現行の空調服の問題点

2024年8月。
今年の日本も暑い。
日中の最高気温30度超えが当たり前になり、夜の気温も25度を下回らないことが多い。
人間は全身に汗をかくことができる。
これにより、汗をかいた状態で体に風を受けると、湿度の高い空気が移動して汗が蒸発する余地が生まれ、蒸発した汗=水が気化熱を奪って涼しさを感じる。
というのが、ざっくりとした、扇風機や空調服の涼しさ原理だと考察される。
しかし気温が、体温に近い36度位になってくると話が変わってくるように感じる。
空気が流れ、気化熱は奪われるものの、熱風が吹き付けられているように感じ、涼しいと思えないのだ。
実際、どんどん汗が出て、空調服が水浸しのようになる。
バッテリーを抱えている中でこの状況は恐怖だ。

冷たい水を循環させる方式の空調服もある。
これは気化熱ではなく、熱伝導による冷却と考えられる。
冷たい水に接触することで、積極的に「冷たい」と感じるわけだ。
水は比熱が大きいので、それに熱を吸わせるというのは原理的に優れていると感じる。
冷却水の循環範囲と、保冷剤の持続時間、装置の重量、保冷剤のスペアの確保・温度維持が課題だろうか。

ペルチェ素子を使用した製品も出てきた。
涼しさ原理的には熱伝導だが、現状「ほぼ点」での冷却にとどまっており、まだまだ発展途上感が拭えない。
実際、「空調服と併用するといい」なんてレビュー記事を目にする。
その割りに高価なのが納得いかないし。

こうして並べてみると、次に作るべき製品のコンセプトが見えてくるのではないだろうか。

冷却源:ペルチェ素子
冷却対象:空気
排熱先:水
構造:空気循環

と考えるとクーラーの効いた部屋を着ている形が見えてくるのではないだろうか。

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