六武衆新規の個別評価
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1.ごあいさつ
皆様、はじめまして。フウヨウハイと申します。大会実績も何もない三下のMD勢ですが、この度六武衆の新規に感動し、各カードの評価を書くに至りました。よろしくお願いします。
2.前提知識(既存の六武衆展開と弱点)
展開ルートについて
現代六武衆の展開の要は「六武衆の軍大将」(以下、軍大将と表記)です。召喚時に手札1枚をコストとして、武士道カウンターを置く効果を持つカードをサーチするリンク2のモンスターです。これで「六武の門」(以下、門と表記)をサーチするまでが大前提となる展開です。
軍大将を出すまでの中継点として、主に「聖騎士の追想 イゾルデ」と「M.X-セイバー インヴォーカー」があります。
「聖騎士の追想 イゾルデ」は軍大将より召喚条件が緩く、自身の効果で手札コストを確保しながら「影六武衆-フウマ」(以下、フウマと表記)を特殊召喚して軍大将に繋げます。また、結果としてフウマが墓地に落ちることと、六武衆の召喚回数が1回増えるのも重要です。
「M.X-セイバー インヴォーカー」は「SRベイゴマックス」を軍大将まで繋ぎながらサーチもする中継役です。効果で「影六武衆-キザル」(以下、キザルと表記)を特殊召喚すると、地属性以外の六武衆をサーチできるためベイゴマックスの価値がさらに上がります。
主なサーチ先は手札の六武衆を特殊召喚できる「真六武衆-カゲキ」(以下、カゲキと表記)や、墓地の六武衆を2枚除外して墓地から六武衆を蘇生する「影六武衆-ハツメ」(以下、ハツメと表記)です。イゾルデと同様に、結果的な六武衆の召喚回数の増加と墓地肥やしも重要です。
続いて、門をサーチした後の展開について説明します。
主に上振れとして発生する盤面が、軍大将+門+「紫炎の道場」(以下、道場と表記)or「六武院」(以下、院と表記)の3枚と、初動の武士道カウンターを4つ持った盤面です。この盤面では、「六武衆-キザン」(以下、キザンと表記)と「六武衆の師範」(以下、師範と表記)が軍大将のリンク先に無限に特殊召喚できます。
手札の要求値は門or道場or院+カゲキ+六武衆モンスターなので3枚初動です。門が制限であり、道場や院を積みすぎると動けないことを加味すると、体感ではそれなりの上振れに感じます。
この特殊召喚のループは至って単純で、キザンか師範が軍大将のリンク先に特殊召喚されると、武士道カウンターが軍大将に1つ、門に2つ、道場か院に1つ乗ります。これで合計4つの武士道カウンターが貯まるため、門の効果で続くキザンや師範をサーチできます。
仮に門が2枚だったり、門と道場と院が1枚ずつそろっていると、軍大将を気にせずにどこでも出し放題になります。だから、門を制限にしておく必要があったんですね。
この盤面で何が出てくるかというと、まずタダで「FNo.0 未来龍王ホープ」が出てきます。レベル4のキザンを出し放題なので、リソースを文字通り何一つ消費せずに未来龍王ホープが出ます。なんなら「六武衆の影-紫炎」を出せば武士道カウンターが増加します。
道場やハツメでフウマを出せば、フウマ+キザン+師範でバロネス、フウマ+ハツメ(カゲキ)+キザンでヴァレルロード・S・ドラゴンが出てきます。「真六武衆-シエン」は武士道カウンターが足りないときのサポートです。
他にも深淵に潜む者やS:Pリトルナイトを出したのちに、最後に軍大将+キザン+師範でアポロウーサを出して展開が終了します。ここまで回れば5~6妨害くらいはあるでしょう。
道場や院のない状況でも、ベイゴマックス初動の展開で通常召喚権を温存できるとかなり回ります。
例えば、門を貼ってからカゲキを通常召喚し、カゲキの効果でハツメを特殊召喚、ハツメの効果でフウマを蘇生すると、軍大将のリンク先を開けるようにしても武士道カウンターが門で6つ貯まります。「六武衆の影-紫炎」(以下、影シエンと表記)から未来龍王ホープを出す分には武士道カウンターは減らないので、シンクロモンスター+ホープ+アポロウーサ+α…となってそれなりの妨害を形成できます。
インヴォーカーのサーチが途中で入るので、上の展開例はベイゴマックス+カゲキorハツメの2枚初動になります。最初の例より要求値が低いのに、盤面が大して変わりません。このため、現在の六武衆はベイゴマックスがほぼ必須です。「スモール・ワールド」でのサーチも十分選択肢に入ります。
以下に代表的な展開例を簡単に書いておきます。
・道場or院+カゲキ+六武衆モンスター
道場or院を発動→カゲキns→カゲキ効果で六武衆モンスターss→イゾルデss→イゾルデ効果で手札コスト確保およびフウマss→軍大将ss
(この時点で六武衆の召喚回数はちょうど4回なので、道場or院に武士道カウンターが4つ乗っている。後は上で説明した通りに上振れ盤面になる。)
