今年最初のご当地ドローイング取材
遅ればせながら、明けましておめでとう御座います。
いつもながら、年末年始も無休でアトリエにて油に塗れておりました。
で、早くも1月後半。
先日は今年最初のご当地ドローイング取材で山梨県と静岡県に行ってまいりました。
今回のご当地ドローイングのメインミッションは、これまで描いてきた春・夏・秋の甲府盆地シリーズの冬バージョンを描くことです。
当然ながらご当地ドローイングで冬の現場は天候に左右されます。
日程はかなり前から予定していましたが、雨や雪が降ってしまうと冬の現場では過酷極まってしまいます。
日頃の行いが良かったのか、幸いにもポカポカ陽気になってくれました。
で、
本番前に・・
実はあかり食堂さん、ただの食堂ではありません。
日本で今一番高級かもしれない日本酒があります。
なんと!、一合で14,400円!!
0一つ多くプリントしてしまっただけかと思いきや、山形の銘酒十四代さまが一合1440円では安いとも思いますが、さすがに14,400円は一升瓶の値段かと思ってしまいます。
十四代 中取り純米無濾過はネットで検索しても一升瓶で50000円くらいはするようですから、飲食店では一合で一万円越えも納得なのかもしれません。
しかしこれを注文するのは、よっぽど酔っ払って清水の舞台から飛び降りる勇気を持たないと・・
で、もちろん・・
やめときました。
さて、
ここからミッションスタートです。
地元民Cさまとランチしながら打ち合わせたポイントを目指します。
真っ黒なアルファードさまで田舎道を走ると、まるで国会議員の大先生が地方視察にでも来たかのような威圧感を放っているような変な気持ちにもなりますが・・乗り心地は最強です。
弓手の地元である奈良も盆地ですが、甲府盆地との違いは稲作の田んぼがほとんど無くて一面に葡萄畑や桃の木が広がっていることも特徴ですが、何と言っても3000m級のアルプスの山並みや角度によっては富士山だって望める圧倒的高さの山々に囲まれていることが新鮮です。
なんということでしょう!
野外での弓手式ドローイングでドライヤーを使うという初めての試みを、Cさまにご準備いただきました。
電源は・・
これで甲府盆地の四季シリーズが全て揃いました。
ところで、
この日は剪定された葡萄の木の小枝がよく乾いていて、野焼きするには絶妙なタイミングだったようで甲府盆地はその煙でかなり霞んでいましたが、山の向こう側に一際大きな狼煙が上がっているのが気になっていて・・
「あの山の向こうの野焼きは規模が違うなぁ〜」
って何気ない会話をしておりましたが・・
後で分かったのですが、実は山火事だったそうです。やたらと自衛隊のヘリコプターが飛んでいるなぁ〜と三人で話していたのに気づいてませんでした。
ですので、
そんな大変なことになっていたとも知らずに・・
カンペー!!
甲府盆地と言えば一面に広がる葡萄畑がありますから、普通は甲州ワインをいただくべきなのかもしれませんが、このお寿司屋さんの日本酒のラインナップが最強過ぎるので、実はその日本酒がお目当てで毎度お邪魔してたりします・・もちろんお料理も最強にお気に入りです。
+10くらいでもかなり辛口だと思いますが、+28のお味は泡盛みたいな濃厚な香りとお味でした。お酒大好物の三人でしたが、さすがに濃厚過ぎるお味ではありました。
翌朝。
この日も終日山梨県でご当地ドローイングの予定にしていましたが、甲府盆地は前日の山火事と盛大に野焼きをしてくれたおかげでアルプスも富士山も霞んで見えませんでした。
ので、
ちょっと足を伸ばして河口湖まで行くことにしました。
が・・
しかし、この時の外気温が4℃しかなくて、アクリル絵の具は5℃を下回ると固着しないという致命的な性質もあり、スマホ雨雲レーダーによると間もなく雨の予報でもあり、後ろ髪をを引かれながら甲府盆地に引き返す決断をいたしました。
冬のご当地ドローイングはやはり手強いです。
冬の甲府盆地の野焼きが風物詩であるのなら、その煙をメインに一枚描いてみようと考えました。
この日はさらに、冬のご当地ドローイング現場に最強のアイテムが加わりました。
ポータブル発電機によるドライヤーに加えて、カセットボンベ式のストーブまでCさまにご準備いただきました!!
