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精油ものがたり(番外編)~梅~
立春が過ぎ、雪が降ったあとの関東地方は駆け足で春がやってきています。
町中を歩けば、梅の花がほころんで春風が甘い梅の香りを運んでいます。
今ではお花見といったら桜が定番ですが、その昔はお花見といえば梅見だったそうです。
梅は日本を代表する民間療法のひとつでもあります。
特に梅干しは夏バテ防止や疲労回復に美肌効果。
また殺菌作用や抗菌作用に優れていることから、夏場の食中毒対策にも欠かせない万能薬です。
鎮痛作用や鎮静作用の効果も期待でき、今の若い世代の人に言ったら笑われそうですが、私が子供の頃はおばあちゃんが梅干をこめかみに張って頭痛薬として使っていました。
梅干しを仕込む際にできる梅酢も優れモノで、私は梅酢を熱中症対策として、お水に梅酢とハチミツを入れたドリンクを夏の定番ドリンクとして愛飲しております。
そのように梅は私たち日本人に欠かせない植物ですが、今日はその香りにフォーカスしていきたいと思います。
梅の香り成分をみてみると、芳香族アルデヒド類のベンズアルデヒドを主成分とし、フェノール類のオイゲノール、エステル類の酢酸エチルや微量のラクトン類などから構成されています。
では、それらの成分で構成されている梅の香りは、どのような効果が期待できるのでしょうか。
私は春先の軽うつ症状に対しての効果が期待できると思います。
アルデヒド類やフェノール類の持つ神経強壮作用、免疫刺激作用に、エステル類の神経バランス作用、鎮静作用などが不安や心配といったこころの負担を軽やかにしてくれる働きがあります。
春は特に新生活を始める人にとっては、新しい生活環境への期待と不安。
こころも揺れ動く季節です。
また気温の変化が自律神経のバランスも崩しやすく、こころの作用にも影響をあたえます。
何ともいえない不安な感情におちいった時は、自然にふれ、花々を愛で、春の風に漂うその香りを嗅いでみてください。
こころの重荷も軽減されることでしょう。