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本を読むこと。(2/5)

本を読むことは、私にとって他人の感情を経験するに等しい。
本を読みながら、登場人物と同じように悔しがり、寂しくなり、喜び、涙を流す。
本を閉じると、色んな感情や経験や情報が自分の身体のどこかに場所を作り、あることを知る。

「あなたは間違っている」と罵られたこと、「嫌いだ」と拒絶されたこと、他人とぶつかる度に傷付いてきた傷跡も、何度も忘れようとしても、ある時すごいスピードで戻ってくる。その度に、気持ちは沈み、涙を流すこともある。
でも、私の身体に色んな感情や経験の場所が増えるほど、同じような経験をした声が覆い被さり「それでも、これが私なの」「あの時は、あぁするしかなかったの」と自分に優しく声を掛けられることがある。

いつまでも暗い場所に立ち止まら為にも、私は今夜も本を読み、色んな感情を摂取する。

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