冬のご当地ドローイング現場でもストーブでぽかぽかですから泡泡も激うまです。
が、
ドライヤー&ストーブがあると欲望はエスカレートしてしまう訳で・・
ストーブでぬくぬく贅沢にドローイングしながら、
「このストーブで熱燗したら最強やなぁ〜」
と弓手が呟いてしまったら・・
すいません。
「真冬のビールは緩くならへんから最高やわ!」
って呟いたら笑われました。
さてさて、
ストーブの上の熱燗の出来具合は・・
「この日本酒めちゃ美味いかも!!」
って呟いて、じっくり味わってみると、真冬現場のぬる燗だからというより、このお酒がそもそも美味いことに気づきました。
地元山梨県の「旦(だん)」というお酒です。
山梨県のお酒と言えば葡萄畑のイメージから甲州ワインの方が有名かもしれませんが、僅かな田んぼでお米も作られていて、山梨県の日本酒がここまで美味いとは驚きでした。
さて、
贅沢な環境で仕上げたドローイング作品は・・
葡萄棚の葉が盆地一面に紅葉していた秋にこの現場からも野焼きの煙があちこちに上がっていましたが、やはり冬の方が野焼きは本番のようで、この光景は全国的にも珍しい甲府盆地ご当地ならではのものだと思います。
秋の時にも同じく感じましたが、この煙を見ていると仁徳天皇の釜戸の煙の話をほのぼのと想い出しました・・民家の釜戸の煙が上がっていないことを心配した仁徳天皇が、民衆の暮らしが回復して一面に釜戸の煙が上がるまで6年間も無税にしたという・・野焼きの煙を眺めているとぽかぽかといい気持ちになれる気がしました。
縄文大好きな弓手的には、山梨県も縄文遺跡の宝庫であることから、
「・・あちこちに野焼きの煙が上がっているイメージは、縄文時代にもあちこちで土器を野焼きしていた光景もこんな感じだったかも・・」
って想像しておりました。
で、
縄文のクチになってしまいましたので、すぐ近くの釈迦堂博物館へ2回目の訪問をいたしました。
前にもバシャバシャ撮りまくりましたが・・
ついつい撮りまくろうとすると、ドローイング撮影で動画を撮り過ぎていてさすがのiPhoneも電池切れしてしまいここでストップ。
・・重文だらけの釈迦堂博物館で甲府盆地出土の縄文を堪能してから・・
弓手作品の大コレクターになってくださり有り難いです。
診察室にも・・
ということで、
2日目のシメのお店へ移動して・・またまた広寿司さんですが・・
もちろん日本酒を十四代さま(一合一万超えじやなくて千円代の方)を含めて5種類くらい堪能いたしました。
楽しい宴を終えて・・
前日の昼間の山火事が、実は24時間以上経ってもまだ消えていなかったようです。ですが、このタイミングくらいから雨が降ってきて鎮火したみたいです。
全国ニュースにはならなかったようですが、日本でも毎年多くの山火事が起こっているそうです。
爆睡して翌朝。
3日目は静岡へ行かなければならないミッションもあり、霧が消えるのを待つ時間はなくて一路静岡県へ。
昨年の1月に静岡で個展をした時に富士山をあちこちから取材しましたが、超定番の絶景スポットに行っていなかったことに後で気づきました。
静岡県日本平からの富士山です。
今の富士山の高さと形になったのは5000年前くらいの縄文時代の噴火以降らしいので、縄文人たちが最初にこの素晴らしい風景を眺めたのでしょう。
あの美的センス抜群の土器や土偶を作れた縄文人たちですから、この富士山の普遍の美しさに現代人と同じかそれ以上に感動していたと想像したらワクワクしてきます。
「すごいご馳走様を前にして何から手を付けようか迷う気分」
です。
ぽかぽか陽気とはいえ風は冷たくて、平日というのもありましたがこんな大絶景の有名スポットなのに制作中はほとんど観光客は来ませんでした。
しかし、前日まではストーブとドライヤーを野外で使えるという贅沢な環境でしたので、やはり冬の現場の厳しさを改めて実感しました。
やっぱり富士山って何回描いても飽きないですね〜
天候にも恵まれて、2泊3日の真冬の現場で納得のいく3枚を描けましたので、なかなか充実した今年最初のご当地ドローイング取材となりました。
やっぱりドライヤーとストーブって有り難いですね〜
で、
腹ごしらえしてから今回の最終ミッションへ・・
昨年1月に静岡では初めての個展をさせていただいた松坂屋さんに、ご挨拶と今後の打合せミッションがありました。
今年も個展をとのお話もありましたが、スケジュールが合わず、来年(2026年)で調整していただく予定です。
「できれば、富士山に雪が被っている季節で・・」
とお願いしてしまいました。
さて、
今年もこれからたくさんの展覧会予定があるので、アトリエに篭る日々に戻りました。
とりあえず直近では
・2/16(日)〜24(月)
Art Jam Takashimaya 2025
@osaka_takashimaya_official
・3/6(木)〜9(日)
Art Fair Tokyo 2025 @artfairtokyo
と、久しぶりに地元大阪(難波高島屋の催事場)での展覧会と、毎年の東京有楽町の国際フォーラムでのアートフェア東京があります。