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【英語】かたまり読み 猫ログ (冒頭)
(表記の都合上色のついた文をスラッシュにしています)
ライルー「今日は“かたまり読み”という読み方について教えるにゃあ。まずは点呼から。
キララギ」
キララギ「やってやるぜ」
ライルー「呼ばれたらはいで答えるにゃあ まあいいにゃ 次、ミト」
ミト「ハイ キララギには負けないわ」
ライルー「にゃあ・・元気があるのはいいことだにゃ 今日はおまえら2人の少数精鋭でい
くにゃ」
ライルー「かたまり読み・・聞いたことがない読み方だと思うにゃ。はいなんとかという
若者が開発した読み方らしいにゃ。元々をさかのぼるとSSS多読というサイトの酒井さん
という人が、教え子がこういう読み方ができる、といって発生した読み方にゃ。はいなん
とかはそれを発展させた・・・ということらしいにゃ。にゃあはかたまり読みをマスター
した師範だにゃあ。」
キララギ「かたまりってなんですか?」
ミト「かたまり???」
ライルー「まあ焦るにゃよ かたまり読みは単語を一語一語追いかけている人・・ペーパー
バック(英語圏で一般的なハードカバーじゃない紙の表紙の小説などの本だにゃあ)が読
みづらい人・・リスニングが言葉ではなく、音にしか聞こえない人・・大学受験で英語を
勉強している人・・英語を本格的にやってみたい社会人の人・・とにかく英語を理解した
い、楽しみたい、という人 初級の人から中上級の人にかけて・・幅広く効果的だにゃあ。
にゃあは小説が面白く快適に読めるようになったにゃあ。イギリスという国のアガサ・ク
リスティ、シャーロック・ホームズ、ハリーポッター、イギリスは面白い小説を書く人が多い国だにゃあ」
ライルー「じゃあ始めるにゃあ。“かたまり”ってなんにゃのか?」
かたまりって何?
ライルー「まずは、この英文をみるにゃあ」
I read again carefully the letter you left with me yesterday.
ライルー「これは単語でできているにゃあ。キララギ、そうだにゃ?」
キララギ「ああ」
ライルー「実はこの文の中にかたまりがあるにゃあ。いくつかの単語で意味のまとまりを
作っているにゃあ。意味のまとまりで区切るとこういうふうになるにゃあ」
I read again carefully/ the letter/ you left with me /yesterday.
ライルー「もっと分かりやすくするとこうなるにゃあ」
I read again carefully /yesterday.
/the letter you left with me ミト「変な色のブロックができたわ」
ライルー「そのブロックのことをかたまりというにゃあ。一個一個のブロックはいくつか
の単語できているにゃあ?こうやってブロックごとに区切って読む読み方を大雑把にいう
とかたまり読みというにゃあ」
ミト「・・・ふーん、区切って読んでいくつかの単語をまとめて読むのがかたまり読みっ
ていうのね・・・なんで一つのブロックにいくつも単語が入ったりするの?」
ライルー「いい質問だにゃあ。それは意味の上でまとまっているからなのにゃあ。一つの
グループなのにゃあ。区切りを入れたところはここが意味の切れ目になっているからなの
にゃあ」
キララギ「俺はまだよくわからないぜ」
ライルー「焦るにゃよ 時間はたっぷりあるにゃあ じっくりいくにゃ」
キララギ「あ、でもこれ知ってるぜこういう/で区切っていく読み方。たしかスラッシュ
リーディングっていうんだろ?」
ライルー「スラッシュリーディング・・・似てるけど違うものなのにゃ。前からどんどん区切っていくのをスラッシュリーディングというのにゃが、あれは大変だにゃ・・・大変
な割にちっとも英文がわかるようにならないにゃ・・あんまり思い出したくないにゃ。か
たまり読みは色々な面で違っているのにゃ」
ミト「ちょっと知りたくなってきたかも」
ライルー「“かたまり読み”の読み方を身につけると・・文の構造、どの単語がどの単語を
修飾しているかが分かって正確に読めるようになるにゃあ。読むスピードが上がって速読
ができるようになるにゃあ。文の流れが分かってストーリーを追えるようになるにゃあ。
コロケーション(単語と単語の関係のことにゃあ)が身に付くにゃあ。速く正確に読める
