警告夢

 いつの間にやら、畳の部屋に佇んでいて、目の前には年に1、2回程度顔を合わせる親戚の子供が笑みを浮かべてこちらを見ていた。私は空中を走る線路のないジェットコースターに乗っていて、ビルが密集した街を見渡せるほど高い場所で、青空の中を爆速で走り回っていた。私は高所恐怖症であったはずなのに、恐怖は感じず、自分が乗っている機械が行く末を見守っていた。やがてジェットコースターは空中にある暗いブラックホールのような穴を抜け、赤黒い空と地面の場所を走っていた。ここは地獄であると私は分かった。小学生の時地域ボランティアの人たちが行っていた読み聞かせで知った、『蜘蛛の糸』に出てくる絵とその光景はよく似ていた。
 やがてジェットコースターは止まり、私は赤黒い地面に降り立った。地面には所々穴が空いていて、その穴の中には赤黒い血のに詰まったものが溜まっていた。この中に落ちたら、きっと、碌なことにはならない。
 ひょいと、ある穴から顔を覗かせた少年がいた。私はその少年に見覚えがあるような気がして、近寄っていくと、少年はにっこりと笑みを浮かべた。間近で見てわかった。少年の顔は、これといって異形の形をしているわけではないのに、とてつもなく気持ち悪くて、違和感があり、この世のものではないことがわかった。私は悪魔だとそう直感的に感じた。悪魔は私の足を掴み、穴の中へと引きずった。

いいなと思ったら応援しよう!