・ベイゴマックス+カゲキorハツメ
ベイゴマックスss→トンボーグss→インヴォーカーss→インヴォーカー効果でキザルss→キザル効果でカゲキorハツメサーチ→イゾルデss→イゾルデ効果で手札コスト確保およびフウマss→軍大将ss→門発動→カゲキns→ハツメss→ハツメ効果でフウマss→キザンss→キザン+フウマ+ハツメでヴァレルロードSドラゴンss→キザン2体ss→影シエンss→影シエン効果発動(キザンを墓地に送るため)→キザン2体ss→影シエンss→未来龍王ホープss→キザン2体ss→深淵に潜む者ss→キザンor師範ss→カゲキ+キザンor師範+軍大将でアポロウーサss
主な弱点
・誘発にとことん弱い
上の展開を見れば分かる通り、軍大将が無効になると門のサーチが出来ずに無力化するくせに、門のサーチまではロクな妨害が立ちません。よって、軍大将に対する手札誘発は防ぎようがありません。比較的マイナーテーマではあるため、マストカウンターである軍大将無効は喰らいにくいですが、イゾルデ無効でも十分きついです。
ニビル回避もできません。キザンを使い回す都合上、アトラクターも致命傷です。破壊効果でさえ門が対象なら致命傷、軍大将もかなり痛いです。増Gはライブラリアウトを狙えますが、もし軍大将までに誘発を引かれたらアウトです。
もはや刺さらない誘発を探す方が難しいです。
・後攻が弱い
1妨害でさえ致命傷になるのに、軍大将までに除去の1つもできません。後攻捲り用のカードがテーマ内だと「六武式三段衝」ぐらいなので、テーマ外に頼るしかないです。
・メインデッキ、EXデッキの圧迫
六武衆の基本ギミックの枚数が多いため、誘発を積むスペースが限られてきます。先行制圧が主体である以上、うららと墓穴を積む必要に駆られるのも厳しい点です。
EXデッキも上に記載した基本ギミックとシンクロ、ホープ出張だけで相当容量を食うので、取捨選択を強いられます。
3.各カードの評価
・六武衆の破戒僧(以下、破戒僧と表記)
超強い。
指南番との共通効果である①は、素引きしても腐らないのに後からサーチしても役立つという至れり尽くせりなもの。破戒僧はレベル3のため、インヴォーカーにできるのも評価が高いです。
②でシンクロやリンクの素材にすると「六武衆」速攻魔法をサーチできるが、これの対象は(今のところ)「六武衆の荒行」(以下、荒行と表記)が安定です。効果はやや複雑ですが、唯一盤面のモンスターが増える速攻魔法です。
③はシンクロやエクシーズを主体とするデッキに対してかなり強力なため、刺さる場面はそれなりにあると思います。
・六武衆の指南番(以下、指南番と表記)
超強い。
共通効果の①は破戒僧でも触れた通り強力。地属性のレベル2であるため、荒行で指南番を対象にして六武衆の侍従を出せばナチュル・ビーストになります。
②のサーチ先は六武式襲刃陣か六武式風雷斬になるでしょう。前者は後で触れるとして、後者は武士道カウンターを1つ消費してのモンスター1体破壊orカード1枚バウンスなので、展開のオマケにしては強いです。
③は今のところそこまで重要ではないです。しかし、500ダウンするだけでも攻撃力2500のシエンが攻撃力3000のモンスターと並ぶため、見た目よりは役に立つでしょう。
・真魔六武衆−シエン
超強い。
サーチ効果持ちでモンスター効果の無効がついてくるため、悲願である誘発ケアが出来るようになります。破戒僧を素材として出すと、破戒僧の荒行サーチとシエンの指南番サーチでナチュル・ビーストを出したり、門展開をすることもできます。
巷では「紫炎の参謀」をサーチする択が話題ですが、召喚権を残す必要があるため展開のリソースがかなり求められる割にピンポイントな気がします。サイドデッキに入れる程度であれば、十分にアリだと思います。
六武衆に妥協展開を作り出してくれる新たな希望です。
・真魔六武衆−エニシ
強い。
捲り要員のため、先行ではホップイヤー飛行隊でも無いと役に立ちません。しかし後攻では、即座に出しても最低2体のバウンスができるためにとても有用。除外した六武衆を特殊召喚する効果には制限がないのも要チェックです。
・六武式襲刃陣
強い。
サーチありきの評価とはいえ、初手に来ても腐らず、後から使えば武士道カウンターの水増しができる特殊召喚効果と墓地効果のサルベージが頼もしいです。蘇生の条件がかなり緩いため、研究しがいのあるカードだと思います。
4.最後に
弱点を的確に補いながらも、サーチ範囲を的確に絞ることで安易なワンキル成立をさせないという素晴らしいコンセプトの新規だと感じました。
まだまだ開拓の余地にあふれているので、これを機に六武衆使いが増えてくれるととても嬉しいです。
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