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「おじい!見て、ハナジロのやつが現れたんだ!」三鷹の森ジブリ美術館で企画展示「未来少年コナン」展―漫画映画の魅力にせまる!―が開催中!館長の企画から実現した展示の魅力に迫る!

〇いざ、三鷹の森ジブリ美術館へ!

今回は、三鷹の森ジブリ美術館にお邪魔してきました。三鷹の森ジブリ美術館では、企画展示「未来少年コナン」展を開催中です。
JR吉祥寺駅から、井の頭公園に向かいます。

途中にある標識でもうワクワクします!
スワンに見つめられながら進みます。

さあ、あともう少しです!ちょっとしたウォーキングになりますね!
※詳しいアクセス方法は三鷹の森ジブリ美術館公式HPをご覧ください。


着きました!


受付⁈につくと、大きなトトロが出迎えてくれました。こんにちは!

〇「未来少年コナン」展について

「未来少年コナン」あらすじ
最終戦争で地球は荒廃し、人類は絶滅の危機に…。20年後ようやく自然がよみがえってきた世界。「のこされ島」には、おじいとコナンが二人だけで暮らしていたが、ある日少女ラナが島に流れ着く。他にも人間が生きていることを知って喜ぶが、科学都市インダストリアの兵士たちがやってきて、ラナはさらわれてしまう。ラナを助けるため、コナンの大冒険が始まる…。

「未来少年コナン」(1978年4月4日~10月31日まで、NHK総合テレビにて毎週火曜日夜7時30分から放送・全26話)は、宮崎駿監督の初監督作品である連続テレビアニメーションシリーズです。当時37歳だった宮崎駿さんは、『残された人びと』という原作の全編に貫かれている暗いイメージには沿わず、原作を大幅に変えても良いという条件で、初の監督を引き受けました。全面的に改定された物語には、キャラクターデザインと作画監督に大塚康夫さんを抜擢し、青い空と海のもと、ひたすら明るく、信念に基づいて行動する主人公を生み出しました。

今回の企画展示「未来少年コナン」展は、三鷹の森ジブリ美術館の安西館長自らの企画で実現しました。ジブリ広報の小林一美さんに案内していただき、ちょこっと裏話、も教えて頂きました。

館長就任以前は展示のディレクションを担当され、これまであらゆる展示に関わってきた安西館長。「未来少年コナン」の放送当時、中学生だった安西館長は、毎週コナンに夢中だったそうです。

見ている人が物語の主人公になりきり、思う存分に動き回った気分になる"漫画映画"。いろいろな"漫画映画"がありますが、これが宮崎駿監督流の"漫画映画"の特徴だ、といえる点を整理したものが今回の展示です。

―展示でご紹介している宮崎さんの漫画映画らしい特徴は、<魅力的なキャラクターたち>、<ストレートなセリフの多さ>、<ギャグ・ユーモア>、<「足の指で鼻をほじる」(第2話「旅立ち」)などのありえないような動き>などがあります。壁を走ることなども、現実にはありえないのに、動きが面白くアニメートされているので、なぜか見ているうちに自然と受け入れてしまう。(小林さん)

そんな"漫画映画"の要素を詳しく紹介し、魅力をぎゅっと詰め込んだのが、今回の展示です。
全部はお伝えしきれませんが、少しでも、「未来少年コナン」展を一緒にお楽しみ頂けるとうれしいです。

〇いよいよ、展示室紹介

さっそく、企画展示室に行ってみると…!!遠くからでも目立つ、あの鼻先は…!!

「未来少年コナン」第一話に登場するサメ、ハナジロです!
近づいてみるとその迫力に驚きます。
「未来少年コナン」展だけでなく、ジブリ美術館では、「子供の目線から見た展示」に、とても工夫が凝らされており、こちらのハナジロも、子供の目線から見ると…

・・・・こわい!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お子さんが泣き出さないように、手を握ってあげてくださいね。
確かに、これにはラナも再び気を失いますね。

入り口には、物語の各所で大事な役割を果たしてくれる、アジサシたちも羽ばたいています。
コナンとラナの出会いを思い出しながら先に進みます。

〇動きも見せたい

―この作品はやっぱり動きが面白いので、静止画を展示するだけではその魅力があんまり伝わらないんじゃないかと思い、モニターを付けました。当時の画角で、どうしても動きを見てもらいたいシーンを数秒ずつ映しています。(小林さん)


―宮崎さんと作画・大塚康夫さんがしゃべっている様子を、館長の安西が見る機会があり、「コナンとジムシーだ!」って思ったそうです(笑)(小林さん)

〇のこされ島のレプリカ模型です。


―立体物も、低い位置に置いてあり、間近でしげしげと見れるようになっています。子どもが興味をもって指を突っ込み壊れるくらいのほうが宮崎さんは喜ぶのですが、その分、スタッフはいつもハラハラしています(笑)(小林さん)

設定資料通りにロケットの中にお水が溜まってたり、魚が干してあったりと、細かい部分まで再現してあります。(島をコンパクトにみられるように、島全体とロケットの対比は少し設定と異なっています。)

そしてこちらはバラクーダ号。

―設定資料に忠実に作ったところ、宮崎さんが模型を見て「そうか、この船はこうなってるんだな。ここが失敗した。」(コナンとジムシーがプラスチップを平らにした部屋)と言っていました。宮崎さんは、船とか帆船などにとっても詳しくて。波で揺れた時に中身が全部どっちかに偏ってしまって大変なので、こんなに広い部屋があるのは船にはあり得ない、本当だったら小さくしておくべきなのに、アニメではこうなってしまっていたと話していました。(小林さん)

第8話「逃亡」のシーンも細かく再現されています!


