。そうする事でこちらのロス以上のロスを相手に強いられるためです。つまりこれらのカードが事前にわかっている場合は「ハットリ」をマリガンしてしまうのも一つの手です。終盤、ラストセイが取れていてもいなくてもユニットを最後に出すよう意識しましょう。手札にユニットが複数ある場合は《サエセンテ》や《剣歯虎》等相手が自由に触れないユニットを先にプレイします。ただし《エルフの斥候》が手札にある場合はその限りでないため、それらのカードは罠より先に出しましょう。

これらの展開がうまく決まれば、相手のやりたい事を通さずにこちらがコントロールできます。他のデッキと比較して各ラウンドの采配がより重要になってくるので、マリガンやプレイは慎重に進めていきましょう。
続いてノーユニットデッキと相性の良いリーダーアビリティと非ユニットカードを紹介します。

リーダーアビリティ

急所攻撃

1ダメージを3チャージ分与え、全て使い切ると《ブロキロンの歩哨》をプレイするリーダーアビリティ。罠やダメージ系スペシャルでは足りないダメージを補ったり、自軍に置かれた《カンタレラ》を破壊したりと単純ながら自由度の高いアビリティです。《ブロキロンの歩哨》は圧縮カードにもなるため、圧縮を進めつつダメージを稼ぎ、盤面に3枚のユニットを残せる点は強力です。《ブロキロンの歩哨》を《全能の神》や《供物》によってデッキ内ブーストし、リーダーアビリティだけでも12〜15点出すデッキも散見されます。因みに罠同士のミラーマッチで相手がこのタイプのデッキを使用している場合、3Rまでアビリティを使い切っていなかった時はノーユニットを徹底しましょう。最終的にリーダーアビリティを使わせないプレイングが強いです。ユニットが並ぶ都合上《マハカムの角笛》と特に相性が良いです。

ゲリラ戦術

敵軍ユニットを対象に移動しつつ1ダメージ与えるか、自軍ユニットを対象に移動しつつ3ブースト与えるかを3チャージ分使用できるリーダーアビリティ。
敵軍ユニットユニットを移動させたり、逆に移動させられたユニットをブーストしつつ元に戻したりと、有用な場面が非常に多い強力な効果です。急所攻撃と同様、足りないダメージを補うため使用する事もあります。罠デッキにおいては《圧殺の罠》の対象を増やしたり、移動によって《マハカムの角笛》を挟んだりと移動を組み合わせた特有の動きが可能となります。またゲーム終盤まで使用せず、ラストセイの《エルデイン》と合わせて使い純粋な9点分として機能させ盤面バリューの底上げをするといった芸当も可能です。

闇討ち

《エルフの名射手》の生成を3チャージ分行えるリーダーアビリティ。
単純ながらも《ベルノシエル》や《アイセングリム・フルチアーナ》を採用したエルフ罠デッキにおいて無類の強さを発揮します。《マハカムの角笛》と組み合わせて安定してユニットを並べられる点も優秀です。ノーユニットとは逆行したようなアビリティですが、エルフとシナジーするハイテンポカードが多いためそれらと組み合わせる事で、罠の脆弱性を補強した強力なデッキになります。こちらもラストセイと合わせて使用し純粋な9点分として使用する事ができます。

非ユニット枠

《焦土》《堕落の呪い》《猛獣狩り》《吹雪》
最高戦力値、最低戦力値ユニットを破壊する除去スペシャルカード。ユニットを選ぶ必要がないため、守護者が立ってる場合や耐性持ちユニットにも有効です。《毒蛇の罠》と同様初動の動きを確実に潰すプレイも強い。《焦土》と《吹雪》は初動で複数体破壊できるため、1番良いタイミングを見極めたいです。《猛獣狩り》は《サエセンテ》を出す前に使うようにしましょう。狙うべくは《シリ:ノヴァ》や《ソーヴ》です。

《コラスの熱波》
汎用確定除去スペシャルカード。何でも消滅できる除去カードです。その唯一無二な効果ゆえに使い所を間違えると手痛いです。狙うべくは各種シナリオや守護者、デッキの核をなすユニットとなります。単純に高戦力値ユニットに使用して点数を出すプレイをしても効果的面です。稀ですが自陣に置かれた《サブリナ》や《ヨアキム・ド・ヴェッド》といった面倒なユニットを壊す目的で使う事もあります。罠にとっては天敵となるカードでもあるため懐柔と対面した際は手元に残さぬよう気を付けましょう。

《供物》《ひとだま》《疫病》
対象に制限のある確定除去スペシャルカード。
「供物」はシールドやアーマーの付いた4点ユニットを破壊できる点が非常に優秀です。狙いは《大型弩砲ヘルゲ》や《観測手》となります。もう一つのデッキ内ブースト効果も強力で、ノーユニットの弱点である盤面バリューの貧弱さを間接的に補えます。ブーストの対象は大抵《サエセンテ》です。《剣歯虎》をブーストしてしまうと変身時に元の戦力値に戻ってしまうため、選ばないようにしましょう。
《ひとだま》は《ダゴン》《トレス・ヴァル・エムレイス》をはじめとする大型進化ユニットや、リーダーアビリティからプレイされるユニットとトークンに対して有効です。《占い師》と組み合わせると破滅を付与したうえで破壊するという、毒のような使い方もできます。
《疫病》は4コストユニットのみ確定破壊できます。狙いは《海の野党》《鴉族の説教師》といったブーストユニットや、《収税官》《ブロクヴァルの狩人》のようなエンジンユニットです。4コストユニットを全く採用しないデッキも珍しいので、雑に採用しても仕事をします。

