【高校数学】ややこしい順像法と逆像法は、クラスの子の身長リストで理解する。
こんにちはAkitoです。今回は、大学受験数学で必須の2解法である
・順像法
・逆像法
の”考え方”について解説していきます。
あくまで"考え方”を紹介するだけなので、高校数学がわからない方でも楽しんで読めるかと思います。
それではまず、順像法と逆像法とは何なのか説明いたしましょう。
順像法・逆像法とは
順像法・逆像法は数学用語ではない
○○法というからには、数学的解法の1つだと思った方も多いでしょう。
それは決して間違いではありません。しかし、順像法および逆像法という言葉は正式な数学用語ではなく、受験用語であることを覚えておきましょう。
大学受験界にはこのように、受験のみで使われる(もっといえば、塾や予備校、および受験用参考書内でのみ見られる)用語がいくつか存在します。
気になった方は、以下のワードも調べてみるといいでしょう。すべて受験用語です。
・ファクシミリの原理
・予選決勝法
・はみ出し削り論法
順像法・逆像法の概要
写像 f:A→B の像f(A)を求めたい。
このとき、以下の二つの方法が考えられる。
①Aの任意の要素aについて、その像f(a)を調べる
②Bの任意の要素bについて、b∊f(A)の真偽を調べる。
①の方法を順像法、②の方法を逆像法と呼ぶ。
いかがでしょうか。
写像?像f(A)?なんじゃそりゃ。
という人も多いでしょう。
実際、現役の高校生であっても学校や塾で説明を受けて
ジュンゾウ?ギャクゾウ?どっちがなにで何が違うん?
となってしまう人は多いと思います。
ここでとりあえず抑えてほしいポイントは
・順像法も逆像法も、「起こりえることのすべて」を求めるための解法だということ
・順像法は「起こることを全部調べる」という直感的な解法だということ
・逆像法は「これが起こりえるだろうか」と逆から考える解法だということ
の3点です。
それでは、タイトルにもある通り「クラスの子の身長のリストを作る」という問題をもとにして、順像法と逆像法を紐解いていきましょう。
ここまでの説明で頭がこんがらがってしまった人。ここからが本題なので、気負わずに読み進めていってください。
クラスの子の身長のリストを作ろう
あなたのクラスには100人の生徒がいます。みんなの身長を調べてそのリストを作ってください。ただし身長はセンチメートルで表し、小数点以下は無視します。
このような問題に対するアプローチの仕方を考えていきましょう。
ただし、同じ身長の人が複数いる場合も、リストには1つだけ表記すればいいことにします。
例えば、AくんもBくんも身長が170センチのとき、リストには"170センチ"を1つ記録すればOKです。
順像法で解いてみる
まず、すぐに思いつくのは
・クラス全員に身長を聞いて、それぞれ記録してリスト化する
という方法です。
いたってシンプル。クラスの人数が1000人であれば、1000人全員に聞けばOKです。
これが順像法の考え方です。
あまりにアッサリすぎて、どこに順像法のポイントがあるのかわからないかもしれません。
ここで、順像法と逆像法の概要について再度考えましょう。
上の説明と身長問題の対応は以下です。
A➡クラスの子
B➡身長
f➡クラスの子それぞれについて、身長を出力。
例えば、太郎君の身長が170センチの時、f(太郎)=170センチです。
f(A)➡身長のリスト
順像法である①では、クラスの子全員について
f(花子)=150センチ、
f(優斗)=165センチ
…
と列挙していきます。そうすると、みんなの身長のリストができますよね。このように全部調べるというやり方が順像法です。
逆像法で解いてみる
順像法とは別に、
・身長が200センチの人がいるか聞く→いるなら記録、いないなら記録しない→身長199センチの人がいるか聞く→…
というやり方があります。(身長は大きくても200センチとしています。)
これを逆像法と呼びます。
もう一度説明しますと、以下の対応があります。
A➡クラスの子
B➡身長
f➡クラスの子それぞれについて、身長を出力。
例えば、太郎君の身長が170センチの時、f(太郎)=170センチです。
f(A)➡身長のリスト
Bの任意の要素bとは、すなわち身長のことです。
そしてb∊f(A)の真偽とは、身長bの子がクラスにいるかいなかということです。
たとえば b=180センチとします。クラスに180センチの子がいるならb∊f(A)が真となり、リストに180が記録されます。180センチの子がいないならb∊f(A)は偽となり、180は記録されません。
このように、その値を取るかどうかを考えるやり方が逆像法です。
まとめ
身長リストを作る問題を通して、順像法と逆像法の説明をしてみました。
高校数学ではいろいろな解法が出てきますが、大抵は順像法だと思います。逆像法を使う解法としては以下のようなものがあります。
逆像法;
・2変数関数の最大最小問題において、F(x,y)=kと置く解法
・実数条件を使う解法
順像法と逆像法を使い分けて、問題に適したアプローチを取れるようになりましょう。
本日のAkito's roomは以上となります。ほかの記事も読んでいただけると幸いです。