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夏目ジウ
2024年2月12日 05:28
※本作品はフィクションです。 本編2401字。 節分に邪気を取り払うって、何も夫婦関係にまで躍起にならなくて良いんじゃ・・。夫のヒロシはそうつぶやくと幻の終わりの様な刹那さに囚われた。 実は、節分に離婚を突きつける風習は日本に存在していた。妻の節子は鬼の形相で夫に三行半を突きつける。 「ハタチに結婚して20年。ずっと、アンタのことが気に入らなかってん」 ヒロシに世の悪運の全てが降りかか
2024年2月24日 08:10
※2,170字数。 本作品はフィクションです。 ーあたし、アイドルになるからもう会えない。元恋人のマナは3年前そんな風に別れを告げて僕の元を去った。いつもよりも仲睦まじく地元の文化会館で成人式に参加した帰路の途中だったから、今でもその時の光景は鮮明に覚えている。 「でも、30歳になったら必ず迎えに行くから」マナの青々しい後ろ姿に向かって僕は声を振り絞った。たぶん、聞こえていなかったかもしれ