見出し画像

【もっと知りたい!日アニ調査隊Vol.6】あなたの推しキャラは誰ですか?2.5次元ミュージカルを支える人々・ネルケプランニングの舞台作りに込める想い

「ちびまる子ちゃん」の原作35周年記念企画のラストをかざる舞台化作品「ちびまる子ちゃん THE STAGE『はいすくーるでいず』」(以下、まるステ)が、いよいよ12月15日(木)からスタートします。そんなまるステを作り上げたのは、数々の名作舞台を世に送り出してきたネルケプランニング。今回は、同社のプロデューサー 下泉さやかさんにお仕事と舞台作りに込める想いを聞きました。

プロデューサーの仕事とは

_プロデューサーの仕事内容を教えてください

下泉さん
色々な形で立ち上がった企画を形にすることから始まって、千秋楽までどういう形で公演を作っていくかの大きな道筋を作る仕事だと思っています。

_ゼロからスタートして、舞台と一緒に走りきるお仕事ということですね

下泉さん
そうですね。どんな方法で、どんな舞台にするかというところから、どんなグッズを出そうかとか、配信やライブビューイングの有無まで、舞台に付随するものを取りまとめる感じです。

_取りまとめるというのは、ディレクションとは違うのでしょうか?

下泉さん
グッズチームや宣伝チーム、制作部などの部署と、それぞれのプロジェクトで実施することを相談していきながら決めます。主に自分で動く部分だと、舞台をどんな風に作るかの判断を演出家と一緒に決めていくことですかね。ただ私自身は、クリエイティブ部分のことは何もできないし、作れないので、全体の舵取りをするようなイメージです。

_同時に何作品くらい担当されているんですか?

下泉さん
時期によって差はもちろんありますが、直近の2~3カ月では4作品担当しました。

_全体の舵取りをする仕事でその量だと混乱してしまいそうですね。気を付けていることはありますか?

下泉さん
自分が言ったことやメンバーから聞いたことを忘れないようにしようと気を付けています。一緒に働いているメンバーが「あの人は忙しいからしょうがないよね」って思わないように、一緒にやっていて気持ちよく働けるようにしようと心がけてはいます…実践できているかどうかは別です(笑)

_スタッフの方から「下泉さんはいつも冷静に判断していてすごい」と聞きました。何か秘訣があるんですか?

下泉さん
焦れば焦るほどうまくいかないと思っています。仕事じゃなくても、遅刻しそうな時とかは焦れば焦るほどトラブルが起こりやすくなるんですよ。転んだりして。そんな状況でも、焦らなければ最小限にとどめられるっていう。我が家には小さな子どもが3人いるんです、男の子が。焦ったら一日中焦らないといけないことばかりなんですよね。救急車も何度も呼んでるし。子育ての経験から、トラブルが起きた時に焦ってもいいことがないってインプットされていて。もちろん最初は焦るんですよ。ただ行動するまでに一度立ち止まって、焦らないように心がけています。

_プロデューサーにはぴったりですね

下泉さん
けどそれは対応してくれるメンバーがいてこそです。舞台を作る大前提がチームなんですよ。作品を作るのにキャストとスタッフが必要なのと同じように、制作側の仕事としてもチームが必要なんですよね。メンバーがいなかったらできないし、やっぱりチームワークが重要です。

作品探し

_この作品を舞台化してみたいと思うきっかけなどはありますか?

下泉さん
これはほんとに人それぞれだと思いますが、原作があるものでという前提でなら、私は割とストーリーに注目しています。舞台にした時に面白くなるかというところでピンとくるかこないか。

_「ちびまる子ちゃん」という作品の舞台化について、特別な想いなどがありましたら教えてください

下泉さん
実は私、子ども時代は漫画やアニメ、ゲームとかにほとんど触れてこなかったんですよ。もともとミュージカルっ子で、小学校から高校まで演劇部、大学ではミュージカルをやっていました。

そんな子どもだった私でも「ちびまる子ちゃん」は本当に大好きな漫画でした。企画が動き出したとき、タイトル案が英語表記だったんです。けどどうしてもひらがなにしたくて「はいすくーるでいず」にしました。「ちびまる子ちゃん」の舞台のタイトルは絶対ひらがな!という根拠のない確信と個人的なこだわりですが(笑)


舞台上演まで

_1つの舞台にどれくらいの準備期間が必要なんですか?