ようになることでTOEICのスコアが上がるにゃあ。大学受験なんかも楽々にゃ。リスニン
グにも結び付くにゃあ。全体的に英語力が上がっていくにゃあ」
キララギ「ブロックがかたまり・・・だったっけ?」
ライルー「かたまりは、英語の単語と単語がつながって意味のあるまとまりになっている
ことをいうにゃ」
ライルー「これを見るにゃ」
Alice was beginning to get very tired of sitting by her sister on the
bank,
ライルー「キララギ、読んでみるにゃ」
キララギ「Alice・・was・・beginning to get・・・very・・tired of・・・sitting by her sister
on・・・the bank」
ライルー「左から右に順番に一つ一つ単語を追っていったのにゃあ?そうにゃ普通の読み
方はそういう読み方なのにゃ」
かたまり
ライルー「実はさっきの文章も単語のかたまりでできているにゃあ。かたまりを見つける
とこうなるにゃあ」
Alice was beginning to /get very tired /of sitting /by her sister /on the
bank,
ライルー「Alice was beginning toで出だしのSVが始まるにゃあ。S
は主語、Vは動詞のことにゃあ。文の始まりになっているブロック
ということでここで区切るにゃあ」
ライルー「beginning toに続いてget very tired で動詞、of sittingでtired
の詳しい内容を説明しているにゃあ」
ライルー「by her sisterで前置詞のかたまりになっているにゃあ。前
置詞は文に追加でついてきて場所や時間を表したりする様々な意味
を付け加えるものにゃあ。in, on, from, out ofなど様々なものがある
にゃあ。」
ライルー「on the bankも前置詞のかたまりになるにゃあ。場所を表
している前置詞のかたまりなのにゃあ」
キララギ「ふーん、かたまりにもいろいろ意味があるってことか・・・」
ライルー「そうにゃ。複数の単語をひとつにまとめたものがかたまりで、単語同士の意味
のある関係でまとまったものがかたまりなのにゃあ。意味をもったまとまりなのにゃあ。
このようにバラバラの単語から、かたまりを見つけて、かたまりにも意味を見つけること
ができるのにゃあ」
Alice was beginning to/ get very tired/ of sitting /by her sister /on
the bank,
ライルー「こう区切って読んだことになるにゃあ」
ライルー「もう一ついくにゃあ」
They all sat down at once, in a large ring, with the Mouse in the
middle.
ライルー「これはこのようなかたまりでできているにゃあ」
They all sat down /at once, /in a large ring, /with the Mouse in the
middle.
ライルー「They all sat downでSVのかたまりになるにゃあ」
ライルー「at onceで副詞のかたまりにゃあ。修飾語の一つにゃあ」
ライルー「in a large ringで前置詞のかたまりにゃあ。このinは状態を表しているにゃあ」
ライルー「with the Mouse in the middleで状態を表す前置詞のまとま
りになっているにゃあ。このwithは付帯状況のwithというにゃ。こ
れこれこういう状況で ということを表すのにゃあ」
They all sat down/ at once/, in a large ring/, with the Mouse in the
middle.
ライルー「このように区切って読んだことになるにゃあ」
ライルー「こういうように意味のあるかたまりが連なって文章ができている。と、考える
のがかたまり読みになるにゃあ。一語一語読むこともできるのにゃが、このように意味の
あるかたまりでできていると考えることもできると思うにゃ」
ミト「そうね。文章の中にかたまりのブロックをたくさん見つけられたわ」
ライルー「このようにかたまりで見ていく、認識していくやりかたがかたまり読みになる
にゃあ」
かたまりで読もう!
