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贅沢なディナープレート
7時前という夕食には少し早い時間にもかかわらずラ・クオーレ・ディタクの駐車場はほぼ満車だった。少し意外そうな顔をしたNは期待と不安を胸にディタクを開門した。12月ということもあり店内はクリスマスムード一色。麻雀なら清一色の聴牌と言っても過言ではない。店外の駐車場という名の捨て牌からディタクの清一色に気づくことのできなかったNは少しうなだれた様子でディナープレートを注文するしかなかった。
ディナープレートにはアジのフライ、タンドリーチキン、ハンバーグ(敢えて説明する必要はない可能性もゼロではないが、もちろんここでのハンバーグとはバンズで挟めばハンバーガーであり、さらにチーズを挟めばチーズバーガーである点に留意してもらいたい。)が讃えられており、いずれも他校なら四番を張れるような逸材だとNは感じた。高校野球で言うなら大阪桐蔭、海外サッカーならパリ・サンジェルマンと言えば万人にもわかりやすいだろうか。
そのどれよりも高い位置に鎮座するのは大衆の予想を大きく外す形となるだろう「TAKUAN」だった。おそらく「TAKUAN」史上最も高さが出た瞬間ではないかとNは直感した。が、所詮大気圏内、オゾンの下なら何の問題もなかった。