下泉さん
舞台って始動が早いんですよ。ネルケプランニングのように自分たちの劇場を持たない場合、劇場を決めないといけないというのが大前提にあるので。
色々なパターンがありますけど、大体2、3年先のスケジュールで劇場を決めるところから始まります。上演の1年半~2年前くらいから企画を具体的に動かし始めて、一番ボリューミーなのは3ヵ月くらい前の段階です。脚本が出来上がると各スタッフとの打ち合わせが始まって、音楽なども作って。諸々の素材がそろっている状態で、約1ヶ月前くらいから稽古がスタートします。

まるステは脚本の製作が動き出してから1年くらい準備していました。最初は、設定を8年後にするかどうかからのスタートだったので、他の作品より少し時間がかかった気がします。

小林顕作さんの演出

_小林顕作さんの演出で「ちびまる子ちゃん」がどんな風になるのか楽しみです

下泉さん
めっちゃくちゃ面白い作品になっています。小林顕作さんは、愛にあふれたエンターテイナーなので、とにかくエンタメとして面白いと思います。ベースは「ちびまる子ちゃん」ですが、ストーリーはオリジナルで作らせていただいたものでドラマとしての面白みももちろんあるんですけど、「あ、そこで踊るの?」みたいなエンタメ感がすごいなって思います。

_意外性のある演出なんですか?

下泉さん
意外性というか…。小林顕作さんって天才なんだなって稽古場で思うんです。ひらめかれるんですよね。「ここ見えたから」っておっしゃって。「え、どういうことだろう」って思うようなことが、見えてるんですよ。実際にそれをやってみたら面白いし、何を見せたいかがよくわかるシーンになってるんですよね。本当にそんなところで、そんなことをするって発想が誰にもないから、やっぱり天才だって。


演出家・小林顕作さん

まるステの見どころ

_まるステの見どころを教えてください。

下泉さん
キャストの皆さんが演じるキャラクターですね。すごくキャラクターを研究してるんだなって稽古の初日から本当に伝わってきて。読み合わせをした時に、モノマネじゃないけどちゃんとそのキャラであることがわかるんですよ。アニメを彷彿とさせるというか、みんなが思い描いているそれぞれのキャラクターのイメージを壊しすぎない。でもモノマネじゃないっていう、すごく絶妙なバランスで演じていて、それがすごく面白いです。本当に8年後だって思って観られますし、歌とダンスとかのパフォーマンスがいっぱいあるので、観ていてお得だなって思います。

_30年以上のアニメ放送を通してイメージが出来上がっている作品の8年後なので、モノマネはできないし、キャラクター作りが難しいだろうなと思っていました

下泉さん
みんな探り探り構築してるんだろうなとは思うんですけど、ちゃんと8年後だなって感じがします。成長しつつ、キャラクターとしてのベースはちゃんとあるっていう。

今回は芸達者な役者さんが多いです。3年4組の男の子たちだけでなく、オリジナルキャラもいるんですが、みんなふり幅が広いっていうか。振り切ったこともできるし、かっこいいこともできるし。なおかつ人間味があって。作られているというよりは、本人たちの人間的な良い部分を小林顕作さんがすごく引っ張って、拡張して見せてくれるので。

_下泉さんの推しキャラはいたりしますか?