ライルー「おまえらは単語帳で暗記したことがあるかにゃ?」
キララギ「あるぜ」
ミト「あるわ」
ライルー「にゃあもあるにゃ。単語だけ覚えて文章が読めるようににゃるのか?読めな
かったということがよくあるのにゃ。それは文章中での使われ方、意味のまとまりが見え
ていないからというのがあるのにゃ」
キララギ「意味のまとまり・・さっき聞いたな」
ミト「それが分かればよく読めるようになるのね?」
ライルー「単語は数語で意味をもったまとまりをつくっているにゃあ。どういうのが意味
のまとまりをつくっているのか?それは形容詞の修飾関係だったり、文法上の決まってい
るパターンだったり、よく結びつく単語同士だったり様々にゃ。単語と単語がにゃんらか
の関係、つながりを持っているとき、この単語と単語は関係性を持っているというにゃ。
この関係性をみていくこと。かたまりで見て、かたまりとかたまりの関係をみることが正
確に読むことにつながっていくにゃあ」
ライルー「まとまりを意識して読むことで文章の構造、英語のリズムが見えてくるにゃ
あ」
キララギ「単語と単語の裏のつながりを意識して読めば、英語のリズムが分かってくるっ
てことだな?」
ライルー「単語が一語一語バラバラではなく、他の単語と関係をもってつながっているの
にゃあ。そのつながりを見ていくことにゃあ」
キララギ「関係性ってのは、単語同士がどう関係しているのか、つながっているのかって
いういろんな関係のことなんだな」
ミト「まとまりが連なってできているっていうことは、まとまりとまとまりにも関係、関
係性があるってことなの?」
ライルー「鋭いにゃあ。まとまりが連なっているのにゃあ。そのまとまりの流れのつなが
りは英文のリズムというものなのにゃあ。こういうまとまりが来たらこういうまとまりが
来るという。全体の中での関係性のことなのにゃあ。リズムなのにゃから感じれるように
なるにゃ。まずは一つ一つまとまりで見れるようになると、まとまりとまとまりのつなが
り、まとまりの全体の中での関係性、大きなリズムも分かるようになるにゃあ」
ライルー「かたまり読みは主に2つのスキルでできているのにゃあ」
かたまり読みの2つのスキル
☆適切な位置で区切る
☆関係性を体で身につける
適切な位置で区切る
ライルー「『ビッグファットキャットの世界一簡単な英語の本』という本の中で著者の向
山淳子さんは“文を区切るべき位置で切ることができるかどうか―実はこれが英語をマス
ターする上でもっとも重要な事項かもしれません”“文章を適切に区切って理解していく
――これは英語をマスターするために不可欠な技術です”と述べられているにゃ。文章の中
の意味の切れ目が適切であれば、意味のまとまりが理解できているということになり、ま
た、理解の仕方がより、自然な英語になるにゃあ」
She picked up the telephone and called Jeff.
ライルー「これはたとえば、こんな風に区切れるにゃ」
She /picked up the telephone /and/ called Jeff.
ライルー「他にも区切る位置としては」
She /picked up/ the telephone/ and/ called/ Jeff.
ライルー「この区切りのどれかで区切るなら、不自然な感じにはならないにゃあ。逆にこ
れ以外のところで区切るならば」
She picked/ up the/ telephone and called Jeff.
ライルー「実際に声に出して読んでみると、不自然に聞こえると思うにゃあ」
ライルー「このように区切るべき位置と区切るべきでない位置があるにゃあ。ネイティブ
がしゃべるときにもこの意味のまとまりが意識された位置で息継ぎがされているにゃあ。
ネイティブにとって自然な区切りでの息継ぎということにゃ。」
ライルー「例えばこんな文章があったとするにゃ」
明美は、仕事帰りに、スーパーに立ち寄り、トマトと牛乳を買い、魚屋でカツオのたたき
を買い、公園に立ち寄って家まで帰った。
ライルー「これを適切でない位置で区切ると」
明美、は仕事帰り、にスーパー、に立ち寄りトマト、と牛乳、を買い魚屋、でカツオ、の、
たたき、を買い公園、に、立ち寄って家、まで、帰った。
ライルー「のようになるにゃあ。どうにゃ?そうとう分かりづらい文章になったと思う
にゃ。にゃあ達が日本語を話したり読んだりするときも、自然に文章の区切れ、意味のま
とまりを意識していることが分かるにゃあ。それは自然な日本語だとにゃあ達が思ってい
る理解の仕方にゃあ。理解しやすい区切りにゃあ。英語を区切って読むのも、英語を自然
にスムーズに読むために必要になるにゃあ。逆にいうにゃらば、区切って読むと理解しや
すいにゃあ」
ライルー「適切な位置で区切って読めば、ネイティブのように文の構成、意味上文法上の
意味のまとまり、文の感覚的な息づかいが身についていくにゃあ。それは英語の文章を理
解するのに大きな助けとなるにゃあ。Great helpにゃあ」
ミト「これができれば語学の単位取れるかしら?」
関係性を体で身につける―Don’t think, Feel !(考えるな 感じるんだ!)
