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渇望

眠れない。暗闇のなかでざわざわした心だけが目立って目を閉じても治まらない。居てもたってもいられなくなってスマホを開いて書き散らしてる。なにがこんな気持ちにさせてるんだろう。複雑に絡まった感情のほつれを探していく。
しんどい。苦しい。どうして。なんで。どこ。いつ。吐きそう。動悸が。胸がつまる。きつい。落ち着いて。泣きそう。泣けない。涙が出ない。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。ああ、

さみしい。

さみしい。飼い犬に会えなくて友だちと話せなくてあの人から返信がこなくて。今誰も横に居てくれなくて。
寂しい。

独りなんて全然へっちゃらだと思ってたのに。いや、多分今も思ってるけど。でも本当は寂しい。
優しく話を聞いてくれる人がほしい。
全て肯定してくれる人がほしい。
眠る時は後ろから抱き締めてくれる人がほしい。
涙にいち早く気づいて慰めてくれる人がほしい。
我慢強すぎる心を溶かしてくれる人がほしい。

自分がこんなに他人の温もりを求めてるなんて思いもしなかった。健康な印なんだろうか。だとしてもつっかかってとれない針みたいに痛い。こんな気持ちにはなりたくない。
独りは慣れれば大して辛くはない。幸せそうな誰かを見ても、人はもとより皆孤独なのだからなどと真理を知った顔でやりすごせる。
けれど、ずっと孤独であるのと1度温かさを知ってしまった後に孤独になるのとは違う。

何時間やり取りしても飽きない彼。
毎晩肩を揉んでくれる父。
おもしろおかしく話せる友だち。
もふもふでちょっと頭の悪い犬。

思い返されて不意に肌寒さが気になり縮こまる。肌をさする手が自分の手以外にないことに気づいてまた目を伏せる。
心の中に巣食う感情の名前が「さみしい」であると気づけるのは、きっと愛情に包まれた過去を持つ人だけだ。

いつになったら満たせるのだろう。この心の隙間を今すぐにでも埋めたいのに、できない。それが苦しい。
ああああ

愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください愛をください


ぬくもりをください



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