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もらとりあむこらむ 「ママとわたし」

こんばんは。
現在大学2年生。本を読むことが好きな19歳女性です。
「もらとりあむこらむ」なんて名前を付けてしまいましたが、個人的には自分の過去とか周りに捕らわれて「もう生きていたくない」なんて思う深夜に読んでほしいなんて思っています。
明るいアドバイスなんてできないし、むしろアドバイス欲しいぐらいだけれど、「わたしだけじゃない」って思うことってきっと大事なことだから。

ママの理想のおんなのこ

最初に言っておくと、私の母は私が嫌いなわけではありません。ただ私がママの理想のおんなのこになれなかったので少し距離があるというだけです。それ以外は普通の母娘をしています。私もママが嫌いなわけじゃありません。

私は昔から「女の子らしく」が苦手でした。
男の子になりたいとかそういう訳ではなく、自分を男か女か二分することができなかったんです。だから幼いころは「男でも女でもどっちでもいい」という風に考えていたことが多かった気がします。

しかし私の母は「女の子らしいかわいげのあるおんなのこ」に育てたかったようです。長くて綺麗な髪に、フリルのついた可愛らしいお洋服。いつもニコニコ笑っていて、誰にでも優しい「おんなのこ」。

しかし残念ながら私は、ママの理想のおんなのこになることができませんでした。私は長い髪は嫌いで髪は短く切ってしまったし、フリルの着いたお洋服を苦手で、感情が表情に出にくいうえに、誰にでも優しくはできませんでした。

女の子を好きになった娘と普通を望むママ

そんなこんなで高校1年生のときです。
私は初めて人を好きになりました。相手は女の子でした。
お互い何も言わなかったけれど、いつしか隣にいる時間が増えて、登下校で手をつないだり、二人だけで夏祭りに行くぐらいの仲にはなっていました。

でもママは、私に「彼氏」ができることを望んでいたようです。
まあ、娘が女の子を好きになるなんて考えられないよね。

前述したように、ママは私が嫌いなわけではありません。
そのことは分かっていたので、もしかしたら笑顔で頷いてくれるんじゃないかと思って一言ママに言ったんです。

「わたし、女の子が好きかもしれない」


私もなんて馬鹿なんでしょう。これまでのママの様子を見れば分かり切っていたはずなのに、言っちゃいけないことを言ってしまいました。
そこからはもうよく覚えていません。
毎日、毎日、祖父母や父の目につかないところでひたすら尋問と否定を繰り返される日々でした。
「どうしてあなたはいつもそうなの。」
「〇〇(妹)は普通の女の子なのに。」
「私の育て方が間違っていたの?」

高校を卒業して以降、彼女とは連絡も取っていません。
連絡先も知りません。

母はこれで安心なようで、一人暮らしを始めた今でも時々「好きな人はできたの」と聞いてきます。

ごめんなさい。
私は彼女をどうしても忘れられません。

最後に

ママは私のことが嫌いなわけではありません。
ただ、少しでも私がママの「理想」から外れるとヒステリーになってしまうだけです。

私はこれから何年、ママの「理想」と戦わなければいけないのでしょう。
気が遠くなりそうです。

だから今日も、嫌いなフリルに袖を通します。


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