ライルー「関係性は分かったかにゃ?」
ミト「単語と単語の色々な結びつき方のことね?関係性のある単語同士でまとまりになっ
ている・・」
ミト「そして、まとまりとまとまりにも関係性があって、英文にリズムがある・・・ね?」
ライルー「OKにゃ」
キララギ「具体的にどんなのが関係性があって、どんなまとまりができるんだ?」
ライルー「それは様々にゃ。文法上の意味の区切れや、機能語という特別な働きをする単
語によって複数の単語で意味を形づくる語であったり、決まったパターンで出てくる単語
であったり、よくつながりやすいコロケーション(関係が深い単語のつながりのこと
にゃ)であったり、熟語であったりするにゃ。練習できるものは、後で説明するにゃあ」
ライルー「これを・・知識ではなく、文を見た瞬間にパッと関係性が分かることが重要な
のにゃあ。大事なことなのにゃが、知識で考えて分かるのではなく、見た瞬間に無意識で
反応できる、考えるより体で覚えているという状態が大切なのにゃあ」
ライルー「ペーパーバックを快適に楽しんで読むには、ある程度の速さで読まなければい
けないのにゃが、この速さで読むということは、文頭からそのままの語順で、直読直解だ
にゃあ。リスニングなど右から左に流れて行ってしまうものにも、聞いた瞬間にパッと分
かるのでなければ追いつかないにゃあ」
ミト「そうね・・リスニングは分からなくても、待ってくれないものね」
ライルー「ところでおまえらは、通信空手というものを知っているかにゃ?」
キララギ「聞いたことないな」
ミト「何それ・・?」
ライルー「普通の空手は道場で修行するにゃ?通信空手は家に居ながら空手を学べるの
にゃ。空手のテキストを読んで、答案を書くにゃ。道場に行かないで空手を学ぶのにゃ」
ミト「なんだか・・・すごく弱そうね」
ライルー「やはり道場で実際に修行した方が強いのにゃ。ただ、通信空手がまるっきり弱いわけではないのにゃ。ただ、実戦が足りないだけなのにゃ。なぜ通信空手が戦えにゃい
か?知識だけから経験を積んで実際に体を動かせるようになれば戦えるのにゃあ。空手は
実際に体で経験して修行を積むのが一番なのにゃあ」
ライルー「空手を経験で覚えれば、実際に暴漢と立ち会ったときなんかには、無意識に技
がでるのにゃあ。考えていてはだめなのにゃあ。考えると体が止まるのにゃあ。無意識に
技が出るようになるには体で反復して経験を積むことが必要になるのにゃあ。通信空手が
実戦で使えるようになるにも体での経験が必要になるのにゃあ」
ライルー「知識として知っていることと、体で身につけていることは、大きな差があるの
にゃあ。通信空手と実戦経験ありの空手の違いにゃ。一番の違いは無意識で反応して、考
えずに技が出せることにゃあ。体で身につけるとは、考えずに無意識で反応できることな
のにゃあ。関係性も知識として知っているのではなく、文を見た瞬間にパッと分かって反
応できるように、体で覚えている状態にするのが大切なのにゃあ」
キララギ「そういやイチローが素振りを重視しているのもそういう体で覚えるってことな
のか・・?」
ライルー「150キロのボールを打ち返すのも体で全部覚えてなきゃだめなのにゃ。きっ
と基本のところを大事にするところに達人の秘訣があるのにゃな」
ライルー「こんな話もあるにゃ。合気道の達人で塩谷剛三という人がいるにゃ」
ライルー「合気道っていうのは向かってくる相手を一瞬でほいほい投げ飛ばす武術にゃ。
その伝説の達人の塩谷剛三という人は本当にすごい人にゃ。何人も一遍にかかってきても
全員相手にぽんぽん投げ飛ばすのにゃ」
ライルー「その塩谷剛三が修行時代に、金魚鉢を手で叩いて、金魚が衝撃にどう反応する
か観察していたというにゃ。その金魚の動きに合わせて、右に左に動く、というのをやっ
ていたのにゃ。瞬発力を鍛えるためにゃ」
ミト「金魚を・・・?」
キララギ「達人って変わってるな」
