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夏目ジウ 掌編・短編小説集

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これまでnoteに掲載した小説をまとめてみました。
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2023年4月の記事一覧

同じ窓辺の外【掌編小説】

同じ窓辺の外【掌編小説】

※3,109字数。
  本作品はフィクションです。

―来年はもう死んでるかもしれないから。
 私は、阿佐子に初めて同窓会に参加する理由をこう答えた。来月60歳になる私は、死に至る病を抱えているわけでは無い。ただ、去年の12月に職場の同い年の女性が立て続けにコロナワクチンの後遺症で亡くなり、死ぬことが今までより身近な存在になっていた。
 コロナなんかで、絶対に死にたくないー。夜通しずっと私は睡眠

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朝焼けの幻たち【掌編小説】

朝焼けの幻たち【掌編小説】

 明朝のランニングから、私は一日の英気を享受する。

 去年60歳で大病を患ったが、奇跡的に退院した。そのちょうど半年後に、不思議なことに元の生活に戻った。さらには、その翌日から罪滅ぼしと言わんばかりに夫の則男と朝4時に起床し、ウォーキングを始めることにした。運動が苦手でも、病み上がりに人は突然思い立ったようにウォーキングを始めるらしい。

 元来から不健康生活だった夫は嫌々ながらも毎朝のウォーキ

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最後の聖女【掌編小説】

最後の聖女【掌編小説】

 ※2,851字数。
  本作はフィクションです。

 愛娘の結婚は、時として父性の感情機能を激しく揺さぶることがある。特に、正博のようにシングルファーザーとして一人娘を育ててきた場合は尚更だ。長年来、娘の為に注がれたあらゆる情念は鼓動そのものが永久に奪われるかもしれない。
 【パパ、おはよう。
 さっき、賢太朗君からプロポーズされた。】
 明け方の4時に夏菜子は父へLINEをした。父はトイレの便

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