【もっと知りたい!日アニ調査隊 Vol.12】多治見市は国産タイル生産量日本一!カラフルなタイルはこうして生まれる!モザイクタイルの魅力に迫る!
みなさんこんにちは!「永見夏子とモザイク展」後期【モザイクアーティストとの共鳴】が多治見市モザイクタイルミュージアムにて開催中です。
★「永見夏子とモザイク展」後期【モザイクアーティストとの共鳴】多治見市モザイクタイルミュージアムにて開催中!note記事はこちら
今回は、「永見夏子とモザイク展」の作品にもたくさん使われている、「モザイクタイル」について、日アニ調査隊が徹底調査!
〇身近なところにあるタイル
みなさん、モザイクタイルで出来たアートと言えば、何を思い浮かべますか?!
私が真っ先に思い浮かんだものは、銭湯の富士山のイラストです。
モザイクタイルは高温で焼き上げるので熱にも強く、濡れても耐久性がありとても丈夫なので、半永久的に使うことが出来、昔からお風呂場やトイレ、調理場などにも使用されてきました。現在では、耐久性もさることながら、その美しさや表現力にも注目されています。
「永見夏子とモザイク展」では、前期の作品づくりにも、たくさんのモザイクタイルを使用しました。
※「あらいぐまラスカル」に関する作品展示は前期のみで終了しています。あらかじめご了承ください。
〇モザイクタイルによるアートって?
最初にお伺いしたのは、モザイクタイルの製造から、モザイクタイルアートの制作を多数行っている、山周セラミック。
全国から様々な注文を受け、モザイクタイルアートでその複雑な表現を形にしています。
山周セラミックのモザイクタイル(10ミリ角)では89色でデザインを表現することが出来ます。写真やイラストをもとに、コンピューターを使ってモザイクタイルの図案を準備します。その図案に忠実に、目地板(めじばん)のマス目に指定された色のモザイクタイルを配置していきます。
とても大変な、根気のいる細かい手作業です。シートごとにデザインを表現されたモザイクタイルは、表にのりを塗って紙を貼り、乾いたところを板から外した状態で全国へ旅立っていきます。
こちらは、10ミリ角モザイクタイルによる実際の施工例です。大阪・淀屋橋にあるお店の壁面をモザイクタイルアートで装飾しています。施工面積が広いほど、表現力が高くなるそうです。
こちらは10㎜丸型タイルでつくった展示会用のモザイクタイルアートです。39色のタイルを並べていますが、とてもカラフルで色の並びによって印象が変わるのが何とも不思議ですね。
そしてこちらは、見る角度によって絵が変わる、不思議な絵!
山周セラミックの長江様、安田様、大変わかりやすいご説明をありがとうございました!
【山周セラミック有限会社HP】
〇タイルの製造工程
続いて、杉浦製陶株式会社のタイル工場をご案内頂きました。
こちらでは、タイルの製造工程をすべて社内工場で行っています。
今回はその工程をご案内頂きました。
① 原料となる粘土や陶土など、十数種類の原料を粉砕・調合し作り上げた粉状のタイルの原料です。こちらをプレス機で形にしていきます。
この段階では、大変もろく、少し力を加えるだけで、クッキーのようにパキッと割れてしまいます。
② この成形されたタイルの原料に、釉薬をかけていきます。
すらっと並べられた成形タイルたちに、スプレーで釉薬が噴射されます。
③ 釉薬が施された成形タイルは、「トンネル窯」というなが~~~~い窯でじ~~~~っくりと焼かれて行きます。
その温度は、なんと!!一番高いところで1270度にもなります。
窯の外にいても、熱さを感じることが出来ました。
工場をご案内頂いた杉浦製陶株式会社の林様、ありがとうございました!
杉浦製陶さんでは、定期的に工場見学やワークショップなども行っているそうなので、是非HPをチェックしてみてください。
【杉浦製陶株式会社HP】
今回のモザイクタイルとの出会いで、創造のイメージが広がった永見夏子。
現在携わっている、東京衛生アドベンチスト病院(東京都杉並区・1929年に開設)の小児病棟内のデザインに、モザイクタイルを使用することを検討しています。
〇編集後記
タイルは、そのひとつひとつの美しさも素晴らしいのですが、組み合わせや並べ方で何通りにもデザインが変わり、印象も変わってくるのが何とも魅力的です。シンプルな壁の魅力もありますが、タイルで作りこまれた壁の温かみと癒し効果は、世界で愛される日本の伝統文化の魅力の一つと言えるでしょう。ツルツルとしたタイルの表面は、いつまでも触っていられるくらい心地良いものです。生活のどこかに、タイルを取り入れてみたい…!そう思わずにはいられない数々の出会いがありました。
そして、後日談…
ふと、歩いていると、今まで何気なく見ていた部分がモザイクタイルで装飾されているものだったり…!タイルを見つけるとうれしくなってしまう毎日を過ごしています。
こんなところにも!!
みなさんも、歩きながら、タイルを探してみてくださいね。
取材・文:miho nishikata
©NIPPON ANIMATION CO.,LTD.
Special Thanks:多治見市産業観光課