ライルー「それを8年続けたのにゃあ」
ライルー「その結果、驚異的な瞬発力を塩谷剛三は身に付けたのにゃあ。道端で塩谷剛三
は車にひかれそうになったことがあるのにゃ。でもひかれかけた次の瞬間塩谷剛三は」
ライルー「車のボンネットに飛び乗っていたのにゃあ」
キララギ「マジかよ・・・!?」
ライルー「基礎の瞬発力の訓練を体で覚えさせて反復すれば、こういうこともできるの
にゃ。これも無意識での反応にゃ。体で身に付けた瞬発力で無意識に飛んだのにゃ」
ライルー「関係性も知識ではなく、体で知っていて身に付いている、という状態にするの
が大事にゃあ」
キララギ「それはどうやったらできるようになるんだ?」
ライルー「かたまり読みを継続することでできるようになるにゃあ。ただ、そうなるには
知識として知っているだけではなく、瞬間的に分かるように体で知っている状態にしなけ
ればいけないにゃあ。ブルース・リーが映画「燃えよドラゴン」で言っていたにゃあ。
Don’t think, Feel ! (考えるな 感じるんだ!)」
ライルー「英語を身につけるときに、特に基礎となるリーディングを伸ばすときには英語の文章を多く読むことが効果的にゃ。ペーパーバックを読むのが生の英語で質、量ともに
いいにゃ。その際に、ぜひ守ってほしい基本ルールがあるのにゃ。この基本ルールを意識
して読むことで、リーディングや英語を学ぶ際の基本姿勢が身に付いて、良い効果がある
のにゃあ」
基本ルール
・訳さない
・文頭から、返り読みしない
・一語一語ではなくかたまりで
・速読
訳さない
ライルー「できるだけ日本語が介在しないようにするにゃあ。できるだけ英語そのままで
理解するようにするにゃあ。英語の語順や単語の意味は完全に日本語で訳せるわけではな
いからなのにゃあ」
ライルー「厳密に言って、英語は日本語ではなく違う言語なのにゃあ」
キララギ「それはそうだが」
ライルー「細かなニュアンスの違いや意味の違い、使われ方の違いなどは日本語訳で考え
ていては身に付かないのにゃあ」
ミト「英文ってやっぱり、日本語と違って英語なんだっていう独特の感じがあるもの
ね。 英語の呼吸ってこういうものなのかしら」
ライルー「そういう英語独特の感覚やリズムは訳して考えていては分からないのにゃあ。
初めて見る単語やあまり見ない単語など、最初は日本語訳が浮かぶのは仕方ないと思う
にゃあ。ただ、できるだけ日本語が浮かばないようにするにゃあ。」
ライルー「できるだけ英語そのままで理解するというのが基本姿勢にゃあ」
文頭から、返り読みしない
ライルー「訳さないのとも関係するのにゃが、返り読みは日本語の語順に英語を無理やり
当てはめた読み方なのにゃあ。学校でこういう読み方を身に付けた人も多いと思うにゃ。
英語と日本語で語順が違うからこういう読み方が生まれたと思うのにゃが、ネイティブは
こういう読み方はしないにゃ。これは日本語の語順に英語をぐちゃぐちゃに当てはめた読
み方にゃあ。ただ、英語の語順そのままで読むのは決してそんなに難しいことではないの
にゃあ。SVO(主語、動詞、目的語)の語順に慣れることで文頭から読めるようになるにゃ
あ」
ライルー「ちなみに文法でいう文型はこのSVOの一種類だけ押さえればいいにゃ。この語
順が英語の語順の基本で後の文型はおまけに過ぎないにゃあ」
ミト「一種類でいいのね?本当?」
ライルー「基本的に英文の流れは、まず大きな重要なことがきて、次にその詳細を説明す
る追加的な事項が来るのにゃあ。最初に来るのは結論やyes, no, 主語にゃ。そしてどんどん
欠けている部分を補足するように、追加的な事象が説明されるという流れがあるのにゃ後
の文型もこういう流れから外れたものではないのにゃあ。SVOの文型が基本の流れで一番
重要なのにゃあ。このSVOの語順にさえ慣れれば、後は苦労しないでも自然に身について