下泉さん
推しキャラという意味では、シーンごとに違うって感じですね。このシーンはこの人に注目してほしいみたいなのが平等にあって。このシーンのこの人の表情が面白いとか、細かく色々あります。

企画が立ち上がった本当に初期には、3年4組の男の子たちがサラリーマンになったら…?という設定案もありました。
でもキラキラした世界にしたかったので、高校生の設定にして、青春といえば!の発想で、喧嘩や将来の不安みたいな要素を入れていきました。

_「ちびまる子ちゃん」は1970年代のノスタルジックな雰囲気の作品ですが、そこに誰もが共感できる青春の要素が加わって、エモい感じになってるんですね

感想


まるステの上演が目前に迫り、舞台稽古も山場を迎えています。まるステの第2部は、原作「ちびまる子ちゃん」に登場する楽曲を中心とした『まるステ ザ・歌謡ショー』をお届けします。2曲オリジナル曲があるのですが、エンディングで歌う曲は小林顕作さんの発案。

もともと曲が入る予定ではなかったシーンで、稽古中に「1曲歌っていい?」って聞かれて、翌日には曲ができていたそうです。さすが天才!2部の歌謡ショーでどの曲を誰が歌うかにも注目です!

【第2部「まるステ ザ・歌謡ショー」セットリスト】

1.山本リンダメドレー どうにもとまらない/狙いうち
2.なみだの操(殿さまキングス)
3.傷だらけのローラ(西城秀樹)
4.イルカにのった少年(城みちる)
5.プレイバックPart2(山口百恵)
6.さよなら(オフコース)
7.クリスマスメドレー ジングルベル/あわてんぼうのサンタクロース/
クリスマス・イブ(山下達郎)/恋人がサンタクロース(松任谷由実)
8.また明日(オリジナル曲)

【ちびまる子ちゃん THE STAGE『はいすくーるでいず』 公演概要】


<公演名>「ちびまる子ちゃん」原作35周年記念公演 ちびまる子ちゃん THE STAGE 『はいすくーるでいず』
<公演期間・劇場> 2022 年 1 2 月 15 日(木)~12 月 25 日(日) 天王洲 銀河劇場
※3歳以下入場不可
<原作> 「ちびまる子ちゃん」さくらももこ(集英社刊)
<演出> 小林顕作
<脚本> 玉川双来
<出演>
花輪和彦(花輪クン):佐奈宏紀 丸尾末男(丸尾君):佐川大樹 浜崎のりたか(はまじ):松島勇之介 藤木 茂(藤木君):矢田悠祐 永沢君男(永沢君):佐藤永典 富田太郎(ブー太郎):原嶋元久 小杉 太(小杉君):川﨑優作 山根つよし(山根君):石川凌雅/大野けんいち(大野君):橋本祥平 杉山さとし(杉山君):GAKU/
青木 翔:石田 隼 黒岩 準:後藤 大 白田 嵐:福島海太/
アンサンブル:境 秀人 高橋陸人 齋藤一誠 松本建吾/
西城秀治(ヒデじい):大高洋夫 金井先生:大堀こういち 大野君のお爺ちゃん:酒井敏也
<協力> 一般社団法人 日本 2.5 次元ミュージカル協会
<協賛> ローソンチケット
<主催> ネルケプランニング
<チケット料金> 9,500 円(全席指定/税込)
<チケットに関するお問い合わせ> Mitt TEL:03-6265-3201(平日12:00~17:00)
<公演に関するお問い合わせ> ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/

<舞台公式Webサイト>

〇Streaming+でのライブ配信も予定しています。イベント割も適用されますので、この機会に是非お楽しみください!
【対象公演】
①2022年12月15日(木)19:00
②2022年12月25日(日)13:00
③2022年12月25日(日)17:00
【販売価格】
各公演 3,040円(税込)
※イベント割適用価格(通常価格3,800円から20%OFF)
※別途システム利用料が発生いたします。
※詳しくは購入ページをご確認ください。
【販売期間】
12月1日(木)14:00~
①2022年12月21日(水)20:00まで
②③2022年12月31日(土) 20:00まで
【購入ページ】https://eplus.jp/st-chibimaruko-stage/

取材:村岡 佑哉・miho nishikata

© NIPPON ANIMATION CO., LTD.

いいなと思ったら応援しよう!