《月の粉》《北風》《ディメリティウム爆弾》《爆弾作り》
4ダメージと付随効果を持ったダメージスペシャルカード。
《月の粉》は守護者に対して有効です。
《北風》は《マドック》や《サキュバス》をはじめとする後のラウンドで使いまわされるであろうユニットに有効です。
《ディメリティウム爆弾》は必須となるタイミングこそシビアですが、《全てを知る魔女》の継戦付与先に対して先に遮蔽を付与したり《失敗した実験体》に使用して命令効果を使えなくさせたりと、局所的ではありますが特別有効となるタイミングがあります。《爆弾作り》は移動効果がそもそも強いです。列指定カードを純粋に退けたり《剣歯虎》を避けて横並びになったユニットを引き摺り出したりと仕事が多いです。

《小縮魔術》《胞子》
初期化効果を持ったスペシャルカード。
《小縮魔術》は同時に封印効果も持っているためそちらの用途もありますが、基本的には多量にブーストしたユニットへ使用します。低コストカードですが場合によっては50点以上出すこともあり侮れません。
《胞子》も同様です。

これら全てを採用する事はできないため、当然その環境にあった構築が必要となります。ただしデッキの改造を頻繁にしてしまうと他カードのプレイングやタイミングの反省を見落としがちになるのでそこも頭の片隅に入れておきましょう。

最後に簡単なプレイング指南です。罠は使っていくにつれ手に馴染んでいくカードだと思うので、慣れてきたら自分の直感や経験をあてにしてください!

・ユニットの間に置く事で常に《マハカムの角笛》を意識させる。逆に関係のない所に置く事で《マハカムの角笛》と意識させない。
・《ハットリ》からプレイする罠は読まれずらいためとても強いが、とりわけ、《ハットリ》からプレイするゲーム中まだ一度も使用していない罠が本当に強いため、展開を滞らせるための一手にはもってこいです。
・3R以外のタイミングで罠を連続で設置すると大抵相手は弱いユニットで適当に踏んできます。しかし敢えて罠を置かないターンを用意することで、相手に大型ユニットやスペシャルカードを使わせるタイミングを誘えます。その後出てきたユニットを除去カードで破壊していくことでゲームをよりコントロールできます。
・《毒蛇の罠》は余程の事がない限りは、常に伏兵効果の方がバリューが出る事を念頭に置きましょう。
・次にスペシャルカードを使用してくるタイミングはある程度見極められます。そこに合わせて《毒蛇の罠》を設置する事を意識しましょう。
・ラストセイでは高コストユニットを出す場合が多いため《落とし穴の罠》のバリューを上げるにはラウンド終盤のプレイが効果的です。
・守護者を立てた次のターンに高コストユニットを出す場合が多いので《落とし穴の罠》のバリューを上げるにはもってこいのタイミングですが、相手も《落とし穴の罠》を読んでいる可能性が高いため、敢えて《火炎の罠》を仕込むプレイングはそこそこ有効です。ただしできれば守護者は浄化、破壊した方がその後のプレイが楽です。
・罠ミラーでは《圧殺の罠》や《落とし穴の罠》をラストセイもしくはラストセイひとつ手前でプレイすると効果的な場合が多いです。
・先攻1ターン目の《毒蛇の罠》は夢占いで踏まれる可能性があるため推奨しません。

終わりに

…はいっ。長々と書きましたがこれが現状罠カードへの所感です。推敲している途中にグウェントフィニティプロジェクトの発表を受け、カード追加が終わる前に何としてでも何か一つ罠について残せたらと思い、より一層心をこめて書きました。もし質問や構築について質問等ありましたら答えられる範囲で答えます!ただし爪と短剣の新規カードとリワーク次第ではまた内容を書き足す必要も出てきそうなので、また書くかもです。
ではでは、皆様により良い罠ライフがありますよう。

用語集

・1R/2R/3R
それぞれ1ラウンド目、2ラウンド目、3ラウンド目のこと。

・ロング
ロングラウンドのこと。5〜10枚の手札を使用するラウンドはロングと認識しています。

・ショート
ショートラウンドのこと。1〜4枚の手札を使用するラウンドはショートと認識しています。

・ラストセイ
ゲーム中最後となる手番のこと。

・プッシュ
1Rを取ったのち、2R目でブリーディングすること。

・ブリーディング
相手の戦力を削ぎ落とす(強いカードを使わせる)戦略のこと。

・バリュー
戦力値に換算される点数のこと。

・サーチ
デッキからプレイすること。《夢占い》や《勅令》がサーチ系スペシャルカードにあたいする。

・コントロール
ゲームをコントロール(制御)すること。すなわちダメージ系スペシャルカードや封印といった効果で相手のしたい動きを通さないようにすること。

・ハイテンポカード/ハイテンポプレイ
1ターンに出せる点数が非常に高いカード、またはそれを用いたプレイのこと。

・メタカード
特定の敵にのみ通用するカードのこと。カードゲームにおいてはTierリストに入ってるようなデッキをメタデッキと呼び、それらにのみ特別有効なカードをメタカードと呼ぶ。

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