こちらは、大きなロボノイドです!

―残念ながら乗れないんですけど、レバーは動くようになっていて、触っても大丈夫です。(小林さん)

レバーが前後に動かせるようになっています!ああ、乗りたい…!!

次に目に入るのは、インダストリアの模型です。

―これも宮崎さんが見て、「こうなってたんですね」と言っていました。資料でもちろん描かれているんですけど、立体で見て初めて、地下都市はこうなっていたのかと。
宮崎さんの科学とつじつまを合わせている部分と、アニメーションの極端にデフォルメというか、うそついている部分は、面白いですよね。上にある太陽エネルギーを集めている部分が、平らなのか、湾曲しているのかで、展示制作の時にスタッフたちがこの作品への愛情と深い知識を言い合いながらもめていました。(笑)結局、この展示されている模型はちょっと湾曲させています。(小林さん)


次に…見逃してしまいそうですが、上を見上げてください!

第6話「ダイスの反逆」の、ラナを抱きかかえて飛び降りるコナンが再現されています!
着地の時の、ビリビリと全身がトゲトゲになるシーンは印象的ですね!


―今では珍しいダイレクトなラナとコナンの愛情表現が印象的な第8話の絵コンテを手に取ってご覧いただけます。(小林さん)

フライング・マシンの細かい設備もしっかり作ってあってすごいです!自動車でいうところのエアコンとかがありそうなところまで再現されています。

―未来少年コナンが放映されていた当時は、SFブームでした。建物や乗り物もすごく凝ってるけど、シンプルでありそうなもの。でも、こんな単純な機械で動くわけがないと思わせないように描かれています。スイッチが入ると赤い部分が増えていく機械の様子を表現していたり。
フライング・マシンの表面がなんでこんなにつるっとしてるかというと、毎週放映するのに、描きやすいようにしたそうです。それでも機械を操作する部分がどうなってるかはちゃんと考えていますね。(小林さん)


ちょっとした「コメント」も、スタッフの皆さんのユーモアにあふれていて、見ていて面白いものばかりです。ご注目下さい!

〇そして、場面は第2室のハイハーバーに移ります。


緑豊かな雰囲気になっています。


イメージボードも手に取ってゆっくり見ることが出来ますよ!


三角塔が太陽塔に代わる場面です!


―「未来少年コナン」展のマスコミ向け内覧会の時に、当時アニメーターとして関わっていた方や制作進行をされていた方をお招きしてトークショーをやったんです。今は大ベテランの方たちですけど、当時は新人としてどうしてもコナンに参加したかったというお話をされていました。大塚さんと一緒に仕事をしたかったという思い出を話されていました。

コナンはものすごく顔が変わるんですけど、大塚さんは、あんまり修正を加えないで、伸び縮みがあってオッケーだからと。ジムシーなんて全然違う顔の時があるけど、それを許容してくれる大塚さんという人を尊敬してたし、大好きで、大塚さんに直されるんだったら怒らなかったとか…そういうお話をされていました。今とは違うおおらかな時代で、顔が違うキャラクターを展示の中でみつけるのも面白いですよね。

普通、アニメーターの方は自分の絵が直されると残念な気持ちもあるはずですが、動きに関しても、大塚さんが直すともっと面白くなったり良くなったりするから、誰も怒らなかった。大塚さんはそういう人だったと話されていました。(小林さん)

小林さん、なかなか知ることのできない、楽しいお話をお聞かせ頂きありがとうございました!

〇未来少年コナングッズの紹介

グッズショップ「マンマユート」にも、是非立ち寄ってみてください!
未来少年コナングッズがたくさんそろっています!

お気に入りのグッズを見つけてくださいね!

「迷子になろうよ、いっしょに。」三鷹の森ジブリ美術館のチケットは日時指定の予約制です。「未来少年コナン」展のみのチケットはありません。平日がねらい目ですよ!

※三鷹の森ジブリ美術館内は撮影禁止となっています。今回は特別に許可を得て撮影させて頂きました。

【「未来少年コナン」展】


期間: 2022年5月28日(土)~2023年11月(予定)

三鷹の森ジブリ美術館にて、2022年5月28日から始まった開催中の企画展示「未来少年コナン」展は、多くのファンのみなさんから熱い思いが寄せられています。

これまでの企画展示は1年間で新展示に切り替えていましたが、今回の展示をできるだけ多くのお客さまにご覧いただきたく、改めて会期を見直し、このたび、来年11月まで会期を半年間延長することに決定いたしました。

来年4月は、テレビアニメーションシリーズ『未来少年コナン』(1978年)の放映から45周年を迎えます。引き続き、足をお運びください。

また、1978年『未来少年コナン』初放送から45年後の2023年4月4日、三鷹の森ジブリ美術館にて、一日限りのご招待イベント<熱きコナンファンよ 集え!>を開催することになりました。参加者を募集中です。詳しくは、三鷹の森ジブリ美術館のHPをチェックしてみてくださいね!

 

今見ても、その魅力的なキャラクターたちの世界に引き込まれる作品「未来少年コナン」。
YouTube「アニメログ」にて全話無料にてご覧頂けます。
是非ご覧ください!


© NIPPON ANIMATION CO., LTD. © Studio Ghibli © Museo d'Arte Ghibli

取材:村岡 佑哉・miho nishikata


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