見出し画像

読了。(1.5)

ペッパーズ・ゴースト/伊坂幸太郎

『人生で魂が震えるほどの幸福があったなら、それだけで、そのために永遠の人生が必要だったんだと感じることができる』

ニーチェが唱える「永遠回帰」。
人は同じ人生を永遠に繰り返す。
気が遠くなる...繰り返す中「よし、もう1度!」と何度も思えるのだろうか、と考える。
自分の人生が小説なら...自分が登場人物なら...どこから読もうが、起こることは変わらない。先が決まってしまっているのなら、心配や嘆くよりせいぜい楽しむしかないのだろう。
読了し、自分の今の悩みが、どうでもよくなるとは別の意味で少し小さく、遠くなった。
この先、永遠の人生が必要だったんだ!と思えるほどの幸福を私はいくつ心に響かせられるのだろう。

「物事は人によって受け取り方も感じ方も違う。それは、どれが正しくて間違っているのではなく、どれも自分で選べるもの」
読了し、自分の日常の見方が、変わっていく気がして、心が余裕を持ち始める。
散りばめられた警句からメッセージの見落としがあったのではないか、再度探してみたくなる。作中に出てくるニーチェの本は気になり、ヘディングだ!は実生活で使いたくなる。
叙述トリックとはまた違う世界観。
私もまた見下ろす誰かの為に今日も言葉を並べる。

これはすべて私の感じ方。
おしまい。

いいなと思ったら応援しよう!