隠れた針穴
時間が経って忘れてしまうことが多くて
何を流して何を留めるかの瀬戸際を散歩している
小難しく考えるよりも楽しむことが何よりと他人は言う
有限の中にある永遠と虚無をざっと炒めて
軽く味付けしてよく噛んで飲み込んだら
隠れた針穴が顔を出す
糸は確か2段目の引き出しか
クローゼットの小物入れに
それともいつか見切りをつけて
ノールックスローで捨ててしまったっけ
誰かが私を覚えてくれているように
私は私を覚えていられないけど
もうちょっとだけ目を凝らして
手繰り寄せた先の幸運に触れよう
探していた答えの糸口が
きっとそこにはあると信じて