いくにゃあ」
ライルー「もし挙げるにゃらばSVC(主語、動詞、補語)の文型のときこのVはbe動詞がき
て、S=Cという関係が成り立つ ということを覚えておくと便利かもしれないにゃあ」
ライルー「英語の語順そのままで読むと、ペーパーバックを快適に速く読めるようにもな
るにゃ。リスニングも上達するにゃ。返り読みと訳読読みは英語教育の2大悪癖にゃ。こ
の癖から脱却して読むことが基本姿勢なのにゃ」
一語一語ではなくかたまりで
ライルー「一語一語読むのではなく、常にかたまりを意識するようにするにゃあ。意味の
あるまとまりで読むということを心がけることによって、まとまりが見えるようになって
いくにゃあ。まとまりが分かれば何故それがまとまりになるのかというまとまりの意味、
関係性も分かってくるにゃあ。速読にもつながるにゃあ。ペーパーバックを読むときなど
は、常に意味のかたまりで把握することを、意識して読むのにゃあ。これはとくに、意識
の上での基本姿勢にゃあ」
速読
ライルー「できるだけ速く読むようにするにゃあ。これは、速く読むように負荷をかけな
いといつまでたっても速く読めるようにならないからなのにゃあ。速く読めるとそれだけ
大量に英語に触れられるにゃあ。そうするとより速く上達できて、速く読む→大量に読め
る→上達して速く読めるという好循環に入ることができるのにゃあ」
ライルー「どうやったら速く読めるようににゃるのか?具体的にはストップウォッチを
使って、1ページあたり何分何秒かかったとか、何分間で何ページ読めたかを計るの
にゃ。そうやって記録して自分に時間制限によるプレッシャー、タイムプレッシャーで負
荷をかけることにより、自分の全力を引き出して上達していけるのにゃ。このように全力
で読むと無意識下に読んだ英語の経験が溜まっていくにゃ。この無意識下の経験は時間制
限で負荷をかけたときのように、「集中して何かを必死にやったとき」に溜まりやすい
にゃ。がむしゃらにやっているときほど実力が伸びたという経験はあるのではにゃいかな?」
ライルー「ストップウォッチを使って時間を記録し、なるべく速く読むというタイムプ
レッシャーを設けることで簡単に負荷をかけることができるにゃあ。自分の限界を100
として110、120と自分ができる限界を超えた負荷をかけることによって、自分の限
界も101、102と上がっていくのにゃ。最初に1ページを読むのに6分かかっていて
もストップウォッチで負荷をかけることによってだんだん4分、2分と速く読めるように
なっていくにゃあ」
キララギ「ストップウォッチで計るのか。陸上みたいだな」
ライルー「陸上と同じなのにゃ。全力を出すことを繰り返すことによってどんどん上達し
て速くなっていくのにゃあ。記録しているというだけでも効果があるのにゃあ」
無意識下の経験(氷山の下の経験)
ライルー「普段意識にのぼってくる知識に対して、無意識下にある知識があるにゃあ。普
段意識にのぼる知識というのはいわば氷山の一角で、水面より下の巨大な氷山にあたる知
識が無意識下の知識になるにゃあ。一夜漬けして覚えた知識などは氷山の上の顕在意識に
なるのにゃが、繰り返したり印象付けたりして、深いところに蓄積された知識、経験が無
意識下の知識・経験になるのにゃ。直読直解で必要なのはこの反射的に出てくる無意識下
の知識なのにゃあ」
ライルー「無意識下のところで知っている知識の量で英語力が決まってくるのにゃあ。英
語力の上達はこの無意識下の知識、経験を蓄積していくことが重要なのにゃあ」
ミト「それは単語や関係性も含めて英語全般なのね?」
ライルー「英語全般なのにゃあ」
キララギ「ふむ・・」
速読の重要性
ライルー「速読はこれまでの基本ルールの中でも特に重要にゃあ。速読は英語全般に関
わってくるのにゃあ。全てを底上げするのにゃあ。スパゲッティを作るときのオリーブオ
