見出し画像

植物の知性~ひとりごと~

ヌスビトハギ(盗人萩)をご存じですか?
植木屋さんにとっては、厄介な雑草の上位ランクにランキングされている草花でもあります。
初秋に群生で咲いている花はとてもきれいです。
でも厄介なのはその種。
わが家の庭にも9月の初旬に花を咲かせていたヌスビトハギ。
きれいなので、まあいいかっと、ついついそのまま放置した結果、その後大変な思いをしました(>_<)
ようやく涼しくなってきたころ、花が終わったヌスビトハギの群生に突っ込んで草刈りした私たちは夫婦は、そろって全身種だらけ!
衣類のあちこちに引っ付き、取れない!取れない!
(ヌスビトハギは別名ヒッツキムシという異名もあります)
どうにもならず、身に着けていた衣類は破棄することになった次第です。
これでは植木屋さんに嫌われても仕方ありません。

大変な思いはしましたが…反面、その賢さに感銘を受けてしまいました。
だって、人の衣類にくっついて生息した場所から離れたところに運んでもらい、そこで新たな生息地を作っていき子孫を増やしていくんですから。

風に乗って運ばれる種もあれば、虫たちに運ばれる種もあります。
ですが、私たち人間を利用して種を運ばせていくなんて、実に賢い。

また、ほかの厄介な雑草の中には地下に根を張り生息地を増やし、刺激を受けるごとにさらに強くなって生息地を増やしていく草もあります。

その代表格がドクダミです。
ドクダミは抜かれることによって、より根を強くしていき地下茎を太くする習性があります。
ですから、ドクダミは抜いてはいけません。
ドクダミを駆除しようと思ったら、そっと気づかれないように切るのが一番良いそうです。
ドクダミに気づかれないように…というところがすごい!
気づかれたら、さらに強くなってしまうということですね。
でも、その強さこそがドクダミのパワーです。
ドクダミ茶には私たちの体内に溜まった毒素を排出し、カラダの内側から整える働きがあります。
まさに土の中で強さを蓄えるドクダミならではの効能です。

そうして植物たちは、知恵を絞って子孫を増やしていきます。
そこには、人間のようにエゴはありません。
ただただ、種を絶やさないように、そしていかに生息地を増やしていくか…だけなのです。

その叡智こそが植物特有のパワーの源です。
アロマセラピーに携わっていると、どうしても興味の対象がハーブ関連の植物に偏りがちですが、身近に生えている名も知らない植物のなかには食用できる植物があったり、またオオバコのように昔から民間療法に使われる植物もあります。
古来より、私たちは身近な植物たちに支えられ共存してきました。
そのことを思い出し、新たな共存を築いていく時期に来ているのではないかと改めて感じます。

田舎に引っ越してきて、自然を身近に感じる反面、太陽光発電のパネルがあちこちに見られることに考えさせられます。
諸事情はあるかと思いますが、このような光景が本来の姿なのでしょうか?
植物たちの生息地が減っていくことは、動物たちの生息地も減らしていくことになります。

本来ならば人里離れた山奥に住んでいる動物たちが、町中まで現れる昨今の状況は動物たちが悪いのでしょうか?
私たち人間が彼らの生息地を狭めてないでしょうか?
私たちは一度立ち止まって、ひとりひとりが考えてみる。
そんな時期にきているのではないかと思っています。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?