イル、ラーメンの麵のつなぎ、酒を造るときの酵母、ピザを焼く時の釡戸、うなぎの蒲焼
の炭火、F1のタイヤ、カレーのスパイス、音楽を聞くときのイヤフォン、味噌汁のダシ、
スポーツをするときのポカリスエットなのにゃあ」
キララギ「たしかにポカリがあると、運動で捗る(はかどる)ぜ」
ライルー「速読は重要にゃ。それは、英語力はつきつめていけば速読力とも比例する関係
にあるからなのにゃあ。英語力でとくに大事なことの一つにパッと見てパッとわかる直読
直解の能力があるにゃ。これは、無意識の下に蓄積した経験・知識とパッと反応する反射
力からできているにゃ」
ライルー「速読でこのパッと反応する反射力を鍛えることができるにゃあ。ゆっくり読ん
でいると反応に時間がかかるのにゃが、速読の場合は、ほぼ同時といっていいほどに反応
の速さを速くしていくことができるにゃあ。このパッとわかる反応力を鍛えていくのに
は、速読で読んでいくのがうってつけなのにゃあ」
ライルー「そしてこの直読直解の能力がなければ速く読むことができず、この能力が上
がっていくごとにどんどん速く読むことができるようになっていくにゃあ」
ライルー「文の構造が分かっていて、身に付いていれば、滞ることなくスラスラと読める
にゃ。直読直解できて文の構造、単語の使われ方などが分かれば速く読めるにゃあ。逆に
言うとそれがないと速く読めないにゃあ。つきつめれば英語力が伸びるほど速く読める
にゃあ」
ライルー「かたまり読みを心がけていくことでこのパッと反応する速読を鍛えていくこと
ができるにゃあ。かたまり読みが上達して一度に大きなかたまりで読めるほど、速読の速
さや、英文の理解力が増していくにゃあ。TOEICでも大量の英文を処理しなければならな
いにゃ。速く読めるほど、TOEICのスコアも上がっていくにゃ」
ライルー「速読は重要にゃが、すぐ速読ができるようにはならないにゃ。速読は日々英文
を読む際に、ペーパーバックを読む際に、意識してなるべく速く読むことを継続していく
ことによって、だんだん速く読めるようになっていくにゃあ。具体的にはストップウォッ
チで何分かかったか?という時間を計ると、簡単に時間制限のタイムプレッシャーの負荷
をかけることができるにゃあ」
ライルー「1ページで何分何秒かかったか、10ページで何分かかったか、また、10分
で何ページ読めたかなど、計り方はそれぞれにゃが、これによって1ページあたり何分何秒
で読めるのか、1分で何文字読めるのかといったスピードを計ることができるにゃあ。記
録しているというだけでも効果があるのにゃあ」
ライルー「このように記録して自分に負荷をかけてできるだけ速く読んでいくと、だんだ
んと速く読めるようになっていくにゃあ。無意識下に蓄積された知識の量もこの速読の速
さに影響していくにゃあ」
ライルー「速読によって一度に処理できる英語の量が上がるにゃあ。一度に多くの英語を
処理できるようになるということは、つきつめれば、英語力が上がっていくということになるにゃあ」
ライルー「速読と英語力は比例する関係にあるにゃあ」
返り読み、訳読読みのクセが抜けない方は
キララギ「俺の周りでも返り読みしてたり、訳して読んでるやつってけっこういるぜ。そ
ういう人はどうすればいいんだ?なにかいい方法があるのか?」
ライルー「音読が効果的なのにゃあ。一つの文章を選んで20回音読するのにゃ。前から順
に読むしかないので必然的に返り読みができない読み方にゃあ。20回やると文章をほとん
ど暗記してしまっている状態になるにゃあ。英語の回路というものができて、英語をなめ
らかに発音できるようになるにゃあ。脳内で同じところをぐるぐる回ると道がならされて
なめらかにすごい速さで通れるようになる感じかにゃ。直読直解するという感覚をまず最
初に身につけるには一つの文章を選んでの20回の音読が最適にゃあ。この方法はベストセ
ラーになった野口悠紀雄さんの「「超」勉強法」で、トロイア遺跡発掘のシュリーマンが
実践していた方法として紹介されたものだにゃあ。この方法は中学校高校の試験勉強の方
法としても最強の方法だにゃあ。授業で習った英文を20回音読することによりほとんど暗
記してしまえるので、穴埋めや英訳なども、暗記した正しい文章をもとにして書けるの
にゃあ。返り読み、訳読読みのクセが抜けない方はぜひ音読をやってみるのをオススメするにゃあ」
ライルー「ここで10分の休憩にするにゃ」
キララギ「バニラコーラが飲みたい・・」
ミト「ジェラートが食べたいわ」
かたまり読みを身につけるまで
ライルー「じゃあ、再開するにゃあ。ところでキララギ、おまえが飲んでいるコーラは
昔、薬品として売られていたのにゃあ」
キララギ「そうなのか?」
ライルー「あるとき店員が間違えてソーダで割ってしまったのにゃ。それが好評でそれ以
来コーラはソーダで割るのが定番になったのにゃ。ソーダで割る・・・そのちょっとした
違いでコーラが今普及しているという大きな違いができているのにゃ」
ライルー「今からはいなんとかが、“かたまり読み”を身につけるまでの話をするにゃ」
ライルー「はいなんとかは、SSS多読のサイトの主宰者の酒井さんが、かたまり読みとい
う読み方がありますという紹介をしていて自分ではできないと書いていたのを見て、自分
でかたまり読みを開発しようと決めたらしいにゃ。それでまず赤鉛筆でスラッシュを入れ
ながらペーパーバックを読むということを始めたにゃ。まとまりが何なのか、何もわから
ない状態からの0からのスタートにゃ。読んだのは比較的易しい言葉で書かれていると評判
のシドニィ・シェルダンの「Master of the Game」だったらしいにゃ。無意識でひたすらス
ラッシュを打ち続けて、それでも最後の方になると基本的な切る位置、よく区切れる位置
というのは身についていたにゃ。スラッシュを打ちながら読むことは文頭から理解する訓
練にはなったのにゃ。ただ、スラッシュを打ちながらだと、本当に文章を理解しているこ
とにはならなかったとはいなんとかは言っているにゃ」
目で切れ目を入れるようになって
ライルー「正確にいつからだったかは覚えていないらしいのにゃが、切れ目を赤鉛筆でス
ラッシュで入れるのではなく、目で区切れを把握するようになってから、飛躍的に文章が
読めるようになったのに気づいたというにゃ。目で切れ目を把握し、一回のアイストップ
(視点を止めることからアイストップと呼ぶにゃ)で視野に入れるということを始めてか
ら、まとまりを意識することと、そのまとまりの意味や、他のまとまり・全体との関係性
が身についていったらしいにゃ。かたまり読みは最終的には、目で切れ目を入れて、アイ
ストップでまとまりを視野に入れる方法なのにゃあ。目で区切れを把握するかたまり読み
でペーパーバックを読むに従い、どこで文を切るか、文章の意味や呼吸というものが自然
に分かってきて以前よりもペーパーバックが楽しめるようになったというにゃ」
ライルー「目で切れ目を入れること これが英文を理解するのに決定的な違いを生むとは
いなんとかは言っているにゃ。目で切れ目を入れるようになってまとまりの関係性も身に
ついていったというにゃ。かたまり読みの最大の特徴は目で切れ目を入れていくことなの
にゃあ。手で鉛筆でスラッシュを入れるのではなく目で入れる。このわずかな差が大きな
違いになるのにゃ。コーラでいうにゃらば、目でスラッシュを入れる=ソーダ割りなの
にゃあ」
ライルー「それでは、次はかたまり読みの本番に入るにゃあ」
ミト「えぇ!!?」
キララギ「まだ本番に入ってなかったのかよ!?」
ライルー「中核に入るのにゃあ。ステップを追って具体的に説明していくのにゃあ」
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